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aI was mixed  作者: 阿賀野基晴
第3章 1人の愛
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番外編1:妹

私の姉とは実に15歳の年齢差がある。

ここまでくると私と姉はもう姉妹と言うより別の表現が必要だな、なんてことをよく思う。

そんな表現はまだ見つかっていないのだけど。


とにかく、そんな私ももう立派な小学6年生になる。

立派なレディだ。

そんな私にはたくさんたくさん悩みがあるんだ。


まずその一


プルルルル…プルル、ガチャ


『もしもし?どうしたの?』


「…。」


『…ん?』


「…愛華姉ちゃんいつ帰ってくるのぉ!!」


お姉ちゃんがお嫁さんになり、この家から出ていってしまっているのだ!


『クスッ…もう、同じ町なんだし、またちょくちょく帰るって~。』


「聞いてよ~、クラスの男子がね全然ガキでさぁ~…。」


まぁ、たわいのない話はこの時代すぐにでもできるわけで。

ただ、好きなお姉ちゃんを別の人に取られて寂しいのである。


「あ、そう言えば英梨ちゃんは元気なの?」


『英梨?英梨も旦那さんと幸せだと思うよ~。英梨は都内に行っちゃったからねぇ。旦那さんの大学も忙しいらし、なかなか帰ってこないかもね~。』


「えぇ~そんなぁ。」


『ふふ、会いたがってたって伝えておくよ。紗那にも会いたがってるって言っておこうか?』


「紗那ねぇはこの前来たから別にいいや。」


紗那は旦那さんとよく家にご飯を食べに来てくれている。

というのも紗那夫婦は両親が多忙なこともあってそのまま紗那の家に住んでいるからお隣さんなのだ。


『あ~あ、それは伝えておかなきゃ。きっとお仕置きされちゃうよ~。』


「!?!?……愛華ねぇはそんなことしませんヤサシイカラ。」


とにかく!

私は愛華姉ちゃんに会いたいのが最近の悩みの1つなのだ。


そしてその二


私が下校している時。

あ、私は小学生にしてはそこそこ発育もよく、身長も高く、勉強もでき、運動もでき、顔立ちもいい。

自分で言うのもなんだが。

と言うことで、クラスの男子からはそこそこモテる。

と、言うことで、よくある話だが女子からはやっかみを受ける―

なんて、普通の事があったらとよく思う…。


いや、やっかみがあっていじめられるのは嫌だし、そんなことを望んでいるわけではない。

とにかく、私の悩みは、こんな普通なことがある原因によって起こらないのだ。

それは―


「お、やぁ。愛華ジュニア。」


「…北条さん…。下校中に話しかけられると皆怖がるんですけど…。」


「えぇ~??そんな酷いこと言わないでよ~。」


そう。

この愛華姉ちゃんの知り合いだという北条と言う方。

この方はとにかくもう、小学生の女子から見ると怖いお姉さんに見えるのだ。

そんな人と仲良く話している私はもうとにかく同級生の女子から目立ったことをされないのだ。

と言うより少し避け気味?


「仕事はいいんですか?」


「ちょっと休憩してるだけだからね~。というよりどう?学校は。楽しい??」


「いつも聞いてきますねそれ。楽しいですよ~。北条さんはお仕事楽しいですか?」


「いや?全然??」


なんで当たり前のように言うんだろう。


「あ、私もう行かなきゃ。じゃあね愛華ジュニア。また今度。」


「はい。お仕事頑張ってください。」


他愛無い話を出会う度にしてくる北条さんはとてもいい人なのだろう。

私のわがままだが、これが悩みだ。


そしてその三


「…」


家でのいつもの光景。


「ガハハハハハ!!!」


「…お父さん、宿題したいからもう少し静かにしてほしいんだけど。」


「あぁ??小学校の宿題なんてしなくていい!!お前成績いいんだし。」


このダメ親父である。

これについては長くは語る必要はないだろう。


「ねぇ、お母さんはどうしてこんなお父さんを選んだの?」


「ん?あらぁそんなことを聞く歳になったのかぁ。」


「おい、こんなお父さんてのはなんなんだ。おい。」


「そりゃ、こんなでも皆のお父さんだからよ。」


「えぇ~~。それ答えになってないよ~。私と愛華ねぇはかなり年が離れてるでしょ?ってことはお父さんともお母さんとも年が離れてるじゃない?なんだか離れすぎててなんて関係なのか分からなくなるなぁって。」


「ふ~~ん。なんか、ごちゃごちゃ考えてるね。」


「あぁ、そんなこと考えなくていいぞ。」


「ちょ!私は真面目に!茶化さないでよ!!」


「あははは。さっきも言ったけど、お父さんは皆のお父さん。そして私は皆のお母さん。あなたがどう思ってもそれは変わらない。」


「愛華もきっと自分を姉だって思ってくれてるぞ。それが納得できそうにねぇなら、姉とか父とか母とかは考えるな。俺達は家族。それでいいだろ?」


「……はぁ~~不毛なことを考えるのはやめよ。宿題しなきゃだし。」


「はぁ??俺良いこと言ったのに!!」


私は愛華ねぇの妹で、愛華ねぇは私の姉。

たとえそれが違うと思っても、私達は家族なのだ。

これが、答えでいいじゃないか。


私は愛華の妹で、家族で。

私は渡辺家の一員で。


そうか、これでいいんだ。


これが渡辺愛葉なのだ。

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