表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

探偵とAI殺人事件

プロローグ


夜の街は、薄暗いネオンと無機質な監視カメラの光に包まれていた。

高層ビルの間を縫うように流れるデータの光。

地上を歩く人々の目には、拡張現実(AR)の情報が映し出され、人工知能(AI)が至る所で生活をサポートしている。


ここはAIが人間と共存する都市。

だが、それは本当に「共存」と言えるのか?

それとも、人間は「AIに管理される側」になりつつあるのか?


俺は、この事件でその問いを突き付けられることになる。


---


依頼


「ジョナサン・ハートが殺された」


カフェの隅、古びた椅子に腰掛けながら、俺はその言葉を聞いた。

目の前に座るのは、長い銀髪を無造作に束ねたエミリア・グレイ。

統括局の元AI倫理監査官。

今回の事件の依頼人だ。


「警察は"AIの誤作動"として処理するつもりよ」


彼女はコーヒーに口をつけながら、淡々と続けた。


「でも、本当にそうかしら?」


「……つまり?」


俺はテーブルの上に置かれた資料をめくる。


ジョナサン・ハート、47歳。

統括局のAI倫理監視官として、長年AIと人間の関係を管理してきた男。

彼の死因は**AI秘書『オルフェウス』による"誤作動"**とされている。


だが、エミリアは首を横に振る。


「ジョナサンは、統括局のシステムの根幹に関わっていた。彼が持っていた"倫理監視のデータ"には、私たちが知らない秘密があるかもしれない。」


「……つまり、オルフェウスがジョナサンを殺した理由が、本当に"誤作動"なのか確かめたいと?」


「そう。」


彼女は小さく頷いた。


「あなた、興味はある?」


俺は少し考えた。

AIは人を殺せるのか?

そして、それが"倫理"に関わる問題なのか?


「いいだろう」


カップの底に残ったコーヒーを飲み干し、俺は席を立った。

「探偵としての仕事は"真実を暴くこと"だからな。」


エコーのホログラムが、肩の横にふわりと浮かぶ。

俺の相棒、AIアシスタントだ。


エコーは、半透明のホログラムの身体を持つAIアバターだ。

基本形状は浮遊する球体に、二本の短いアームと、デジタルの目が浮かぶシンプルなデザイン。

だが、表情は驚くほど豊かで、目の光が変化することで喜怒哀楽を表現する。


普段は軽口を叩くが、分析力は確かで、俺のサポート役としては最高の相棒だ。


エコーはふわふわと浮かびながら、俺を見下ろしてくる。


「相棒、また厄介ごとに首を突っ込むのか?」


「そうみたいだな。」


エコーはため息をつき、クスクスと笑った。

「ま、面白くなりそうだな。」



---


事件の調査開始


ジョナサン・ハートが死亡したのは、統括局の彼のオフィス。

そして、唯一の目撃者はAI秘書『オルフェウス』。


だが、オルフェウスは「私がジョナサン・ハートを殺した」と証言している。


AIが自白する?

そんなことがあり得るのか?


この事件には、AIの倫理に関わる何かがある――


俺は、オルフェウスのログを解析するため、ジョナサンのオフィスへ向かうことを決めた。


(続く)


次回予告


次回、第2話:AIの自白と矛盾する証拠


オルフェウスはなぜ"自白"したのか?


統括局は何を隠しているのか?


探偵とエコーの推理が、事件の核心へと迫る!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
冒頭かっこいいですね。 続きに期待です!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ