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それぞれの末路  作者: 途山 晋
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助手

美鈴は、赤西家に着いたあともう質問は充分だと思い署に戻った。

彼女は今回の行動は独断だからと思い、報告書を作らなかった。というよりは止められた事件に関係したことをわざわざ明かす必要はないと思った。

なら何故きたかといえば、高木に相談するためだ。今回の事件をどう思うか。それくらいならいいと思ったのだ。

しかし、高木はまだ捜査から戻っていなかった。当然といえば当然なのかもしれない。

彼女は家に帰ることにして、これからの事を考えた。捜査は止められたけどやっぱり気になる。この事件はわからないことが多すぎる。何故誘拐したのか。髪を取るためだとしたら、それは何の為か。それとも悪いやつは何かの比喩で拓馬を助けたのか。

これを全て解決するのは時間がかかりそうだと彼女は思い寝ることにした。

明日は公園に行こう。そこで、拓馬君を降ろしたなら誰かが見ているかもしれない。

そこで、ふと思ったがどうして公園で降ろしたのだろうかと思った。一度目撃されてるのに何故。警察が捜査を止められていることを知っていなければやらない。それか余程頭が悪いのか。事件に圧力をかけた者の関係者の方が可能性はあるだろう。

しかし、これがわかっても圧力をかけた人を知ることは出来ない。つまり、関係者もわからない。しばらく考えていたが、彼女はそのまま眠りに落ちた。


宮田は成人の実験には協力者を増やそうと思った。

拓馬とC拓馬の観察を行き来するのは大変だった。それなら二人で観察した方が少しは楽になるだろうと彼は思った。

信頼出来る者を探そうと思ったが、なかなか思い当たらなかった。

尚も、そのまま思い浮かべたが一人思い浮かんだ。信頼出来てその上この実験に協力出来る者。彼は、その協力者に頼む為に準備を始めた。

しばらくして、彼の前には協力者がいた。

宮田は、今までの実験の推移を説明した。相手は呑み込みが早く、「わかりました。協力しましょう。助手、でいいかな」

「うん。助手と呼んだ方が楽かもしれない。君の名前はややこしいから私にとっても楽だ。それで、今回の実験体はどうしたらいいと思う?」

助手は少し考え始めた。

そして、「ふむ。ホームレスでいいのでは?多分連れて来るのも楽ですし」と言った。

「なるほど。君を助手にしてやはり正解だった。私が思い浮かばないことをすぐに浮かべる」

「いえいえ。博士が考えても思い浮かぶ筈ですよ」と言って助手の彼は笑った。

「謙遜するなよ」と言って宮田も笑う。

じゃあ、そうするか。宮田はそう考えたところでC拓馬を思い出した。

「C拓馬はどうすればいいと思う?」

「確かに悩み物ですね。クローンだからといって殺すわけにも」

「あぁ、そうなんだよ。だからどうすればいいか」

二人はしばらく考えて無言になった。

そして、「やっぱりここにいていいかな。彼がいても邪魔にはならない」と宮田が言った。

「そうですね。博士がそう言うなら」と助手も同意した。

「よし、じゃあ捜すとするが君はどうする?」

「私はここに残って博士を待ちます。C拓馬とも話してみたいですし」

「そうか。じゃあ、頼んだ」

そう言って宮田は外へ出て行った。

助手はそれを見届けてC拓馬の元へと向かって行った。

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