組織の王とその実力②
先ほど合格した二人は双子である。
どういうわけか、兄、福居平正はひょろひょろに育ち、弟、福居勝は筋肉ムキムキのマッスルに育ってしまった。お陰で事前情報がない限り、双子だと気付く者はほとんどいない。
これは、さすがの騎士王もびっくりしたほどである。
「先輩、いいですか?」
平正が先輩に声をかけた。
「何だい?」
平正は先輩に質問をした。
「先輩はどれだけお強いのでしょうか?」
かなり失礼な質問だったように見えたが、先輩兵士は大して気にした様子もなく、
「騎士王様の二〇%もないくらいだよ」
と質問に返答した。
「今、な、んて、?」
この返答に平正は驚き過ぎたようで、たどたどしく聞き返した。
「二〇%だよ」
それに対し、先輩兵士は普通に答える。
「ちょっと待ってくれ」
今まで、話にも入って来なかった勝が話に入ってきた。
「何かな?」
「俺達を試験した時に使っていた力はどれぐらいなんだ?」
先輩に対してとっていい態度ではなかったが、先輩兵士は普通に答えた。
「いつも、三〇%ぐらいらしいよ」
先輩兵士は軽く、自信が崩壊するようなことを言う。
「騎士王様ってどれだけ強いんだ?」
平正は力尽きたような声でそう言った。
「まあ、僕も同じ質問をして、そんな感じに力が抜けたから」
先輩兵士は途方に暮れた二人を励ました。
「そうだったのですか?」
「うん、そうだよ」
元気を取り戻した二人に先輩兵士は声をかける。
「じゃあ、これからよろしく」
そう言って、両手を差し出した。
「よろしくお願いします」
「よろしく」
三人は握手をかわした。
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