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それぞれの末路  作者: 途山 晋
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刑事

宮田が、たくまを研究所に連れて来てから2日が経った。

たくまと、Cたくまは会わせないようにして観察している。

宮田は、少し息抜きにテレビを見ることにした。もう昼頃になり、ワイドショーが多かった。そこで、気になるニュースを見つけた。

この市の子供が一人行方不明になっているというニュースだ。

アナウンサーはこの市の名前を言ってこう続けた。


現在、その市で一昨日から子供が一人行方不明になっています。

5歳の赤西 拓馬君という男の子です。

服装は、青い服にズボンは紺色。

そして、こちらが顔写真です。


そして、顔写真が出てきた。

それは、彼が連れて来たたくまだった。

彼は「遂にニュースに出たか」と言ったものの落ち着いていた。

依頼主に言えばなんとかなるし、このままにしても見つかることは無いだろう。目撃者もいなかったはずだ。

そう思い、彼は落ち着いていた。

問題は、拓馬をどう返すか。そして、彼は思考に入って行った。


片原 美鈴は、イライラしていた。

彼女は、女性ながら警察の刑事課で勤務をしている。彼女の父が刑事だった影響を受け、生来の負けん気もあり周りからの忠告も気にせずにここまで来た。

しかし、女だからと言って簡単な事件ばかりさせられた。

そこに、今回の行方不明事件だ。

不謹慎だが、大きめの事件に少し喜んだ。

しかし、行方不明になったのが子どもだと知ってその感情は怒りに変わった。

彼女は、子どもが好きだった。

無邪気な顔が癒しをくれる。

だから、そんな子どもを守るべきなのは親の義務であり、人に頼むべきでは無いはずだ。

それは、彼女の持論であった。

今回の行方不明だって、親がしっかりしてればそんな事は起きないはずだ。そう思い、彼女は怒ったのだ。

そして、絶対に見つけると決意し、まずは被害者の両親のところに向かった。

両親はやつれていた。2日目でこの状態ならば、相当子どもの事を思っているということがわかった。

そこで、彼女の怒りは少し冷めた。

そして、ここに来るまでは彼女が救おうと思ったのは一人だけだったが、ここに来て三人になったなと思った。

「お話を、伺ってもよろしいですか?」

彼女は尋ねた。

被害者の両親は、こちらを見て父親が少しだけ頷いた。

「では、まず子供の名前を教えてもらえますか?」

「はい。息子の名前はたくまです」そして、漢字の説明もしてくれた。てへんに石。そして、馬。

彼女は急いで手帳にメモを取る。

「では、いないのに気づいたのはいつですか?」

「保育園に迎えに行った帰りのことだから、5時頃だと思います」

これは、母親が答えた。

「なるほど。奥様が迎えにいったんですか。

そして、どこでいなくなりましたか?」

「家の途中に公園があるんです。その公園で拓馬は遊ぶと言ったので、私は遊ばせました。すると、近くの家から拓馬と同じ組の子の母親が来て呼ばれたので、そこに行きました。拓馬が心配でしたが、大丈夫と言われたので。そして、世間話を20分ぐらいしているうちに拓馬の事を思い出して、外に行ったらいなくなってました」

母親は、たどたどしくそう言った。

「そうですか。すると、その母親が怪しいですね」

「いいえ‼そんな事はありません。彼女は、そういう人では無いですから」

突然の、反応に美鈴は驚いたが、わかりました。とだけ言った。

しかし、怪しい人物からは外れていない。

「そのあと、どうしましたか?」

「私は、まずそこら中を探し回りました。そして、どこにもいなかったので話してた母親に相談すると、家にいるかもしれないから一度帰った方がいい。いなかったら、警察に連絡しなさい。と言われて帰りました。そして、いなかったので、警察に電話を」

やはり、その母親が怪しいと思いながら、彼女は頷いた。

そして、一昨日と昨日で何人かの刑事課と、少年課の人が捜索したのは聞いたが見つからなかったらしい。そして、それが私に回って来たのか。

「わかりました。お話ありがとうございます。絶対に見つけますから安心してください」

母親は、お願いしますと言って顔を伏せた。

私は、この姿を忘れない。そして、犯人を許さない。そして、彼女は家をあとにした。




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