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カンナ~The world shines~  作者: 三千回目乃 林檎
幼き少年
3/15

「カンナ」を持つ者の覚醒

まだ少年はただの人間であった

神風神流 KAMIKAZE-KANNA 男 17歳


クラスはいつものように充実していて、ざわざわとざわめいている。


はっきり言ってうるさい。耳障りだ。


ボッチの俺に向かって嫌味ったらしく鳴り響いてくる。


ボッチ歴はかれこれ10年である。


7年前までは俺にだってしっかりとした唯一の友達がいたが、その友達は7年前に転校していき唯一だった友達が消えたことで俺はボッチの世界に引きずり込まれた。


そして、7年間俺は自ら友達を作ろうとすることも無く、クラスの影となっていった。


今頃あいつはどうしているのだろうか。


あいつは、もちろん男で中本莞爾なかもとかんじとゆう難しそうな名前のやつだった。まあ、字が難しいだけあって性格も難しかった。あいつも自分が言うことではないが基本一人だった。


今はあいつがどうなっているかは知らない。


俺はあいつの連絡先を何一つ知らないから。本当に友達だったのかって考えてし

まうほど、何も知らない。


きっと、莞爾はあっちの学校で友達とか作って明るい生活を送っているのだろう。そんな妄想を膨らませると、やはりあの時俺と居るべき人物ではなかったのだろう。なんて考えてしまう。


消極的すぎるんだ、俺は。あいつと違って。


きっと、みんな嫌になると思う。


嫌、実際嫌になっているからこうして俺はボッチ生活を続けているのだ。


俺はメガネをかけていていかにもがり勉っぽそうに見える。あくまでも見えるだけだ。俺は基本テストとか300点ぐらいしかとれてない。それに、俺は消極的で莞爾と同じく気難しいところがある。そのせいで、俺は嫌われたのだ。


こんな世界、俺は嫌いだ。誰かが光の道をあるき誰かが夜の道を歩くなんて。


こんな一方に偏った世界を俺は否定し続けるだろう。


ふと俺は、教室におかれている時計に目をやる。1秒ずつ進んでいく秒針は8時57分00秒をさしていた。あと、3分で1時間目の授業がはじまる。


中学校の頃は、2分前着席して~なんて声が教室中を駆け巡っていたちょっといい子ちゃんのクラスだったが、今のクラスでは学級委員長が2分後着席をしてい

るようないい加減なクラスだ。


俺のクラスの学級委員長はとてもチャラチャラしてるやつで、カースト制度で考えていくと一軍系男子である。そう俺のクラスの学級委員長はそんな男なのである。けど悪いところばかりではない。しっかりと周りに気を使えるし、人を楽しませる事だってできるし、なんと言ったって優しいし。いいとこはすげーある。


それでもこのクラスは空気が悪い。


他のクラスとは何か世界が違う。


何故だろうか?


俺がいるせいだろうか?


俺だけクラスで孤立している。他クラスだったらそんなことはなかったはずだ。


いや、そんなことないのかもしれない。


俺だけこのちっぽけな世界に立たされたのだ。


俺は勇者でもなければ、有名人になれるような素質や人を笑わせるセンスなんて

ものは一つもも持っていない。むしろその逆を持ち合わせている。


なのに何故か俺だけのこの地に立たされているのだ。


俺と言うちっぽけの勇者はこんな明るいクラスにはあわない。俺みたいなやつがいるせいで、クラスの空気が悪くなってる。そんな確信が俺にはある。


俺は自分空気を悪くして他の人に迷惑をかけたり、人から嫌味をいわれたりして

も耐えられた。けど、昔から俺は嫌なことが一つだけあった。


それは1学期の初日に毎回言われることである。


皆が口をそろえて言う一つの言葉。


魔法の言葉だ。


その言葉一つで俺は凄く嫌になるこいつら皆死ねって思う。


俺への呪いの魔法の言葉、


「神流って名前女みたいだね」


それを言われた瞬間に背筋に悪寒が走り、どっかへ行きたくなる。


奴等は俺のことをちょっとした玩具で、俺が傷つくなんて考えてないんだろう。


実際あんなに顔をゆがめても楽しそうに何度も言ってくる。


中学校の頃、影の俺に関して一つの噂がたった。


それは俺が実は隠れオタクである。とゆう噂だ。


俺は誠実な人間でありそっち方面は俺の性にはあわないのに、それなのに何故か

そんな噂が俺の周りを包んでいたのだ。


その時はものすごくムカついた。


お前等は俺のことを何も知らないのになんでそんなこと言うんだ!って本気で思った。


そんときもやっぱり、俺のことを玩具ぐらいにしか思ってないんだな。って思った。


でも、今日は暑い。


一人で本を読んでいるだけでタラタラと汗が肌を流れていく。


拭いても拭いても汗は噴いてくる。


俺は面倒くさくなって、拭くという作業を省いているため、シャツが体にまとわりついてきてうっとうしい。


今日の最高気温はまだ6月の下旬だというのに34度とゆう暑さだ。


今日の最高気温を冷房の聴いた部屋でさらりとのべる、テレビの中の気象予報士に少しむかついた。


しかし、この暑さの中で外で体育をしているやつらは、暑くないのだろうか。

中には、ジャージを上下できているような場違いのようなやつもチラホラ見受け

られる。


ドMなんじゃないかっておもえる。


体育はどうやら野球をやっているらしい。


「カキーン!」


野球部らしき人物がホームランを打った。


野球ボールは高く舞い上がり、物凄いスピードでこっちに向かってきた。


「えっ?」


言葉と同時にボールはあいていた窓を通り抜け、俺の頭に直撃した。


『ゴツン!』


「あ゛ぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!」


痛い痛い痛い痛い痛い


「大丈夫か、神風」「神風君大丈夫?」「保健室に連れて行こう」「誰かおんぶしていって」


クラスメイトがこの一瞬の出来事に静まり返り、そして騒ぎが起こった。


けど、俺は頭に打った衝撃でクラスメイトの心配してる声さえも頭に入らなくなり、代わりに視界がぼやけ、声が少しずつ遠ざかっていることを感じた。


痛いとゆう感情もわからんくなってきている。


ちょっとやばいかな。


――――――


それ以降のことは記憶にない。


ただ、何かが一つ変だった。


なにか大きな宿命を持たされているような重みが心の中にある。


いや、実際持っているんだ。


今すぐ世界を救わなくてはいけないような気がしてならない。


何故だろう。


さっきまではこんな気持ちにはならなかったのに・・・。あのボールに魔法でもかけられていたのか、それとも俺は頭をうっておかしなっているのだろうか。どちらなのだろうか。


けど、こんな気分、前にもあったような気がする


いつだかの今日みたいに暑い日だったとが頭の中でよみがえってくる。


「カンナを持つ者は世界の救世主になる」


という言葉が何度も何度も頭の中で連呼されている。


なんだろう、これ。


カンナ?


カンナって誰かの名前のことだろうか。


でも、普通人のことをもつとゆうだろうか。


カンナとはいったいなんなんだろう。


分からない、分からない、分からない。


頭が痛い。


さっき、野球のボールをぶつけたからな・・・・。


きっと、野球のボールがぶつかったせいで痛いんだ。


きっとそうだ。


それ以外の答えなんて、俺は受け付けることはできそうにない。


俺にそんな余裕はない。


そして俺は目をつぶる。

世界を大きく変える力を持つ覚醒者になってしまった少年。

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