裏切り⑤
「はっ」
好美は手刀をふるう。
「もうちょっと、速くなった方がいいよ」
その手刀はペドフィリアを容易く切断する。
好美はその場のペドフィリアを殲滅した。
「まだ、万単位か、いや増え続けているから関係ないか」
好美は一人つぶやく。
「未だ校庭でしか発生していないのが、幸いか」
好美は別のペドフィリアがいる場所に向かった。
「「騎士王」」
誰かが好美を呼んだ。
「福居か」
好美は後ろを振り返り福居兄弟を見た。
「「はい」」
相変わらず息がピッタリだ。
「何か用か?」
好美は二人に問いかけた。
「近くに大量のペドフィリアがいました」
平正は好美に報告した。
「どこだ?」
好美は平正に聞いた。
「こちらです」
平正は案内するような仕草をした。
「ここか?」
好美は問いかける。何故ならそこにはペドフィリアなど一体もいなかったからだ。
「どういうことだ?」
好美は二人に問いかける。
「「どういうこともなにも」」
二人は声をそろえて言った。
「「あなたに死んでもらいたいんですよ」」
二人は笑う。
「何故だ?」
好美は聞いた。
「「私達はペドフィリアですから」」
二人はそう言った。
「はぁぁっ」
好美は叫んでいた。
「そこまで驚きますか?」
平正はそう言った。
「私達にとってはあなたの取引が邪魔なんです」
平正はそう言った。
「そう言うことか」
好美や納得したようだ。
「俺は死なないぞ」
好美は強気に宣言する。
「「それがいつまで続くか楽しみです」」
二人の笑い声が響く。
「」
言葉はなかった。
好美は音速で二人に近づき、手刀をふるった。
この攻撃で普通なら致命傷を受けるはずだが、何故か二人は無事だった。
好美は一旦距離を置こうと後ろへ跳んだ。
「お前、持っているのは本当に『共有』か?」
好美は問いかけるが二人は答えなかった。
「今知ったが、お前達、いやお前の力は『分離』だろ」
好美はそう言うと、二人は笑いを深めた。
「「正解だよ、さすが『全知』ですね」」
二人はそう言うと、二人ではなくなり、最初から一人であったがごとく、一人になっていた。
「知っていたが、さすがに強そうだな」
好美はつぶやく。
「今のを教えると、あなたの攻撃によるダメージを私を分離しました」
福居は解説をしてくれた。
「もう私の勝ちですよ」
福居はそう言った。
「どういうことだ?」
好美は調べた。
「分からない」
好美は焦り気味にそう言った。
「あなたと『全知』を分離しました」
「あなたとあなたの身体能力を分離しました」
「あなたとあなたの治癒力を分離しました」
「あなたの負けです」
福居はそう言った。
「本当だ、身体能力も低い、治癒力もないな、『全知』も使えなくなっているな」
好美はそのことを確認していた。
「負けを認めて殺されてください」
福居は好美にそう言った。
「嫌だね」
好美は可愛くそう言った。
「だったら力ずくで殺す」
二人は再び戦い始めた。
しかし、どうみても好美が不利だった。
福居がペドフィリアであるため、ロリコンとしての力を使えないのが救いと言ったところか。
福居は剣で、好美は手刀で、お互いの全力がぶつかり合う。
「幼護流柔術」
気づけば好美は技名を叫ぼうとしていた。
「秘技、百連刺突」
福居に百回貫く貫手が放たれた。
これはさすがの福居もダメージを受けた。
「ぬるい」
福居が好美を蹴飛ばした。
好美は遠くに吹き飛んだ。
「強かったです、騎士王」
福居はそう言った。
そして剣を振り上げる、
「最後に言い残すことはありますか?」
福居は好美に問いかけた。
「俺は死なない」
好美は死んだーーーーーーーーーーはずだった。
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