戦引きが難しい
戦引きが難しい
どこまで近寄っていいのか?
どこから距離を保つべきなのか?
間違って相手を不快な気持ちにさせてしまうのが
勘違いしてしまうのが恐くて
それこそ場の雰囲気とか
空気を読んでとか
ただそれを理解できているのなら
僕は多分ここにはいないから
お前になんて何も期待していない
何つけ上がってんだよって
否定されるのは辛いから
優しい人の手招きも
疑って目を逸らして来てしまった
そうやって恐がっている内に
傷付かないように
ようやくできた繋がりを壊さないように
している内に
遠巻きに眺めている事が多くなって
いつの間にか
一人になっていた
もうよく覚えてもいないけれど
幼い頃は確かに言えていた
一緒に遊ぼ?
が言えなくなってしまってから今日まで
僕はどれくらい眺めて来ただろう
自分を守るためだけに
逃げてきてしまったんだろう
そしてこうやって自省している振りをして
どうせこんな自分にできる事なんて無いと
相手の顔を真っ直ぐに見る事
手を掴んだり 差し伸べたりする事
しっかり避けて通っていて
こんな誤魔化しばかりが上手くなって
戦引きが難しいよって
誰も傷付けない
誰にも傷付けられない
離れた場所で
恐がってばかりで
何もできなかった僕は
やっぱり眺めている
みんなそれぞれが
勇気を振り絞って
距離を近付けて ぶつかり合って 傷付きながらも
繋がって行く 支え合って行く
その姿を
一体いつまで
こうしているつもりなんだろう
僕は一体いつまで




