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カミサマ、ホトケサマ、ノゾムサマ


 その後、なんとか無罪を勝ち取った泉水は満身創痍で警視庁を出た。

 空はすっかり真っ暗だ。

「もう、なんで一日に二回も取り調べられなきゃいけないのよ。真っ暗じゃない。こんな真夜中に暴漢に襲われたりしたら、警察はどう責任とってくれるってのよ!」

 泉水の嘆きは夜の空に吸い込まれていく。そして、そのままガックリと頭を垂れた。

「所持金も心許ないし、家は焼けちゃったし。まずは住むところを探さなくちゃだな」

 泉水はとぼとぼとあてもなく歩く。今日は久々にカプセルか漫喫かな、なんて思いながら近くのコンビニに入ったとき、ポケットの中のスマホが振動した。

『昼間言ってた黒咲さんの名前と電話番号と住所、送っておいたよ』

「パパ大好き!」

 泉水は感動して半泣きになる。

「助かったー」

 泉水は心からホッとした。今日の寝床が見つかったと。

『泉水ったらよっぽど黒咲さんのことが気に入ったんだねぇ』

「そうなの。じゃ、そのうち帰るから」

『楽しみにしてるよ。おやすみ』

 泉水はニッコリとした笑みをスマホに向けて、ガッツポーズをとった。

「うっし! 寝床確保だぜ!」

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