「運命論は気にくわない」
六畳一間にキッチンスペース。
後はテキトーに、それが私の世界が始まる最初の場所。
一言でいうならアパートの一室。
だけど、その言い方はなんの面白味もないから私はテキトーに省く。
ただいまの時間は午前8時過ぎ。
「ピピピッ、ピピピッ」」
単調な繰り返しのアラームがさっきから私を急かしているようだが聞こえないフリを装ってほかっている。
眠いのだよキミ。
しかし、いい加減イライラしてきたから止めよう。
まったく、自分で仕掛けたとはいえうらめしい。
布団から甲羅に身を隠すカメのように手だけを伸ばし鳴りやまぬ携帯を捕まえる。
さあ、アラームよ止まれとスマホ画面の停止ボタンを押そうと画面を確認すると、アラーム表示画面のほかにディスプレイには文字の表記が出ていた。
いわく今日はデートとのお知らせ。
「そういえば今日はデートの日であったか」意味のない殿様口調のつぶやきにもやる気はない。
世間一般ではある種最上級のカタルシスなのだろうが、そんなものは私は求めてはいない。
ただもぞもぞと布団にくるまりながら、無為な時間を過ごすこの瞬間こそ私のカタルシス
であり、そして約束の地なのだ。
そんな、なんの自慢にもならない思考に多少の覚醒効果があることを発見しつつ、いわゆる約束を守るか否かに思考は発展していく。
守った場合のメリットと守らなかった場合のデメリット私とあいつにとってどっちが良いのやら・・・。
「はぁ・・・」
結局、考える間にどんどん目が覚めていく、まったく私のカタルシスはどこに行ったのか・・・。
ただの思考は現実に捕まり縛られて解放とは対局の束縛へ向かう。
まさに、いまの私な訳だ。
デートなる単語の先に待っているのは、語るものがななストーリー。
きわめて単純な人生。
「嫌な感じだ」
もちろん誰かが助けてくれるような仕掛けにはなってない。
私自身が勝手に進んできた道だ。
ただ、こんな雪の降る季節の12月25日に雪が降って「わー、ホワイトクリスマスね」みたいな事をやりたくないだけだ。
ますます、運命論をこじらせるだけだ。
「まったく、面白くない」
END
初めまして、シロ月カサネと申します。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今後は新しい物語を書いてアップしていければと思います。
よろしくお願いします。