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この教室は監視されているっ!!

作者: 大貞ハル

イジメの話とかしてますので、苦手な人はお気をつけください

「えーっと、東校舎1階奥の体育館への渡り廊下の手前、って事はアレかな?」


人気のない廊下を歩く制服姿の女子高生。大抵の生徒は校舎の外に出てショートカットするので雨でもない限り律儀にここを通る者は少ない。


おかっぱ風の髪型、ほんらいなら刈り上げる辺りを逆に伸ばしていて、それをひっつめてお下げにしている。

前髪は斜め一直線に切って、右目を隠し気味にしているが、出している方の目に眼帯をしていた。


廊下の先に渡り廊下が見える。その手前の教室のプレートには「第二生徒指導室」と書かれている。


『気が向いたら行ってみて。多分あなたは気にいると思うわ』


転校初日、担任に勧められた。

高校で転校というのは珍しいかもしれないが、彼女は成績自体は良かったため、転入に関してはこれと言って問題はなかった。転校の理由は彼女の素行というべきだろうか。問題のある教師を精神的に追い詰め退職に追い込んだのだった。


むしろ感謝して欲しいくらいだったが彼女の個人的な都合と言う事にしてこの学校にやって来た。




「こんちわー?」


第二生徒指導室の戸を開けて中を覗く。

廊下から窓までの距離は、当然だが他の教室と同じだけあるが幅が狭いためにやけに細長く感じる。


左右には大小のロッカーと流しがあり、冷蔵庫や電子レンジまで置いてある。

それに着替えでもするのか衝立が置かれている。


部屋の真ん中には長机が二つくっ付けて置かれていて、その周りにパイプ椅子がある。


机の左右には背が高そうなロングヘアの女生徒と、車椅子で三つ編みお下げの眼鏡っ子。

奥にショートカットの少年に見えなくもない凛々しい女生徒が座っている。

黒縁のメガネに目が行くのでそれほど気にならないが、鼻から左の頬にかけて傷跡が見える。


「やあ、いらっしゃい」


奥に座っている生徒が答えた。


「えーっと、担任からここに行くと良いと勧められたんだけど、何をする集まり?」

「なんの説明も受けてないんだね?」

「まあ、そう」

「この部屋はね、以前イジメ対策ブームがあった時に作られた部屋なんだ」

「イジメブームって…」

「いや、そうじゃなくて、対策ブームだね。イジメ自体は流行ったり減ったりはしていない」

「はあ」


空いている席を勧められたので素直に座る。

ロンゲの子がお茶を出してくれる。

見ると電気ポットがあるので、日常的にお茶をしたりしている様だ。良いのか?


「今もそうだけど、一部の生徒は保健室登校みたいな事をしているんだけど、いじめが原因の子が保健室に屯すると本来の形で機能しないとか、人手不足だとか言う理由で、イジメ被害にあっている生徒が逃げ込める部屋を作ったんだけど、どうなったと思う?」


「この部屋でイジメが起こった?」


「正解」


嬉しそうに手を合わせている。


「起こったと言うか、むしろ状況は悪かったらしい。だから、早々にこの部屋は使用中止となり、空いていたこの部屋を私たちが使わせてもらう事になったわけだ」

「その私たちってのは、何をしている人たち?」

「まあ、イジメ被害者だな」


自信たっぷりに応えるショートカットのイケメン少女。

先ほどイジメ被害がひどいから閉鎖されたと言ったその口でそれを言う感。


「イジメられている様には見えんが…」

「かなり面倒な嫌がらせを受けているよ?」


言いながら立ち上がると、下はスカートでは無く男子のズボンを履いていた。

よくよく見るとリボンではなくネクタイをしている。


「ちょっと目を離すと物は盗まれるし、毎日の様に上履きは無くなったり履けなくされているし、体育の後は制服が切り刻まれている。この教室には中古の制服がいくつか用意してあったんだけど、とうとう使い切ってしまってね。男子の制服を着ているんだ」


この教室のかなりのスペースを埋めているロッカーには制服や教科書、上履きなどの予備が置かれているらしい。と言うか目の前のこの子の足元はスリッパだ。


「笑いながら言うことじゃない…。対策とかはしてるのか?」


「してるよ。してるけど、子供が一定数集まればイジメは必ず起こる。人間と言うのはそう言うものさ。弱い者をいじめて喜ぶやつ、被害者に手を差し伸べて優越感に浸るやつ、イジメられている事を理由に逃避する子も居る。そんな中にもイジメには縁が無いはずなのに、本当に運が悪くてイジメられてしまう子も居る。だったら狙われるのは私で良い」


椅子に座り直して話を続ける。


「まあ、その場のノリとか気の迷いでやらかした子は助けても良いし、根っからのクズは徹底的に叩き潰しても良いし、みたいな事をしているよ。我々は別に教育者でもボランティアでもないから、本当にその時の気分でね」

「………」

「どうかな?」


「あー、いや、似た様な事をしてる人も居るもんだなって」


「ふふっ。そうか。ようこそ、第二生徒指導室へ」






「あー、そうそう、天井の防犯カメラは生きてるから…」


指差された方を見るとドーム状の装置が確認できた」


「不純異性交遊とかする時は気をつけてな」

「しねーよ」

「逆に襲われそうになった時にはここに誘い込めば証拠が残る」

「あー」

この話を考えたのはもう何年前かも分からん感じなので形にして出したことがあったか分からんです。

見たことがある人は気がつかなかったフリをしてください…。


主人公っぽいポジションの眼帯ちゃんはキャラメイクに困ったら出てくるいつもの神様です。


もともとのメンバーは「優秀で人気者の生徒会長」の双子の姉、失語症で暴力担当の長身ロングヘア、余命数ヶ月の車椅子少女、今回はいませんが、車椅子少女のクローン、それに今回居たけど見えてない魔法使いの少女と幽霊、だったかな。あと巫女さんもいたかも。忘れた。


他の作品で使ってしまった女性恐怖症の女の子も、元々はこれの登場人物だったと言うか、あれの元ネタがこれと言うか、そんな感じだった気がする。忘れた。


忘れる前に形にするの大事…。

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