会話
旅せよ神流。
まだ、時は始まっていない。
あれから、俺は家に帰った。
頭はやっぱりボーっとしていて、どうやって帰ってきたのかでさえ記憶があやふやな状態だった。
たったさっきのことなのにな。
まあ、なんとか家には帰ってきた。
家に帰ってからは即、自分の部屋に行き自分のベットに寝転がった。寝転がってからはすぐ寝た。さっきまで寝てたが、最近夜更かしをずっとしていたせいか、まだ寝足りてないようだった。
俺が横になり寝ていると変な声がどこからか聞こえてくる。
「カンナを持つものよ、旅しろ」
真っ暗く、何もない空間で声が響く。声は少し低くてしわがれてて、でも、どこか懐かしさや安心を感じさせる声だった。
「誰だ・・・?」
俺は用心しながら誰もいない暗がかりにむかって、低く静かに声を発した。
「わしは、ただの書。そして、そなたはカンナを持つ、後の覚醒者である神風神流だ。」
「ただの書・・・か・・・・。てか、なんで俺の名をしってるんだ?」
俺は何故か、意外と冷静であった。
「わしは長く生きている。知らぬことはさほどない」
「ふーん」
知らないことが少ないってそれはそれで気持ちが悪い。
けど・・・・そんなことよりも、
「・・・・覚醒者ってなんだ?」
俺は言葉を続けた
だが、応答がない。
もう一回、
「覚醒者とは何だ?」
それでも静寂だ。
数秒の時が流れた。だが、その数秒は物凄く長い時間に感じられた。
そして、ただの書の声が答える。
「世界を変えるもの・・・・・」
「世界を・・・変える?」
「そうだ。そなたは、神流という神の流れを持つもの。すなわち、神流は誰もが持てるものではない。そして、そなたは、その神流の能力で世界を変える。お前は、カンナの持ち主だ。わかったか、、神風神流よ」
なんだ、こいつ。
何言ってやがる。もしかしたら、こいつの頭少しいってるのかもしれない。
けど、俺には神流の能力なんて持ち合わせてない。
「俺は、カンナなんて持ってない!俺は神風神流だ。ただの人間だ。変な事を言うな」
「いいや、お前はカンナの能力者だ」
「ちげーよ!」
「ちがくない」
うざい。
うざい、うざい、うざい。
なんてしつこい奴なんだ。
「本もどきがえらそうに語るなよ!」
俺は声を荒げる。
「わしは、本じゃない。書だ」
しかし、ただの書は冷静に返す。それが癪に障る
うぜぇー。
こいつ本当にうぜぇー。
「どーでもいいだろ!」
「よくはない!わしは、書だ。そうなずけられたのだから、本ではない」
これ以上言うと面倒くさそうだからほっとくか。
「あ・・・・そ」
「まあ、よい・・・・。だが、そちはカンナについてちゃんとわかったのか?」
ただの書は、また話を戻り始めた、
「全然」
正直に答えた。
「ハァ・・・、まあ、知るわけがないか。隠された真実を知ってるもののほうが少ないか・・」
意味深い言葉が発せられた。
「隠された真実?」
「ああ。隠された真実」
ただの書は冷静に答えた。
「そんなもの知らない!隠された真実なんてあるわけがない!」
何を言っているんだ。
「だから、知るわけがなかろう!隠されているのだから!知ってるほうがおかしい!」
ただの書の声が先ほどとは違い急に険悪になった。
「ハァ。わかったよ、それで、真実とは何だ」
俺は、冷静ぶった声で聞いた
「隠された真実と関係する話をしよう。100年前の話だ。今から100年前・・・・4750年の話だ。その頃、日本の人口は8000万人と減っていた頃だ。日本に・・・否、世界に悪魔が現れた。悪魔は、容赦なく人から希望を奪っていった。」
「奪っていった・・・・希望を・・・・?どうやって」
「希望ってのは最終的なもので、正しく言うと命を奪っていっのだ。人々は泣き叫んだ」
悪魔は、人を見るたびに命をとっていった。
悪魔は人だ。
人が人から命を奪っていった。
それは、包丁や鉄砲で刺したり撃ったりするものではなく、超能力的なものだ。
ここで1つ大切なことを話しておこう。
一定の人々は超能力を持っていた。
だが、一定の人はそれを持っていなかった。
なぜなら、超能力を持つものはそんなにいらないから。
考えてみよ。
世界中の人が超能力を使えたら一体どうなる。
世界中の人が、私利私欲のために超能力を意味もなくつかってしまう。
そうすれば、たくさんの争いが起きる。
まあ、それは超能力を悪い方向に使ったらでの話だが。よく使えばもっとよい世界になるだろうが、それは無防備すぎる。
まあ、既におこってはいけないことがそのときにはおきた。
たった1人の人間が100万人近くを殺してしまった。
超能力も一般人もなすすべもなかった。
なぜなら、悪のほうが強かったから。
人間は人を殺すことを恐れる。
それは、どんな人間だとしてでも変わらない。
その臆病の心がなすすべをなくした。
だが、悪魔との戦いは終止符を迎えた。
1人の少年によってだ。
まあ、その話は後ほどにしよう。
悪魔は、超能力を使って、外部からの損傷をつくらず、心臓だけをえぐった。
人は、悪魔が死んでからも家の外から出ることを嫌がった。
まあ、それは当然と言えば当然だろう。
そんな恐ろしい出来事が起きてから、神は一国に千人しか超能力者を生み出さなかった。
そして、その中に強力な超能力を使う、神流を一国に4人生み出していった。
まあ、必要とされる時代にしかその4人に力は与えられないが。
神流は、先ほども話したとおり世界を変える力がある。
神流をしっかり使えればの話であるが。
そして、一国に4人しかいない能力を手にした1人がそちだ。
そして、神流の能力は一生使えるわけではない。
神流の能力は、20歳までしか使えない。
大人になった瞬間から、神流の能力は消える。
そして、また必要とされる時代に生み出される。
「それが神流の能力だ。わかったか?」
あれ・・・?
この話には疑問ができる。
「神流の能力は、悪魔のようなものがいる時に生まれるのだろう?」
俺の質問に、ただの書は自信満々に答えた。
「あたりまえであろう」
「ってことは、悪魔が生まれるってことか?」
「ばか者が、もう既に生まれ取るが!」
え・・・?
「えっ・・・・?生まれて・・・いるのか?」
「もちろん」
時はもう既に遅かった。
こんな会話をしている間にも、悪魔はどんどん覚醒していた。
目覚めよ、神流。
操って見せよ、神流。
早く旅し、早く仲間を見を見つけるたびにでよ。仲間を見つけ、そして悪魔を倒すのだ。
覚醒せよ神流。
もう、時は遅し