裏切り①
「ようこそ、友也」
好美は友也に言った。
今、友也と福居兄弟は女学院放送室に来ていた。
「なあ、どうなっているんだ?」
友也は好美に問いかける。
「今から説明するぜ」
好美はそう言った。
「俺から説明させてもらうぜ、友也」
律が説明をしようと前に出た。
「あんたは?」
友也は律の素性について聞いた。
「俺は桃源郷、仙人の長、深野律だ、律でいいぜ」
律の名前を聞いて友也は思い至ったようだ。
「律、お前は好美が記憶を消された時にいたよな」
友也はそう言った。
「やっぱり、君には記憶の消去はできなかったか」
律はそう反応した。
「それにその声、俺に電話をかけて来ただろ」
友也は律を問いつめる。
「何でこんなことをしたんだ?」
「それは・・・」
律は好美に話したことを友也達にも話した。
「お前が電話で言っていたことはそう言うことだったんだな」
友也は話を聞いてそう言った。
「電話って?」
好美は友也が言っていた電話に興味を示した。
「好美が来る前に電話をした」
律が説明してくれた。
「その時に一応、三つお願いをした」
律は電話の内容を説明してくれた。
「そうだったのか」
好美は納得していた。
「一つ、聞いていいか?」
友也が手を挙げた。
「何だ?」
律は応じる。
「どうやってここに入った?」
友也は聞いた。
「それは俺も気になってはいたな」
好美も気になっていたようだ。
「それは」
律は言いかけて、少しためらい、
「平正、勝、ご苦労様」
そう言った。
「それってまさか」
友也は後ろの二人を見た。
「「ありがとうございます」」
福居兄弟は声をそろえてそう言った。
「スパイか」
好美が納得したようにそう言った。
「「はい、そうです」」
再び声をそろえてそう言った。
福居兄弟は桃源郷からのスパイであった。
その事実を知った、好美と友也だった。
「まあ、そう言うことだ」
律はそう言った、
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