回答
翌日の夜10時、宮田の待ちわびていた黒いスーツを着た男が現れた。
今日も、昨日と同じ格好でなにも変わってないように見える。
宮田は、「この依頼を受ける。これを渡してくれ」と言って手紙を渡した。
男は、それを黙って受け取りまた闇へと消えて行った。
宮田は、本当はあの男は死神で私の命を狙いに来たのではないかという変な考えも浮かんだが、それを振り払い静けさに同化するように静かに眠りに入った。
そして、その翌日が最初の部屋でのやり取りへと続いていく。
峯田は、まだ丸椅子に座っていた。
そして、佐久田に渡された手紙を読み始めた。
宛名は峯田 和徳様。つまり、峯田への手紙だ。差出人は、宮田 悠斗。峯田はこの時始めて協力者の名前を知った。
内容はこうだった。
まずは、私のことを褒めていただいたことを嬉しく思います。
あまり、評価されてきたことは少なかったので、素直に嬉しく思います。
そして、貴方の依頼を受けさせていただきたいと思います。
正直、難しい話ですが私の研究心に響く内容でした。この際動機などは気にしません。
研究費も嵩むかと思いますが、それでもよろしければ、寧ろこちらこそお願いします。
これが私の答えです。
最後まで読み、峯田は宮田を気に入った。
返事を手紙で自分に書くことも良かったが、動機を気にしないというところが良かった。
そこまで、簡単に信じていいのかと、少し自分に不安も感じたが、今は望みを叶える為にはどうでも良かった。
裏切るなら殺せばいい。しかし、そんなことは多分起きないだろう。
彼は再び笑み、望みは達成されるはずだと安心した。