プロローグ
森は生い茂る緑豊かな木々が生え、風が吹くと木々に付いている葉と葉がお互いを触り合い独特の音を鳴らす。
その葉々の隙間からは空から大地を照り輝かせる太陽の陽光が漏れ出し、一筋の光の柱がいくつもの姿を現す。
いくつもの光の柱はいっそう木々の雰囲気を際立たせ、さらにそこに鳥達の美しいさえずりさえ響き渡る。
大地には青々しい草花が生え命の恵みの光を与え、より森を豊かにしその木々や草花の恩恵を受けるかのように多くの動物が生き生きと生きている。
そんな森―深緑の森はユーデリア新王国が領地に持つ場所で、かなりの規模を持つ巨大な森であった。
その為コーデリア新王国は、この森で取れる上質な木々や副産物が新王国の貴重な財産と踏み、公に国民に発表し、昔からこの森の近隣に住まう住民に土地を与え他の場所に移し、この森を王国直属の固有地と近づくことを禁止にした。
また、不法に侵入する悪徳商人や盗賊から守る為と言う名目で、森に結界魔具である魔性結晶を囲むように配置、さらに王都から定期的に騎士を送り検問をするという通常ではありえないほどの頑丈な警備網を敷いていた。
この森を厳重に守っているユーデリア新王国というのは、主に東をルシェラ、西をノラン、南を山脈が連なりそのさきにムルアジナ、北を広大な海に面している。
ユーデリア新王国は海産物と魔具を主な産業にしており、それを友好国であるルシェラや他国に輸出し経済を成り立たせていた。
魔具というのは、人間や魔力を持つものが流し込むことにより、設定しておいた現象を引き起こすものである。
例えば、火の魔具であったら魔力を通すことにより燃え盛る火炎を通した魔力分だけ燃え続けるのだ。
そのほかにもディラン、マルノリアとユーデリア新王国と並ぶ国も存在するが、小国も少なくなくお互いに睨みを利かせて均衡が保たれている。
だが現在戦争とまでは行かないが、野望を持つ各国の小競り合いや内乱が小規模で紛争が起きている為、いつ戦争が起きてもおかしくは無かった。
そのため各国は軍隊を増強し、いつ何時でも動けるように常に他国の情報を仕入れることや同盟や政略結婚などが一般化してきているのである。
だが、昔はこれほど各国の間柄は緊張状態ではなかった。
これも全て「魔王」という恐怖の存在が「勇者」によって消え、人々の心に余裕が生まれ始めたのが原因であったのだろう。
しかし、これだけで恐怖が終わったわけではなかった。
これは新たなる物語の始まりの予兆であった。




