女学院②
好美はペドフィリアを倒した後小走りで自宅に向かった。
現在二人は同居している。部屋がたくさん余っていたので二人暮らしすることになったのだ。
「ただいま」
「おかえり」
「どうだった?」
友也は好美に成果を聞いた。
「弱い、弱すぎる」
好美はそう答えた。
「まあ、お前からしたらゴミだろうな」
友也も納得しているようだった。
「明日から頑張れよ」
好美は友也に言った。
明日からある計画の準備が開始されることになっている。
それはペドフィリア戦闘の強化合宿だ。およそ一ヶ月後にそれは実行される。明日からその準備が始まる。それにはここに戦力を残しておくことが必要だ。明日からその選定が始まる。
友也はこれの担当者になったらしい。
「お前もな」
好美は友也にそう言い返した。
明日から好美は『プリンセス女学院』に入学するのだ。
「羨ましい」
とは、友也の嫉妬の言葉だ。
「まあ、これが俺の目的だったからな」
幼女の隣に居たい、そう言う好美の願いが叶い結果的に幼女の近くにいることができるようになった。
「そうは言ってもな」
友也は羨ましそうな視線を向けた。
「間違いは起こすなよ」
友也は好美に忠告した。しかしその声はちっとも心配していない信頼のこもった声だった。
「当たり前だろ」
好美は軽く返した。
今日は転入の日だ。好美はそう思いながら起床した。
「おはよう」
「ああ、おはよう」
友也は朝食を作っていた。
洗面所に行き支度をしてからリビングに向かった。
もうテーブルには朝食が並べられていた。
「毎朝どうも」
そう言いながら好美は席に着いた。
「「いただきます」」
二人は声を揃えて食事を始めた。
味はしない。味を感じることが好美はできない、それが『取引』の力だ。
それに対し友也は何も思っていないようだ。
「ごちそうさまでした」
好美は先に食べ終わると部屋に入った。
好美はクローゼットを開けると一着の制服を取り出した。
可愛いデザインの制服である。
好美は着ていたパジャマを脱ぎ女学院の制服に袖を通した。
制服を着た好美は部屋にあった鏡を見ると「ほぉ」という声を漏らした。
そこには幼女の可愛さを存分に出す設計が施されている可愛い制服を着た白髪の幼女がいた。
伝わりにくいだろう。だがこれだけは伝えよう『可愛すぎる』と。
好美は自分の姿に見とれた。
「可愛い」
それが自分に対する感想だ。これが中身が男と知っていなかったら自分で自分に可愛いと言うナルシストかと勘違いする台詞だった。
正気に戻った好美は側に置いてあったランドセルをからった。
「おーい、友也」
好美は部屋を出てキッチンにいるであろう友也を呼んだ。
友也は何も知らずノコノコをやって来た。
「どう」
好美はその場で一回転して見せた。
それを見た友也の顔がみるみる内に赤くなり好美から目をそらした。
「成功だな」
好美はそれを見てそう言った。
「お前なぁ、からかうのも大概にしろよ」
友也はなんとか正気を取り戻したようだった。しかしまだ顔は赤いままだ。
「で、どうよ」
好美は友也に問うた。
「普通に可愛いぞ」
「だよな」
友也が言ったことに好美も頷く。
「そろそろいくのか」
友也は好美に言った。
「そうだぜ」
好美が肯定すると、
「いってらっしゃい」
と友也は言った。
「いってきます」
二人はあいさつを交わし好美は家を出て『プリンセス女学院』に向かい一歩を踏み出した。
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