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87 現れた謎の女性。だけど、どう考えても……

3層に降りた…今度は普通の石の階段でしばらく歩いた先に地面がある感じだ。

降りた先は超巨大な神殿のような場所で、巨大な女神像とギラ・ルクァンの石像が女神を挟んで存在している。

なぜかステンドグラスから光も漏れているし外が一応存在するようだ…出口はないけどね。


「なんだここ、モンスターもいないし石像と祭壇しかないぞ…」

「うーん、でも神聖な雰囲気だね? なんか落ち着くなぁ~えへへ」


それはよかった。


「私はなんか居心地が悪いですわ。こう、なんというか体に宿った力が抜けていくような…?」

「女神像となにか関係があるのかもしれないね…まあ無理しないで座ってればいいさ。とりあえず僕たちでしばらく調べてみるよ」

「ではお言葉に甘えさせてもらいますわ」


ヴァニエは魔族だからという線が濃いが、だとするとここは邪神とは反対の神域ってことになるが…はて。


「これは興味深いの~、儂が迷宮の2層まで来た時は階段がなかったから攻略し損ねたということなんじゃろうが、3層は間違いなくなんらかの魔法的な要素が宿っておるようじゃ。魔法陣もないのになんらかの法則性を感じるしの」

「俺は魔法については分かるが原理まで研究してるわけじゃねぇ、ただすげー光景だとしか思えないな。だがなんというか…力がみなぎってくるようだ」


ルーシーは石像や満ちる魔力に興味を示し調査をしはじめている。

壁や石像をペタペタ触ったりいろんなところに瞬間移動してみたりして試行錯誤しているようだ。

ファイスは他のメンバーと同じだな、俺も含めてすごいなとしか感想がない。


すると先ほど入手した首飾りが光を放ち始めた。

女神の石像と呼応しているのか?


「なんか光ってるんだが」

「あ? お、おいなんか祭壇に武装した女が出現したぞ! モンスターかっ!?」

「ぷくくっ、モンスターとは失礼ですね、私はこれでも生前は絶世の美女と称えられていたのですが。でも面白かったので許しますっ」


なんか謎の美女が現れた、完全武装状態で。

しかも妙にフレンドリーだな、すごくニコニコしているしこちらを歓迎しているようだ。


「それで、あなたは誰なんだい? 生前ということは今は死んでいるみたいな言い方だけど、僕にはどう見ても生きているようにしか…」


俺もそこが気になるな。

装備は魔法使いっぽいけど、しぐさなんかが剣士や戦士のそれだし全く重心がブレていない。

だけどそれでいて上品なような……。


まさか、な。


「私ですか? そうですねぇ~……。う~ん、秘密ですっ!」


応える気が全くなかった。

そこは答えてよ、ちょっとだけヒントお願いします!

ちょっとだけ!


「みなさん興味深々ですね、当ててみてもいいんですよ? 当たりませんけどねっ!!」

「謎の自信があるな…。まあ今はそれでいいや、とりあえずここはどこなんだ?空島の迷宮を潜ってたらここに行き着いたんだけど」


現在進行形で首飾りが光り続けているし、2層と関係があることは間違いないんだけど…その関係性がわからないんだよね。


「それを伝えるために来たんです。ここは過去に存在した英雄の願いが集う場所…世界を救うために失うものが多すぎた勇者たちの悲願を癒すための地です。勇者エンドウの魂を救済して頂き誠にありがとうございます…希望の使者たちよ」


いつの間にか希望の使者になっていたらしい、何を意味するのかさっぱりだけどね。

話を聞いていくと、ようするにここにはあらゆる時代で活躍した英雄や勇者たちの想いの残留思念が集まっているらしい。

どうしても叶えたかった事や、悲劇の最後を遂げ報われない魂を時間をかけて癒しているのだそうだ。


そして相手はおそらく女神…、こんなことができるのはそれ以外にいない。

スラキューが迷宮2層の魔法にかかっていた時もおかしいと思ったけど、ただの魔法じゃなくて現実に干渉するレベルの環境を作り出す女神の力なら納得だ…まあ女神であることはいちいち言わないけどね。


ついでだから地図やメダル、入り口にあったキーワードの意味なんかを聞いてみた。


「キーワードについては私の持つ盾が黒龍で剣が白竜というだけですよ、比喩ですけどね。現実に干渉できない私の代わりにあの者達には動いてもらっています。…黒龍に関しては邪神にそそのかされて寝返られましたが、それも勇者エンドウが解決してくれました。メダルと地図については地図に記された城についてからのお楽しみですよっ?なんでも人に聞いてはいけませんっ!」


お説教され申した。

聞くくらい許してほしい。


「まあメダルの件はいいや、じゃあもうここには何もないんだな?なら帰るとするか…」

「う~ん。少し待ってください、確かに報酬はすでに渡しましたがそれだけでは利益が偏りますね…。しょうがないっ、こうしましょう! えいっ!」


女神がなんらかの魔法を使ったと思った瞬間あたりが真っ白になり…気づいたら迷宮の外に転移していた。

後ろを見てみると迷宮があったはずのクリスタルの入り口が消えてモンスター部屋のセンサーだけが取り残されていた。


「あれ?なんか手紙が落ちてるな」


<希望の使者たちへ。現在どうしても癒さなければいけない勇者の救済は終わりました、誠にありがとうございます。また時がくるまではこの迷宮のシステムはモンスター部屋を除き稼働を停止させていただきます。それと皆さんには追加の報酬を渡しておきました。ぜひ今後の活躍に活かして下さい>


とのことだった。

報酬がみんなに配られたみたいだが、なんだろう…気になる。

てか俺にもこれ報酬きてるのかな?アクセサリーは別に俺の報酬じゃないしな。


確認してみると新たなスキルが追加されていた。


(ユニーク)

【希望の流星群(女神の加護)】

└光の流星群が降り注いだ場所に対して任意の結界を作り出すことができる。なお、結界の維持には魔力を大量に消費する。


ユニークが増えてた。

てか希望の流星群スターダストホープってパーティの称号じゃん!

いろいろ知って過ぎだろ、調査は完璧ってことかな。

それと任意の結界っていうと、ステータス強化の結界とか索敵の結界なんかもできるのかな?まあその分魔力を大量に消費するみたいだし釣り合ってはいるかもしれない。


あとはみんなのスキルの確認だな。



「置手紙に僕の魔力を強化したって書いてたよ…あの人はどうみても女神だよね、こんなことができるのは他にいない」

「ボクは光の大精霊さんとの契約を結んでおいたって手紙があった…本当に女神さまっていたんだね…」


なんかエレンの魔力量だけが1000近くまで上昇していた…とんでもねえなあの女神様、だがこれでブレイブシリーズを十全に使える、よかったなエレン。


フィッテに関しては光の大精霊と無条件の契約を結んだらしい、同時に光魔法が増えていたので今後いろいろと使い分けられそうだ…、光は強化に向いてるからフィッテの接近戦と攻撃力が強化された感じかな。

2体同時に出したらエレンを一時的に超えそうだ…魔力消費がやばそうだけどね。


ヴァニエはエクストラスキルのフルパワーを改造された上にユニークを追加されたらしい。

いままで上がらなかった耐久があがるようになり、フルパワーの上位モードである限界突破ができるようになっていた。


(ユニーク)

【限界突破】

└フルパワー状態のみ発動可能、筋力・持久・敏捷・耐久の全てを極限まで引き上げる。

効果は数分で切れ、連続使用不可。


上昇量が強化魔法以上だったフルパワーがさらに強化されてしまった…エンチャント込みなら一時的に接近戦がオーバードライブの俺と同じくらいになれるかもしれない…。


ファイスには専用装備が渡されていた…鑑定するとファイスだけしか使えない装備のようだ。


【希望の魔槍杖】

└オートガードLv.--

└魔法攻撃強化Lv.10

└槍術強化Lv.10


(武器スキル)

【オートガード】

武器に魔力を込めると魔力のシールドがオートで発動。ある程度自動でガードする。

また、込めた量で耐久力が変わる。


らしい、なんかみんな超強化されてるな…。

おそらく劣化勇者くらいの潜在能力が引き出されたと思われる。

がんばって鍛えればS級に辿り着きそうなくらいだ…。

ちなみにルーシーは答えてくれなかった、なにか思うところがある報酬だったらしい。



そうして空島から帰った俺たちは残りの期間を覇者シリーズ探索に充てることにした。



パーティが強化されました。

勇者は魔力+ユニーク+装備があるのでそこまでではないですが、劣化勇者くらいの強化は行われています。


そしてゼノンのユニークが5つ目に突入しました…

ですが魔力を消費し続けるユニークなので魔神との併用は難しそうです、準備するなら別です。

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