質問
突然の前書き失礼します。
ここまで読んでくださってる皆さんありがとうございます。
最近更新が少なくなってしまってすみません。作者都合です。
これからも頑張って続けていきたいと思いますので、応援の代わりに読んでくれると嬉しいです。
少しの間その三人の様子を美鈴は眺めていたが、そこへ後ろから車が来てクラクションを鳴らした。
四人が道の真ん中にいるからだろう。
親子三人は我に帰り車に戻ったので、美鈴もそれに続いた。
三人は、車を発進させ、赤西家へと向かっていった。
車に乗る時に拓馬は美鈴の存在に気づいた。
「お姉さん誰?」
「私は警察よ。拓馬君を探していたの」
「なんで?僕はヒーローのおじさんに助けてもらったのに」
美鈴は、拓馬の両親に「大丈夫ですか?」と尋ねた。
主語は抜けているが、父親は理解して頷いた。美鈴は、それを確認し拓馬に質問を始めた。
「まず、ヒーローのおじさんって?」
「おじさんは凄いんだよ‼正義の味方でこの辺りを守ってる人なんだって‼」
「そうなの?それで、なんて言われてついてったの?」
「悪いやつを倒すのに僕の力が必要だって言ったんだ。それで、僕の髪も何本かあげたんだ。僕の髪には力があるんだって‼ 」そう言って拓馬は両親の方を見た。
父親が、「そうか」と笑顔で言った。
美鈴は、髪なんて一体何に使うのかが疑問だった。まさか、マニアとかでは無いだろうし。
「そういえば、保育園に行かないのを変に思わなかったの?」
「うん。だって、夏休みって言われたんだもん」
夏休みと言ったのか。しかし、実際保育園には夏休みは無い。幼稚園にはあるが。
「おじさんは怖かった?」
「そんなわけ無いよ‼だって、正義の味方なんだよ?お菓子くれたり、ゲームやらせてくれたよ‼」
「そう」と言って美鈴は考えた。
誘拐した割に目的が全くわからない。一体目的は何だったんだろうか。
「じゃあ、今日帰れることは知ってた?」
「うん。昨日教えてくれたよ。悪いやつを倒したからもう安全だから明日返してくれるって」
悪いやつ。それは、適当な言い訳なのかそれとも何かを比喩したものなのか考えた。
もし、何らかの比喩ならその男は彼を助けたことになるが。
「そうなの。いろいろ答えてくれてありがとうね」
「うん‼」と言って拓馬はまた両親と話し始めた。
果たして、目的は何だったのか。
悪いやつは比喩なのか。美鈴はいろいろな謎を抱えていたが車は赤西家に到着した。
宮田は少し落ち着きが無かった。
拓馬はもう帰れると言っていたがちゃんと帰れただろうか。
一応、念には念を入れて拓馬の家には電話したが。心配だ。
もう一度、聞くことにしよう。
電話を掛けると比較的早く出た。
相手は前とは変わって「誘拐犯ですか?」と聞いたので、宮田も「誘拐犯です」と答えた。
「何の用ですか?」
「拓馬君を公園に降ろしました。まだそこの近くにいると思うので迎えに行ってあげてください。帰れると言ってたんですが心配で」
「誘拐犯に心配なんてされたく無いですが、わかりました」
そう言って相手は電話を切った。
確かに俺が言う言葉じゃないよな。そう思いながら、次の実験に使う成人はどうしようかと考え始めた。