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裏切り③
《取引を開始します》
《二四時間限定の『全知』を提供します》
《対価を要求します。提供してください》
いつも通りの無機質な女性の声が響いた。
「右目の視力と全身の痛覚」
好美は対価を提示した。
《対価を受け取りました》
《取引を実行します》
《取引完了》
好美はその言葉を聞いた。
「終わったぞ」
好美はそう言った。
「終わったか」
律が反応する。
「早いな」
友也は感心したようにそう言った。
「どれくらい経ったんだ?」
好美は律に聞いた。
「一〇秒も経ってないぞ」
律はそう言った。
「で、結果はどうだった」
友也は好美に聞いた。
「今は何か不思議な気分だよ、世界すらも全部分かるからな」
好美はそう言った。好美の右目は光を宿していなかった。
「どうだ? 仮説は正しかったのか?」
その答えは
「正しいようだ」
ミニコーナー ペドフィリア編
欲望の集合体であり、意思の塊。
実体化できる。
欲望の蓄積により発生する。
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