偏愛
私の愛しい貴方
貴方の全てをいただきましょう
血も肉も骨も髪の毛の一本すら残さずすべて私がいただきましょう
貴方の全てはきっと甘いのでしょう
貴方はとても甘党でしたから
貴方はとても美味しくて食の細い私でもすべてを残さずいただくことができるでしょう
私を見つめてくれた瞳は一番最初にいただきましょう
その瞳にこれ以上余計なものが映る前に私のものにいたしましょう
その音を聞くと落ち着くことのできた心臓はきっと私の中でも時を刻んで私を落ち着けてくれるでしょう
歩みの遅い私にあわせてゆっくりと歩んでくださった足はゆっくりと時間をかけていただきましょう
たくましい貴方の足はとろとろに煮込まなくては私では歯が立たないでしょうから
私の一番好きな貴方の白く美しい指は最後まで残してデザートにいたしましょう
そうして貴方の全てを私のものとしたとき
はじめて私は心のそこから貴方の愛を感じることができるでしょう