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aI was mixed  作者: 阿賀野基晴
第1章 2人の愛
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第1話:最初が肝心

入学してから2週間が経過した。

入学式の日、計画通り最後に教室に入った私。

その甲斐あってか誰とも話すことなく会場へ促され、そのまま誰とも話すことなく、今現在である。

2週間もたてばある程度のグループは出来つつあった。

ここまでは計画通り。

最初が肝心とはこのことだ。

まさか最初からあんなことが起こるなんて。


ここで疑問に思うことが1つ。

入学式が終わった次の日でも話し掛けられたりしないの?と思うはずだ。

入学式にさかのぼって説明しよう。


あの日の朝、私が早めに家を出たことと、そこそこに遠い阿原高校を選んだことには理由がある。

私には双子の妹、渡辺愛那(わたなべあいな)がいる。

一卵性双生児である。

愛那は中学2年の時、地元の有名な高校生ヤンキーグループを潰し、中3になる頃には地元では誰もが知る最強の女子中学生として恐れらていた。

なんでも、他のヤンキーに襲われた時も返り討ちにしたとか、暴走族の幹部になってるとか、女子中学生2人組で「女版鬼爆」とか噂を聞いたが、あくまでただの噂。

真相はわからない。

そんな妹とそっくりな顔立ちをする私は、地元の学校生活を送るには難がありすぎる。

ということで、なるべく遠い学校を選んで進学したわけだ。

そしてここでの誤算は、受験日に愛那が同じ学校を受験していたことだ。

受験日の帰り道で初めて気づく私もバカだが、進路くらいは確認しておけばよかったと後悔している。


そして入学式その日の朝。

そんな妹、愛那と一緒に学校に行くことはリスクになると考えての早出だったのだ。

それから、学校の支度に戸惑ったのは愛那の分もやってあげたからだ。


そんなこんなで、入学式で愛那とその日初めての顔を合わせ(その前に教室が同じで既に合わせていたが)結局帰りは一緒に帰ろうと誘われてしまった。

ここからが本題。

どうやら愛那の噂はこちらの方のヤンキー方にも届いていたようで。

3年生の先輩方数人に囲まれる。

私はその場にいなかったが3年生とバチっているところを新入生が目撃。

その後、私と一緒に帰っているところもばっちり目撃され、今に至る。

入学式翌日には噂は光回線のごとく高速で広がり、誰も話しかけてこなくなっていた。

私と愛那は多分『3年生の不良とバチッた新入生』枠にカテゴライズされているだろう(実際に話したわけでなく、ひそひそ声から察した見解だ)。

私の計画では「ああ、あいつそういえばクラスにいたっけ」くらいの扱いになってほしかったが、今では「近づいたら殺されるぞ」って扱いになって誰もビビって話し掛けてこない。

結果的には誰からも話しかけられずにすむ学校生活を送れそうだが、かなり腑に落ちなかった。

それでも私は今の状況に満足している。

何もなければ。


「おはよ~。愛華。なんで起こしてくんなかったの?普通に寝坊するところだったよ。」


SHR(Short Home Room)が始まる前に少し遅れて愛那が入室してくる。

眠そうに話し掛ける愛那は不機嫌なように見えてしまうためか、周りの人は一斉に鎮まる。

隣の席の子なんか怖くて震えている。

2週間もたつのに。

こんな風に悪目立ちした私たち二人の1日が始った。

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