テロ①
ある集団が女学院の正門の前にいた。
集団は男のみの構成のようだ。目出し帽をかぶっていてとても怪しい。
その手には武器を持っていた。
剣、刀、槍、鎌、そして銃、さまざまな武器を手にしていた。
「いくぞ」
ボスらしき男が指示を出した。
男達は無言で動きだした。
そしてプリンセス女学院に足を踏み入れた。
しかしながらそこにあるべき者lがいなかった。警備員である。
男達、テロリストが現れた。
現時刻は一〇時、奇しくも体育の授業はなかった。
好美達は教室で授業を受けていた。
数学の授業である。
好美は授業を聞いてはいたが、頭には入れていなかった。
好美にとってはすでに学習しているものだからだ。
しかし今日は別の意味で授業に集中していなかった。
それはおそらく女学院に侵入している者を気にしているからだろう。
「誰だ?」
好美は小声でつぶやいた。
「なにかあったの?」
愛が聞いてきた。どうやら聞かれてしまったようだ。
「ここに誰かが侵入したようだ」
好美と愛は小声で会話する。
「どういうこと?」
愛は首をかしげる。
「私、耳がいいから足音で気づくんだ」
「そうなんだ」
愛は納得した風にそう言った。
「って、早く先生に言いなよ」
愛は焦ったようにそう言った。
「だよな」
好美はそう言うと、立ち上がった。
「ん? どうしたの?」
急に立ち上がった好美に向かって先生はそう言った。
「先生、女学院内に侵入者がいます」
好美は侵入のことを伝えた。
「どういうことかな?」
先生は困惑しているようだった。
「ですから、侵入者がいます」
好美が先生に侵入者がいると説明していると、、
『はい、私達はこの女学院に立て籠ります』
という放送が鳴った。
『困惑している人もいるかもしれませんが事実です』
放送の声は男だった。
『今は特に傷つけることもしませんので、授業を再開してください』
男は放送でそう言った。
『しかし、監視はつけます』
それから、放送はなかった。
しばらくすると一人の目出し帽をかぶった男が入ってきた。何故か武器を持っていない。
「きゃっ」
その姿を見た幼女が怯えた。
「すまない」
そう言って男は目出し帽をとった。
中身は普通の顔だった。
「いや、とってもいいのかよ」
好美は小声でつぶやいた。
「はい、授業を再開します」
先生が何事もなかったようにそう言った。
「おいっ」
好美はこの対応にツッコミを入れていた。
周りの目がこちらに向いた。
「目的は何?」
好美は教室の男に問いかけた。
「それは」
「それは?」
好美は男の言葉を復唱した。
「それは君達の生活を良くすることですよ」
男はそう言った。
「どういうこと?」
全く要領を得ない回答だった。
「これ以上はボスに聞いて」
男は上を指さした。
「放送室にいるから」
「えっ」
好美は驚いていた。
「ボスの場所簡単に教えていいのかよ」
好美は小さくつぶやいた。
「行ってもいいけど授業が終わってからにしてね」
先生はそう言って好美を席に座らせ授業を再開した。
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