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88 うわ…ようじょ頭いい…

宿に帰ってきた…

明日の煉獄界行きの件についてだが、キャシーはもう目の敵にしていないようだしルーシーも行くか尋ねてみた。

だが女神からの報酬で何か思うところがあり、しばらく考えることができたのかついてくるのはまた今度にするようだ。

まあ、あのドヤ顔を見たら何もなくても姉妹喧嘩が勃発しそうだしね。



─翌日。


全員でぞろぞろ向かってもしょうがないのでキャシーの家そのものは俺が一人で向かうことになった。

収穫があったらまたその時に対応するつもりだ。


…で、いまはそのキャシーの家の前にいる。


「おや、今度は一人で来たのかい」

「ああ、煉獄界にちょっと探し物があるんだよ。もともとここに来たのはその探し物のためなんだけど、他に知り合いがいないからな…」

「にゃははっ!そっかそっか!ワタシでよければなんでも聞けばいいよ。あんたは姉貴が可愛がっている弟子みたいだからね、特別ってやつだよ」


ルーシーはキャシーに嫌われてしまったんじゃないかと落ち込んでいるみたいだったが、キャシー本人はルーシーのことが大好きみたいだな…

俺がとやかく言う事じゃないが…この姉妹の仲が元通りになればいいかなって思ってる。


そして覇者のグローブが使える事の説明と、その他覇者シリーズの在りかについていろいろ質問してみた。


「なるほどなるほど、あんたは覇者シリーズを使う資格がある者なんだね。この覇者シリーズは基本的に誰も使えないんだけど、すごい性能を秘めているっていう言い伝えが沢山あってね。…いろいろな解釈が飛び交った結果、今は闇竜の王ギラの神殿に保管されているんだ。見に行くだけなら簡単なんだけど、手に入れるとなるとちょっと時間がかかるかもね…あんたが覇者シリーズの使用者だって証明できればいいんだけど、そのグローブだけじゃ証明になるかは怪しい」


いろいろ話しを聞いていくと覇者シリーズを保管している神殿はすぐ近くの町にあり、シリーズの使用者として認められれば何の問題もないということだった。

ただこのグローブに関しては、神殿に保管される前に集めきれなかった覇者装備だったらしく、過去の伝承や文献に残っているか微妙とのこと。


なので、これが本物の覇者シリーズだったとしても、向こうが納得するかはわからないって感じの話しだ。


「でも実際に向こうに保管されている装備を俺が使えればいいんだよな?」

「んー…話は簡単じゃないのさ、誰にでも伝説の装備を貸してくれるはずもないからね。試す価値があると認められるには神殿の主にある程度の力を証明しなければならない。あんたから感じるプレッシャーはそうとうなもんだけど、誰もがそれを認知できるわけじゃないしねぇ…」


そりゃそうか。

だがまあその試験については行ってみなければ始まらないし、行くだけ行ってみたいなぁ。


「わかった、それじゃあ皆も連れてまたくるとするかな」

「にゃははっ何言ってるんだい。人数をどれだけ揃えても試験を受けるのは一人だし、そもそもワタシが推薦したやつじゃなきゃ神主に合う事すらできないよ」


なんやてっ…

つまり俺一人でいくしかないってことか…

確かに大勢でいって他のメンバーは外で待機とか全く意味ないよな。

最初はなにがあるかわからないから大勢でいくってことだったけど、それも必要ないとしたら俺が個人で解決してきた方が早い。


となれば、せめてスラキューを連れていくしかないな。


「俺の頭にのっかってるスラキューはいいのか?」

「テイムモンスターも本人の力だからね、問題ないよ」

「キュッ」


スラキューが自分も出れると知ってやる気を出した、よかったなスラキュー…


聞くと所によると町までは半日でつくそうなので、キャシーの準備が終わり次第すぐに向かうことした。

この煉獄界にも時間の概念はあるが昼とか夜の概念はないのでいつ行ってもいいそうだ、寝てたら待てばいいだけらしい。


…そして20分後、隣町へ出発した。


「ここら辺にはモンスターではないけど、狂暴な火精霊とかが襲ってくることもあるから気を付けなよ、まあこちらから手をださなければ安全だけどね」


町を出発して1時間、隣町まで岩石地帯を歩いているとキャシーから警告された。

ルーシーからモンスターは居ないし安全だと聞いていたから戦闘がないかと思ったけど、そうでもないらしい。

ただこちらから襲わなければ無反応みたいなので安全といえば安全らしいが…

まああの時空幼女なら危険のうちに入らないんだろう。


「…ところでなんだけど、キャシーの対時空魔法っていうのはどのくらいまで完成してるんだ?」

あのチート魔法に対抗できる魔法とかそれこそチートだしな、めちゃめちゃ気になる。


「ん?…ん~、対時空魔法はそんなにすごい魔法でもないんだけどね。しょせんは一つの属性に対して特化した魔法技術に過ぎないんだし。…ただどんな魔法かと言われると、そうだね…時空魔法で歪んだ空間や時間を逆の方向に歪ませる魔法かな?」

「ごめん、さっぱりわからない」


俺には何にもわからないよ…

詳しくキャシーから聞いたイメージとしては、時空魔法が発動する直前にそれと反対の魔力を相手にぶつける魔法らしい…そうすると打ち消し合って時空魔法そのものが発動しなくなるんだそうだ。

ただこの魔法で干渉できるのは時空属性と空間属性のみで、他の属性は原理が違うから何の意味もないらしい。


…よくわからないけど幼女姉妹が天才だってことはわかった。

わかったからそれでいい…これ以上聞くと俺の脳みそが蒸発する…

たすけてママン。


「にゃははははっ!まあそんな難しく考えることはないよ、結局は使えればいいのさ。そこらへんも込みで研究してるから安心しなさいな」


あい…


そしてさらに5時間後、隣町についた。



キャシーとルーシーは天才幼女ですが、ルーシーの方が若干優秀です。

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