* 主たる登場人物の紹介
紫二娘
別名・紫焔の魔女 もと魔王。ヒト族の守護神セトによって創造されるが、セトに反逆し別世界の女神女媧を利用して召喚された勇者を送り返すとともにセトを封印することに成功する。その後、時空を超えて別世界を放浪中、6才で孤児となった呂布を拾って育成しこれと強引に婚姻する。その意図はセト復活の折、次代勇者として呂布を召喚させ自分が討伐されないようするためとされている。
呂布
字は奉先。後漢最強の武将。6才の時、匈奴に一族を皆殺しにされ孤児となり、死にかけているところを紫二娘に拾われる。後に紫二娘と夫婦となる。記憶を消されたものの、紫二娘から酷い扱いを受けたことは体が覚えており、彼女が近くにいるだけで本能で体が震える。16才の時、紫二娘のもとから出奔。并州の刺史丁原に仕える。1年後、紫二娘が突然現れ乳飲み子の娘紫芍を押し付けられる。以降、三国志に描写されている経過をたどり、徐州下邳にて死亡。死後、娘の紫芍とともに異世界に召喚。しかし、自分が次代の勇者であることに気づいていない。
呂紫芍
字は白雪。呂布と紫二娘の娘。琴の名手。生前は荊州、豫州、揚州にその名を轟かせた侠客でもある。殺戮無道の鳥王公主、黒白公主の二つ名を持つ(公主とは本来皇帝の娘という称号であるが、紫芍の場合、偉そうな娘という揶揄を込めてそう呼ばれていた。本人はそれに気づいていない)。15才の時、左慈とその仲間に攫われ不老不死の技の探求のためその身を人体実験に供される。このとき、碧玉に封印されていた末喜の魂の記憶との混合が生じ、その剣技と性格を承継してしまう。ヒト族の父呂布と魔族の母紫二娘の混血の娘であったことから、死後、ヒト族だけの永遠楽土を築こうとする守護神セトの企図を挫くため呂布とともに異世界に召喚される。
フロイデ・エリザベート・フォン・マテウス
マテウス辺境伯家最後の女当主。もと王太子妃候補。実家は軍人貴族派閥の領袖であったが、14才の時、政変に見舞われ、宮廷貴族派のアウゲンターラー家に圧倒されて没落。父テオドールはこのとき自裁を強制されて死亡。その直後、母ハンナと幼い弟も何者かに連れ去られ馬車ごと渓谷に落とされて死亡。フロイデ自身は王太子妃教育のため王宮にいたため難を逃れる。その後、王太母エリザベータの身を挺した擁護により派閥の解散、領地半分の割譲を条件にアウゲンターラー家と和解。16才の時、女伯爵の地位を継ぐ。しかし、アウゲンターラー家は諦めておらず、オットー・ヘブラーら旧臣の尽力にも限りのあることから亡命を決意。長年来、マテウス家とは国境を挟んで対立してきたメラリア王国のボスコーノ家へ庇護を求めて脱出する。それから5年後、ある秘密を抱えて領地に帰還する。
クラウス・フォン・アウゲンターラー
アウゲンターラー家の4男。野心家であるが、領地も財産も軍人としての地位もない。アウゲンターラー家乗っ取りの踏み台としてフロイデの持つ領地を狙っている。
マンフレート・フォン・アウゲンターラー
アウゲンターラー家の当主。宮廷貴族派の領袖。強欲でかなり悪辣な手段を用いることにも躊躇しない性格。周りの人間からは恐れられており、息子たちには特に忌み嫌われている。
ヨアヒム・フォン・アウゲンターラー
アウゲンターラー家の嫡男。高名な遊び人。優しい性格で父マンフレートとはことごとく対立しているが、実は家族思いであり、アウゲンターラー家の将来を真剣に憂いている。
リーザロッテ・フォン・アウゲンターラー
アウゲンターラー家の長女。現王太子妃。かつてフロイデとは王太子妃候補としてライバルの関係にあった。男勝りの性格から王太子妃より騎士に憧れを抱いていたが、家の事情で断念。今でもフロイデこそ王太子妃に似つかわしいと思っている。しかし、王太子カールハインツを真剣に愛してしまい、フロイデに対して複雑な感情を抱いている。
スザンナ・ラッシェル・フロール・ランラン
教皇国の神聖騎士団の騎士。主流派のヒト族至上主義者の司教に反抗したため左遷。絶対攻略不可能とされているダンジョン「茨姫の廃城」への討伐隊の隊長に任命される。なお、幼馴染の修道士ベネディクトから守護の秘術を授けられて魔力を封じられるが、それがどのような意味を持っているのか理解していない。
マックス・デキュジス
教皇国の神聖騎士団の騎士。実は敵国のスパイであり、かなり暗躍していたが、怪しまれて確実に亡き者とするため「茨姫の廃城」への討伐隊の副隊長に任命される。スザンヌが守護の秘術を授けられたことを知っているため未だ脱走せずに様子見の模様。