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それぞれの末路  作者: 途山 晋
10/40

目撃

署を出た美鈴が向かったのは、再び公園だった。高木のアドバイスの通りに周りに聞き込みをすることにしたのだ。

彼女は、窓から公園を見ることが出来そうな家は、ここから見る限り六軒ぐらいだろうかと考え、まずはその六軒に行くことにした。

インターフォンを押し、警察手帳を見せて話を聞く。これを3回ぐらい繰り返し、4回目でやっと有益な情報を聞けた。

戸を開けたのは、高校生くらいの男子だった。

「どちら様ですか?」とその男子は聞いた。

「私は警察の者です。少しお話を伺ってもよろしいでしょうか?」と言って美鈴は警察手帳を見せる。

彼は、彼女の警察手帳に少し驚いた。そして俺、何かしたかなと思った。

しかし、彼女が「行方不明事件のことなんですが」と言うのを聞いて安堵した。

「あっ、友達が言ってました。この市の子ですよね?それで、どうしたんですか?」

「知ってるんですね。その子がいなくなったのが、この辺なんです。それで、その子が何処かへ行ったのを見たとか、不審な人を見たとかありませんでしたか?」

彼は、不審な人物なんていたかなと思ったがふと思い当たった。

そういえば、男の子と話している人がいたな。仲良さそうだったから、記憶に残ってる。

「そういえば、男の子と男の人が話しているのを見ました。それが行方不明になった子かはわからないけど」

美鈴はそれを聞いてそれに違いないと思ったが、高木の言葉を思い出し確認することにした。

「まず、その子がどんな格好だったか覚えてますか?」

どうだったかな。駄目だ思い出せない。

「すみません。思い出せないです」

「そうですか。青い服は着てましたか?」

「青い服ですか…」

青い服、青い服。そして、記憶の中を探っていく。そうだ‼確かに着てた。

そして、他のことも引っ張られるように思い出した。

「はい‼確かに着てました‼あと、二人は話したあとに白い車であっちの方に向かいました」

と言って、彼は道路に指を指す。

美鈴は大分有益な情報を得て驚いた。

そして、確かに高木の言う通り最初に聞き込みをすれば良かったと後悔した。

「他には何かありますか?」

「いや、他には思い出せないです」

彼女は正直、ナンバーを覚えてくれてたら良かったと思ったが、高望みのしすぎだなと思った。

「そうですか。でもとても助かりました。ありがとうございました」

「いや、そんなに言われることじゃ」

と言って彼は恥ずかしそうに顔を赤らめた。

「いや、とても助かる情報でした。それでは失礼します」

と言って、美鈴は彼の指差した道路に向かった。

道路は当然分かれ道になっていた。

一本道を少しは期待していた。

彼女は、これも聞き込みをしていかないといけないかと思い署に戻ることにした。


署に戻ると、最初に報告書を仕上げた。

今日調べたことについて纏めた。勿論、あの高校生の話も入ってる。

恐らくこれは誘拐事件だと確信した。

二日経って、身代金も要求してないのだから目的はわからない。

もし殺すためだとしたら、拓馬君はもう。

そんな、考えがよぎったが振り払うことにした。時間はもう遅い。報告書に時間を結構使った。明日からは誘拐事件として調べることにしよう。

そして、彼女は家に帰り疲れのせいか深い眠りに入っていった。

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