一ヶ月後
一ヶ月たつのはとても早い、未来を見ようとするときはとても長く感じられ、過ぎ去ってしまうととても短いものだったと感じる。
そのように時間は過ぎていくのだ。
この一ヶ月の間に起こったことなど何もない。
ただ普通の日々が繰り返されるだけだった。
しかし、今日一つの異変起こる。
それは騎士王の不在だ。
いくら存在しない第十四代騎士王よりも弱いと言っても今の騎士団の中では最強、指揮権も持っている。
そんな騎士王がいなくなるのはペドフィリアの格好のえさと言っても過言ではない。
これから始まるのは歴史に刻まれる大事件だ。
好美はいつも通り女学院に向かって歩いていた。
女学院の警備は先月から厳しくなっていた。
騎士王の不在はここまで影響しているようだ。
女学院の正門近くで好美は一緒に来ている二人組を見つけた。愛と千恵である。
「おはよう」
好美は二人に声をかけた。
「「おはよう」」
二人は息を揃えて挨拶を返した。
「今日からだね」
千恵が話題をふってきた。
「合宿のこと?」
好美は千恵に聞いた。
「そうそう」
千恵は肯定した。
「こころぼそいなぁ」
愛はそうつぶやいた。
「大丈夫だよ、友也達が見張ってるから」
好美はそう言った。
「友也さんって兵士長だったけ?」
千恵が好美に質問した。
「そうだよ」
友也のことは二人には話していた。
「まあ、好美が言うなら大丈夫でしょ」
多大な信頼を得ている好美だった。
「今日突然のテロでも起こったりしない限りな」
「そんなのあるはずないでしょ」
「そうだよ、好美ちゃん」
好美が言ったことに千恵と愛も否定した、
しかしこれは見事なフラグだったと、好美は後で知ることになるのだった。
友也と平正は女学院の警備をしていた。
「しかし、本当に大丈夫かな」
友也はつぶやく。
「僕達の組織に真っ向から喧嘩売ることになるんですから」
二人は奇しくも好美達三人と同じ会話をしていたのだった。
「だが、ここまで人員が少ないことはかつてないぞ」
友也はそう言う。
「大丈夫ですよ」
平正は友也にそう言った。
「そうか」
二人はしばらく女学院の周りを回った。
すると平正が立ち止まった。
「はい」
平正はつぶやいていた。
「どうした?」
友也は平正に尋ねた。
「どうやら、交代のようです」
「交代? まだ時間があるぞ」
友也は腕時計を見ながらそう言った。
「早めに来たようですよ」
平正はそう言った。
「そうか、じゃあ帰るぞ」
友也は納得して、騎士団本部に向かった。
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