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86 ヴィジョン

とりあえず何が起きてるのかわからないので、一旦全員あつめてルーシーの部屋に転移することにした。

そしてまたすぐ戻ってくるつもりだ。



「ここに容器を置いてっと、じゃあいくぞ~【瞬間移動】」


…もどってきた。


「普通にもどれたな」

「そうですわね、じゃあもう一度いってみましょう」

「あいよ~【瞬間移動】」


そしたらまた元の場所に戻ってきた。



「やはりのぉ…儂が以前簡単に戻れた時は空間魔法で戻れたしおかしいと思ったんじゃが…たぶん儂かお主抜きで転移すると別の光景が広がっておるぞ。というかそもそもここが本当に2層であるかも怪しいのぉ。儂が来た時は洞窟じゃったし」


なんやて……


「だけどさっきまでいたエンドウって人はいなくなってるね?それに少しだけ日が傾いてるよ、時間的には一瞬だったはずなのに」


まあそれは迷宮さんに聞くしかないな。

予想としては時間の流れが違うとか、ランダム性があるとかかな。


とりあえず魔王城とやらに行ってみた…


魔王城にはモンスターや魔族が死屍累々のありさまで、魔王城の中心で激しい戦闘が繰り広げられているようだ…


「ぐはっ…おい、そこの子供たち…」

「あ、さっきの人だ。……ってすげえ傷っ!」

「そんなことはどうでもいい。……それよりも」

「よくないから、魔力ごり押しヒール」


とりあえず治療した、人間一人治療するなどわけはない。


「……やはりS級の魔法使いだったか。だが俺を治療してもなんにもならない、あのS級魔族と魔王の強さは異常だ。もうエンドウと俺以外に生きてる仲間もいないだろう、はやく逃げるんだ。そしていつの日かお前たちが今よりも成長し、世界に平和をもたらすことを信じている…」


覚悟を決めたアーサーさんは勇者エンドウがいるであろう魔王城の中心に走り去っていった。


…もちろん俺たちも真横で走りながら。


「っておいっ!なんでついてくるんだ!逃げろっていっただろ!?」

「いやー、俺たちもここ攻略しなきゃいけないんで…じゃないと3層いけないしね」

「魔王城の攻略…くっ…実験体にされた時の恨みってやつか…」


勘違いしてるっぽい。

まあ言わなくていいか。


そして魔王城の中心に辿り着くと、やはり若かりし頃のクロウと思わしき魔族と妖艶な女性魔族が戦っていた。

ていうかすでに決着がついていたようだ。


勇者がブレイブソードを女性魔族の胸に突き刺し涙を流していた。


「これで終わりだ、この一撃には俺のユニークスキル【命の燃焼】の全てをかけた、もう2度とお前が再生することはない。ここまで出会ったすべての人たちの想いも…あの子供たちの想いも…すべてここで決着をつけてやる」

「なぜだ、なぜおまえはそこまで他人のために戦うんだ…」

「それは──」


クロウが勇者に言葉を投げかけた瞬間、世界が歪んだ。


…そして気づいた時にはただの洞窟に突っ立っていた。


「なんでや!?」


あそこが一番重要なシーンじゃないのか…


「ふむ、あの空間はヴィジョンかなにかじゃったかもしれんのぉ…」

「なんだヴィジョンって…魔法?」


その後ルーシーの解説によると、あの空間は疑似的に過去の情報を迷宮が作り出し、演出させた理想の幻影でしかないとのことだった。

おそらくなんらかのキーワードで俺が過去の情報を改ざんすると、2層の攻略につながるらしいとのこと、ただしそれで過去が変わるわけではないらしいが…


「つまりあそこでアーサーさんを助けたのが攻略のキーワードだったってことか」

「そうなるのぉ」


なるほど……、じゃあ実際の歴史ではアーサーさんはあのまま死んでいたのかもしれないな。


よくわからんけど攻略できたならそれでいいや、とりあえずこの洞窟を進んでみよう、一本道っぽいので迷うことはないだろう。

…ちなみに俺がおいた容器は足元にあった、謎だ。


洞窟をまっすぐ進むとなにかの聖域と思われる場所にたどりついた。

そこだけはただの洞窟とは違い空間が石で綺麗に加工されていて、青白い魔法陣がライトのように空間を照らしていた。


「なんか飾られてるな、首飾り?」

「あれって2層の突破報酬なんじゃありませんの?きっとそうですわ」


俺もそんな感じはするが…


「あの首飾りにやどってる精霊さんは友好的だよ、たぶん危険はないと思う」

「じゃあ手に取ってみるか」


フィッテからのOKサインが出たので手に取ってみた、鑑定してみよう。


【勇者の願い】

└リバースLv.--

└救いの手Lv.--

└不滅Lv.--


(アクセサリースキル)

【リバース】

勇者の願いを叶えた証。

一度だけ死亡から復活する。

世界の感謝が込められている。


【救いの手】

一定の威力以下の攻撃を防御結界で弾く。

魔力は消費しない。


【不滅】

絶対に壊れない



なんかとんでもない守護装備だった…復活ってなんだ、ありかそんなん…


「わーキレイだねそれ、ゼノンくんが攻略したんだしつけてみてよっ」

「………。じゃあとりあえず俺が管理しとくか」


俺がもっててもすぐ回復するしあんま意味ない気がするけどね、実際はヴァニエかフィッテ、ファイスあたりが妥当だと思う。


アクセサリーを入手してから数分たつと、3層への階段が現れた。


…この迷宮はなにかが隠されている気がするんだよね。



過去そのものには飛んでいません、迷宮が過去と同じ環境を魔法で作り出したということになります。

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