第2話
あの後、俺は芝谷に連れられ近くの公園に来ていた。
(で?さっきの意味を教えて貰いましようか?)
(なんのことでしょうか?)
俺がしらけて言うと芝谷は、
(早く言わないと、お前一生家に返さないぞ。)
ほぼ恐喝じみたことを言ってきた。
多分、こいつの裏の顔は俺の想像よりも遥かにやばい気がした。
(わかった。言うから。)
それを聞いてさっきまで、ゴリ....怖い顔をしていた芝谷が普通の顔に戻った。
(今、変なこと考えてなかった?)
(い、いや、何にも考えておりません。)
コイツはエスパーか何かか?
(まぁ、いいわ。
それで?なんで私にあんなことを言ってきたの?)
芝谷はさっきまでとは違い真剣な顔つきになっていた。
それを見て、俺も真剣に答えないといけないと思った。
(あの時、お前が黙っててくれって俺に言ってきたとき、昔の俺にそっくりだなと思ったんだ。)
(昔の君に?)
芝谷に昔の自分がどんな奴だったか、
どうして昔の自分を嫌いになってしまったのかを全て話した。
(と、まぁこんな感じでさぁ、見捨てられたくなくて、その立ち位置で自分の役目を果たすことに手一杯で後の事は周りによく合わせてばかりだったから、好きな物も好きと言えずによく一人で今のお前みたいにコソコソいろんなところに行ってたよ。)
(なるほどね。境遇が自分と全く同じだったから、あの時の言葉で私の考えを読めたのか。)
(そいうこと。絶対好きな物も隠して自分を偽っているんだなと思ったよ。だからあの時、俺はちょっかいをかけて芝谷にいつか俺みたいになるかもしれないって言う警告のつもりで声をかけたんだよ。)
(そういう意味だったんだ。)
その後、10分ぐらい芝谷は何も話さずに、深く考え込んでいた。
考え終わったのか、芝谷は俺の方を向き口を開いた。
(君の言うとおり、私は自分を偽って生きてる。こんな自分を嫌いになってる気持ちもあればこんな自分をまだ好いている気持ちもいる。結局のところ自分をどう受け入れればいいかわからないでいるっていうのが今の私の本音かな。)
芝谷の言葉にはすごい共感できた。
俺も自分が嫌いな思いと好いている思いが存在していたあの時、どうしていいかわからなかった。結局は自分がどうなりたいのか決められないまま、嫌いな思いが強くなりすぎて、好いている自分の気持ちを殺して、今の自分が出来上がってしまった。
(君はどの私を受け入れればいいと思う?)
彼女の問いに、俺は深く考え込んだ。
考えて、考えて、考え出した答えが、
(俺は、今、この場所にいる芝谷がいいと思った。)
(え?)
彼女はすごい驚いた表情をしていた。
(今こうやって、同じ境遇のやつと本気で会話しているお前のその裏のない雰囲気が俺にはいいと思った。)
(......)
芝谷は数秒の沈黙の後、笑みを浮かべてこう言ってきた。
(君は素の私を良いと思ってくれたんだね。)
そう言ってきた芝谷に、俺も笑みを浮かべて、
(今のお前って素だったんだな。)
そのあとの俺達の会話は続き、気付けばもう夜の10時になっていた。
(やばい。そろそろ帰らないと。)
(あー、もうこんな時間か。結構喋ったな。)
(そうだね。)
久しぶりにこんなに長く人と喋ったんじゃないかなと思う。
そんなことを思っていると芝谷から、こんな言葉が、
(ね?)
(うん?なに?)
(何かの縁だしさぁ、私達友達にならない?)
彼女の言葉に少しの間無言になってしまったが、すぐに俺は答えた。
(いいね。多分お前と友達になれば新しい自分を見つけられる気がする。)
そう俺が言うと、芝谷は今まで見たことがない満面の笑みで、
(じゃあ、これから宜しくね!太陽!)
彼女はそういってふり返り、急いで公園を出ようとしたときだった。
車がものすごいスピードで走っているのが見えた。
そして、彼女はその車に気づいていない様子だった。
その瞬間俺は急いで彼女の元に走っていき彼女を助けようとしたが、俺が彼女を向こう側に押そうとした時にはもう車が目の前まで来ており、彼女と一緒に俺は、、、、、
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