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白と黒  作者: 9741
第4章 取材
39/90

逢原さんは来ない

「それじゃあ行こうか!」


 出発しようとする桜子を僕は止めた。出発するにはまだ早い。


「ちょっと待てよ、逢原さんがまだだろ」


 肝心の逢原さんがまだ来ていない。彼女がいないのに。二人で現場へ向かうわけにはいかない。逢原さんを待たないと。

 それにしても逢原さんが遅刻するなんて珍しいこともあるもんだ。


「あー、それがね……さっきメールが来たんだけど。詩織っち、急用ができたとかで来れなくなったみたいなんだよねー」

「(な、なんだって!? 逢原さんがいないなんて……)」


 僕はがっかりする。なんかやる気が削がれた。ああ、もう帰ろうかな。


「まあ、まあ、そんなにがっかりしないで。あ、アンパン食べる?」


 桜子が袋から一つのアンパンを取り出し、僕に手渡してくる。


「アンパンも牛乳もいらないから、さっさと終わらせよう」


 帰ろうかと思ったが、それはさすがに桜子に悪い。僕はアンパンを桜子に返した。

 それに僕も胡散臭いとは思うが、興味がないわけではない。不死身少女の正体は気になっていた。


「そんじゃあ、噂の廃ビルに行きましょうか!」


 そう言う桜子の後ろを僕は歩き始めた。

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