表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それぞれの末路  作者: 途山 晋
6/40

準備

さてと、子供を誘拐するとしてどうするか。

宮田は、そこを考えていた。

最近の子供は、防犯意識が高い。おそらくそれは、親の過保護のせいだろう。

公園で一人遊んでいるような子供でも探すか。

そして、宮田は家を出た。家の中では白衣だが、勿論着替えた。

白衣を脱ぐのも、外にでるのも久しぶりな気がした。

外は暑かった。家にいた時には全然暑く感じなかったのに、嘘だと思うぐらいの暑さだ。

まずは、これを調べるか。と、宮田は暑い原因調べを始めた。しかし答えはすぐに出た。

家の中が涼しかっただけか。薬品などもあるから、気温を下げていたのを忘れていた。

あっさり解けて、彼は拍子抜けした。

そして、本来の目的を思い出す。

まずは、公園への道を車で行った。

そして、10分も経たずに公園に着いた。

車の窓から見ると、公園には丁度園児ぐらいの男の子がいた。

宮田は、好都合と思い男の子に話し掛けた。

「坊や、一人かい?」

「おじさん誰?」

男の子は、宮田に質問した。

宮田は、この質問はくると思ってたので自分で考えて来た答えを言った。

「私は正義の味方で、君を強くしてあげたいんだ」

宮田は自分で言って馬鹿らしいと思った。

「おじさん凄いね‼ヒーローなんだ‼」

男の子は目を輝かせて言っている。

この目を見て宮田は、思った。

前の自分ならしなかったよな。この依頼を受ける前には。こんな子供を実験体になんて。

寧ろ、お菓子を買ってあげたいぐらいには思ってたかもしれない。それだと不審者にしか見えないが。

なのに、今ではこんな子供を実験体にしようとしてる。確かに、本人には害は無いが。

依頼を受けたことによって、自分の何かが変化したような気がした。

もしかしたら、あの論文を見たせいで負の心が宿ったのかもしれない。

自分は、どこから変わったのだろうか。

しかし、この依頼を辞めるわけにはいかない。これも多分、前ならここで辞めただろう。

そして、彼は言った。

「そう、ヒーローなんだよ‼だから、ついて来てくれないかい?」

「ついてくよ‼いろんな話を聞かせてよ‼」

「いいだろう。例えば、あいつは強かったな」

適当に作った話をしながら、男の子を自分の研究所に連れて行った。


流石に家に連れてくのはまずいと思った。

だから、彼は少し離れたところにある研究所に連れて行った。

彼が山奥にひっそり隠れるように作った、研究所だ。

中には、部屋がいくつかあったが、そのうちの一つの部屋に待機させた。

宮田は、男の子が退屈しないように、ゲームとお菓子を用意した。お金は研究費と言って使えばいい。

そして、彼は研究用の部屋に入り準備を始めた。

彼は事前に論文にある処置としか書いていなかった物を、後でもう一度調べ直した。

幸いに、この研究所は設備が充実しているので、道具さえあれば出来た。

ここを使うのも、久しぶりだな。最近は、家で小さな実験ばかりしていた。そんなことを考えながら、準備を黙々と進めて行く。

遺伝子組み換えを、自分がやるということに少し嬉しくなった。そして、不老の人間を作るのだ。

彼は、興奮していた。

歩みを早めて、男の子を呼びに行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ