取引②
「ん?」
愛はどうやら起きたようだ。
「大丈夫か?」
好美は愛に問いかけた。
「私はだいじょうぶだよ」
愛はそう答えた。
「で、これはどういうことかな?」
愛は目をぱちくりしていた。一般的にこの二人がとっている態勢を膝枕という。
「膝枕だけど」
好美は答える。いつも通りだが少し恥ずかしそうに。
「一つ、きになるんだけど」
愛は膝枕をやめ、座った。
「そのうでどうしたの?」
愛は聞いた。
愛が言っているのは対価に差し出したことで失った左腕のことだろう。
「愛、今から言うことをしっかり聞いててくれ」
好美は愛に今までのことを全て話した。好美が好児だということも。
「ごめんね」
愛は悲しげにそう言った。
「いいさ、お前のためなら腕の一本や二本」
「好美ちゃんは優しいね」
愛は微笑んだ。
「やっぱり、好児さんだったんだね」
「やっぱりって?」
好美は聞いた。
「私、少し気づいてたんだよ」
愛はすごいでしょというように語った。
「だから、驚かなかったのか?」
好美は納得したようにそう言った。
「おどろいていてないわけないでしょ」
愛はそう言った。
「だって、私のきもち知られちゃってたんだから」
愛は顔を赤くしてそう言った。
「確かにそうだな」
好美は笑った。
「ねえ、愛」
好美は真剣な眼差しを愛に向けた。
「俺と付き合ってくれるか?」
好美は告白した。
「いいの?」
愛は顔を真っ赤にしながらそう言った。
「お前がいいんだ」
好美は愛にそう言った。
「俺は愛、お前が好きだ」
好美は愛に好きだと言った。
「私も好きです。大好きです」
初めて二人が正面から思い伝えた瞬間だった。
「よろしくおねがいします」
幼井好美と天使愛は恋人同士になった。
「という訳で、あいつらに勝つにはどうしたらいいと思う?」
好美は愛に福居のことを相談していた。
「私はたたかいにはアドバイスできないけど」
愛は好美に顔を近づけそして、キスをした。頬に。
「あっ」
好美は赤くなっていた。
愛も顔は真っ赤になっていた。
「がんばってね」
愛はとても可愛くそう言った。
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