組織の王とその実力①
「「うぉぉぉぉぉぉ」」
二人の男達が剣を持って、一人の白髪の男に襲いかかる。
「甘いな」
襲われている男は軽く、迫りくる二つの剣を回避した。
「剣を薙ぐときは確実に相手を仕留められるときだけにした方がいいぞ」
男は両腕で二人の腹を同時に殴った。二人の男達は後方に吹き飛び、コンクリートの壁に背中を打ち付けた。
「こんな感じに反撃されるから」
相当な重傷を負ったはずの二人はふらふらとした足どりで自分達を倒した男の方に向かってきた。そして「ありがとうございました。騎士王」と、男、騎士王にそう言った。
「怪我は大丈夫か?」
男はそういたわるようなことを言った。
「はい、もう治癒が完了しそうです」
ちなみにこの三人はロリコンである。つまり、優れた身体能力と治癒力を持っているのである。
「そうか、では早速お前達の評価をするぞ」
男達は背筋を伸ばした。
「まず、お前」
騎士王は二人の内、一人を指差した。そして、金色の瞳を向ける。
「基本的な力の使い方は完璧だ、だが実戦経験の少なさ故かところどころ隙があったぞ」
男を騎士王は冷静に評価した。
「次に、お前」
もう一人の男を指した。金色の瞳もまた、移り行く。
「防御に隙がありすぎだが、攻撃だけは光るものがあった」
騎士王は二人をそう評価した。
「まだまだ、甘いところもあるが磨けば光りそうだ」
男二人り緊張が走る。
「「でっ、ではっ」」
緊張する二人に対し、騎士王は安心するように言う。
「安心しろ、二人とも合格だ。ようこそ騎士団へ」
騎士王は歓迎の言葉を口にした。
ミニコーナー 騎士団編
騎士団とは、ペドフィリアと戦うために作られた組織である。
今から200年前に作られた組織だその創設者、初代騎士王は幼女を犯す、ペドフィリアと戦うために、そして幼女を護るためにこの組織、『騎士団』を作った。
騎士団は三つの職業で成り立っている。その三つとは『兵士』『戦士』『騎士』だ。
『騎士王』はその統轄である。
騎士王は新しく騎士団に入団した二人を兵士棟に案内した後、兵士長と話していた。
「今回の奴らはどうだ?」
「兵士の中位かな」
「やはりそうか」
兵士長も騎士王と同じ判断をしたようだ。
「ねぇ、好児」
「何だ?」
兵士長は騎士王、幼井好児に問いかける。
「好児はそのままでいいのか?」
「そのまま?」
好児は問いかけがよくわからないようだ。
「そのまま、ずっと騎士王でいるつもりなのか?」
騎士王は独身以外就くことができない。
「ああ、これでいいんだ」
好児は少し苦しそうに答えた。
「そうか」
二人はその後何気ない話をして別れた。昔からの親友、幼井好児と兵士長、奥野友也。二人は知らない。これから、二人に起こる出来事を。
ミニコーナー 騎士王編
騎士王という職業に就く条件は二つ、最強であることと独身であること。
先ほどの試験から分かる通り、第十四代騎士王の好児は強い。
先に言うと今後、好児以上に強い騎士王は現れることはなかった。
そして十五という年齢で騎士王となった好児はもう一〇年の恋愛をしていない。
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