第1話
前回から約1ヶ月くらい経ちましたが、遅くなってしまい本当に申し訳ございません。
今回からやっと1話が始まります。
ぜひ、見ていただけると幸いです。
(みんな、笑って笑って!)
(はい!チーズ!)
この時、クラスで撮った最後の記念写真に写っている俺はひどい顔をしていたと思う。
俺、波島太陽は今日で高校を卒業した。
この筑摩高校で過ごした高校生活は一生の思い出、、とかなんとか校門で言ってるやつがいたけど、そんなやつにこう言ってやりたい。
「数年後にはこんな思い出、頭の片隅にも残ってねーよと。」
俺はこの高校3年間、ずっと一人で行動をしてきた。いわゆるボッチと言うやつだ。
ボッチでいるやつは、大体がうまく自分から喋れないやつか、自分の殻に閉じこもってるやつのどっちかだ。
自分で言うのもなんだけど俺は後者の方だ。
好きで殻に閉じこもったわけじゃない。
中学までは、ボッチではなかった。
今とは、真逆で友達がたくさんいた。
たくさん、たくさんいた、偽りの友達が。
そんな偽りの友との関係がいつしか、自分を嫌にさせてしまい、一人でいることを望んでしまったことは言うまでもない。
家に帰ってからはそく寝た。
久しぶりにこんなに寝たんじゃないかと思うぐらい寝た気がする。
起きた頃にはもう夕日は沈んでいるどころか、あたり一面真っ暗になっていた。
時計を見るともう夜の8時だった。
(俺、帰ってきてから5時間も寝てたのか。)
重い身体を起き上がらせ、リビングの方に向かった。
リビングの方に来たが相変わらず誰もいなかった。両親はどっちも共働きで帰ってくるのが大体いつも遅かった。
(うん?)
ふと、机の上に置いてある置き手紙に目を向けた。
(太陽、卒業おめでとう。本当は祝ってやりたかったが、お父さんもお母さんも仕事で今日は祝ってやれない。また後日、祝いのパーティをしよう。今日はそこに置いてあるお金で食事を済ませなさい。)
と、書かれていた。
置いてあるお金の方を見るといつもは1000円ぐらいなのに対し、今日は5000円もあった。
(祝ってあげられない分、これで今日は許してくれってことか。)
俺はお金を手に取り、食事をすませるために外に出た。このあと、自分が死ぬとは知らずに。
外に出ると相変わらず静かだなと感じてしまう。
(これが都会との差か。)
そんなことを思いながら俺はラーメン屋があったので今日はラーメンの日にしようと屋台に入った。
屋台に入ると真っ先に目に写り込んだのは
同じ高校に通っていた芝谷桜がそこにはいた。
(あいつってこんなところにも来るんだ。)
俺は、内心そう思ってしまった。
だって芝谷桜は筑摩高校のアイドル的存在だったはず。
俺とは違い、リア充生活を満喫していたあの芝谷桜が一人でこんなボロボロのラーメン屋にいるのだから、内心驚くのも無理もない。
そのとき、視線を芝谷の方に向けていたからか芝谷もこっちを見てきた。
俺はとっさに視線を違うほうに向けた。
(急に視線を向けてくるなよ。)
嫌な空気の中、俺はラーメンを頼んだのだった。
ラーメンを食べ終わり、会計を済ませそのまま家に帰ろうとしたとき、
(待って。)
その声がした方を見ると、芝谷がそこにはいた。
(なに?)
(君って確か高校一緒だったよね?)
(あー、一緒だったけどそれが何か?)
(今日ここで、私が一人でラーメン食べていたってこと誰にも言わないで。)
なぜこんなことを言ってくるのだろうか?
俺は最初そう思ってしまった。
しかし、考えればすぐわかることだった。
「そういうことね。」
俺は分かっていたがあえて触れないことにした。
(別に誰にも言わないっていうか俺高校の知り合いいないし。)
(あっそ。それならいいの。引き止めてごめんなさい。)
彼女はそそくさに退散しようとした時に、俺は少しちょっかいをかけるように、
(自分を偽っているとその内、自分を嫌いなるぞ。)
と、言ってみた。
すると、
(え?)
その声に、芝谷がこちらに振り返ってしまった。
凄い機嫌が悪そうな顔だった。
(ねぇ?それどういう意味?)
余計なことを言わなければ良かったと今になって後悔している俺は、
(あ、悪い今のは聞かなかったことにしてくれ。)
(それじゃ!)
その場を逃げるよう後にしようとしたが、
それも虚しく、芝谷に捕まってしまった。
1話を見ていただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!