取引③
「邪魔が入ったな」
福居はそうつぶやきながら歩いていた。
「幼女が近くにいるときの幼護流は粘るからな」
言い訳じみたことを言いながら歩く。
「その間に分離の効果が切れてはヤバかったからな」
言い訳をしながら歩く。
「あと一〇分か、もう一度会いに行くか」
福居は戻ろうとした。
「その必要はないぞ」
後ろから声をかけられた。
「もういいのかい?」
福居は好美に問いかける。
「ああ」
戦い、殺し合いが始まった。
「さっきと動きが同じですよ」
福居は好美に言った。
「うるさい」
好美は言い返した。
二人の戦いは進んで行った。
左腕を失い、前回と同じ戦法なのに何故か好美が優勢だった。
「何なんだ?」
先ほどとの違いに福居は驚いているようだった。
「分かってるだろ」
好美は福居に言った。
「取引か」
福居は憎々しげにつぶやいた。
「そうだ」
好美は認めた。
「そろそろ、本気を出すぞ」
好美は福居に言った。
好美オーラが変わった。
「どんな取引をしたんだ?」
福居は好美に聞いた。
「眷属化だ」
好美は言った。
「眷属化?」
福居が聞いてきた。
「今の俺は悪魔の眷属だ」
好美はそう言った。
「なっ!」
福居はとても驚いているようだ。
「お前はもう俺に『分離』使えない」
「気づいていたのか?」
「そうだ」
福居の『分離』は取引に対し効果を発揮しない。
『取引』の悪魔の眷属をなった好美にはもう効かない。
「お前が俺を『取引』と分離しなかったことが気にかかってな」
好美はそう言った。
「それでだ、お前、負けだな」
好美は福居に向かって宣言した。
「素直に負けを認めると思うか?」
福居ニヤリと笑った。
「死ね」
福居はそう言って自身の剣で自身を貫いた。
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