第6話
今回も最後まで読んでいただけると幸いです!
(お前いつも霧崎と帰ってんの?)
「カキーン!」
(いつもじゃないけど、結構一緒に帰ることが多いな。)
「カキーン!」
(へー!いつも一緒に帰りたいとか思わないわけ?)
「カキーン!」
(別に何も思わないっていうか、なんで俺達はバッセンにいんの?)
(え?ただの自主練で来てんだけど。)
(あー、なるほど自主練ね。
松風君?帰ってもいいかな?)
(だめに決まってんだろ。)
(てめー!俺の放課後の時間をなんだと思ってんだ!)
俺達はバッティングセンターに来ていた、というかいつの間にかここにいた。
(まぁそう怒るなよ!
俺の自主練でもあるけどお前の自主練でもあるんだぞ?)
(は?どいうこと?)
俺が首を傾げて言うと松風は笑顔でこう言ってきた。
(夏休み前の球技大会って知ってるか?)
(あー知ってるけど、)
俺達が通う筑摩高校では長期の休みに入る前に必ずイベント行事がある。
夏休み前は球技大会、冬休み前は文化祭といったような感じだ。
たまに、違うイベントが入ってくることもあるがそれは雨などで開催できなかった場合に限る。
(その球技大会で主に目立つのは野球なんだよ!)
(結局お前は何が言いたいんだ?)
松風はさっきまでの笑顔とは違い、何か企んだような笑みでこう言ってきた。
(こんな盛り上がるイベントに俺達が出ないわけないよな?
西中の4番だった波島太陽くん?)
(え?)
俺はそれを聞いて驚いた。
だって俺は中学校の軟式の野球部に入っていたの対して、こいつは確か硬式のリトルシニアに入っていたはずだ。
しかも違う中学校に通っていたのにどうしてこいつは俺のことを知ってたんだろうか。
考えていると、松風の口が動く。
(一回俺とお前はあってるんだぞ?
まぁ多分覚えてないだろうけど)
そんなこと覚えているわけがない。
そんな顔をしていると、松風はこう言ってきた。
(去年の塔山グラウンドでやってた夏の予選にお前出てただろ?)
(あー、出てたけど。)
(その時に俺、お前の試合を見てたんだぜ?)
(まじで?どこから見てたんだ?)
(バックネット裏から普通に見てたぞ。)
(そういえばあの時、バックネット裏に野球の格好をした奴がいたような。)
(そうそう!それ俺!)
(あれお前だったのかよ。)
確かにあの時、バックネットにすごいイケメンがいるって同じチームメイトだった女子が言ってた気がする。
(その試合でさぁ、お前を見たんだけど
その時に、思ったことがあったんだよ。)
次に松風から発せられた言葉は意外なものだった。
(なんで、あいつはあんなに周りの奴に合わせて野球をやってるんだろうってな。)
(え?)
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