表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/162

79 コロコロの次はぐるぐる…あ、ファイスみっけ

─翌日。

宿で魔力を入れる容器を買ったのでとりあえず魔力を込めてみる事にした。


「ふむふむ、だいたい一般的な低級魔法の消費MPは20くらいか。この量で満タンだしそういうことだろう」


準備もできたのでとりあえず空間魔法の転移を確認してみる、そのあとは訓練がてらに時空魔法での転移だ。

部屋の中央に容器を置いて壁際から空間魔法を使用してみた。


「おおっ、本当に転移できた」

「ほえ~、すごいねゼノンくん。発動するまでは時間かかるけどあとは一瞬だよ」

「苦労した甲斐があった……」


魔力の容器の存在している場所が転移する瞬間わかるんだよね、たしかにこれは素晴らしい魔法だ。

そして次に時空魔法での転移を試したところやはりタイムラグなしで瞬間移動できた、というか空間魔法をベースにしているだけあって空間魔法の転移よりも精度が高い。

空間Lv.10+時空Lv.1が時空魔法の転移熟練度みたいな感じになってるな。


ということは空間魔法Lv.10で亜空間を作り出すより、時空魔法Lv.1で作ったほうがより大きく作れるという訳か、さすがチート魔法だ。



「時空魔法の方が発動も一瞬だし魔力消費も少ない、さらに効果も上か、空間把握は劣るけど便利すぎるだろ」


しかもやってて分かったけど、短距離転移なら容器がなくても発動できそうだ…空間魔法のときは無理だったけどね。

ちなみに時間の速度調整と数秒先の未来予知はまだできない、スキルレベルが圧倒的に足りないんだろう。



「とりあえず瞬間移動を連続で使ってスキルレベルを鍛えるか…さすがにサイコロのときみたいにゆっくりじゃないから魔力はいずれ枯渇するけど、ちょっと休めば回復するから問題ないな」

「これはもう光の幻術魔法をみっちり鍛えないと攻撃すら当たら無さそうだね、僕もがんばらなきゃ」


まあワイルドセンスと魔力眼があるから校長レベルの偽装じゃないとごまかせないしな…生半可な幻術は魔力の無駄になる。


その後3人が授業に赴いた後、スラキューを連れてアカデミアの町周辺を瞬間移動で散歩しはじめた。


「瞬間移動ってスラキューも一緒にやると魔力消費が増えるのか、その分熟練度もあがりそうだけど」

「キュッ」


消費量2倍とまではいかないけど。1.1倍くらいになってた。


結局昼になるまでアカデミアをぐるぐる回ったがスキルレベルは変動しなかった。

魔力は何回か切れたので普通の人だったら絶望的な訓練効率だな…。

開発っていう抜け道だけど、それでも習得しきったルーシーはすごいと思う。


あの人のことだから時空魔法だけが切り札じゃないだろうし、ベースとなる元素魔法も相当なレベルになっているはずだ…

もしかしたらSランク突入どころか、その中でもかなり強いんじゃないかな。


そして結局その日はぐるぐるするだけで終わった。



コロコロの次はぐるぐるか…でもぶっ続けで何日もやってるわけじゃないし景色が変わるので意外と楽しい。

コロコロの悪夢のようにはならないだろう。


─次の日の朝。

同じように町周辺の外壁のぐるぐるで魔力が枯渇し始めたので、休憩のために宿に戻るとファイスが立ち往生していた…みんなから場所を聞いたのかな?

残った魔力で瞬間移動してみよう。


「おっす、なにしてんの?」

「うぉっ!?てめぇ今どこから現れた!?」


真横の空間からだよ。


「まあそれは置いとくとして、なんか用か?おそらくヴァニエあたりに聞いたんだろうけどよく場所がわかったな」

「いや全然置いとけねぇから、絶対いまの現れ方おかしいからな? まあ、この宿の情報は金髪から聞いたんだよ、仲間の侮辱についてはもう言わねえっていったら教えてくれた」


ファイス少年がバツが悪そうに語った。

聞くところによると俺たちの強さの秘密が気になって仕方なかったようだ。

それでいままで何をやってそうなったのか尋ねたところエレンが俺に聞けと言ってきたらしい…おそらくエレン自身は話してもいいと思っているんだろうけど、俺がいろいろ秘密にしていることを話すかどうかの基準がわからなかったのだろう。


……それにしても天邪鬼のファイスにしてはすなおな対応だな。


「まあ今日は暇だし今から宿で語ってもいいぞ。というかよくお前がエレンに直接聞く気になったな」

「……わりぃかよ。自分が今までうぬぼれてたのが分かっただけだ、世の中にはお前らみたいに現時点で俺より強いやつがごまんといるってのがな。おそらくそれを最初から理解して、小さいころからひたむきに努力してきた奴だっていたはずだ、つえぇ奴を前に怖さを乗り越えてきたやつがな。そんな奴がいるかもしれねぇ時にただ才能に溺れていた自分に嫌気がさした。それだけだ」


昨日の全体召集が相当響いたらしい。

まあそこまで考えてるなら相談くらいは乗ろう、ファイスもエクストラスキルは初期レベルで所持しているし才能はあるんだろう。…ただ努力してこなかっただけで。



「とりあえず中入れよ、明日から迷宮にいくつもりだしお前もよければ来ればいいんじゃね?」

「はぁ!?迷宮だぁ? おまえ迷宮都市までは国3つ分くらい離れてるぞ、何言ってんだ?」

「明日になったらわかるよ」


その後ファイスにスキルや装備についていろいろ議論を交わし、とりあえず明日また来てもらうことになった。

みたところC級下位ってレベルだが戦闘に関するアイディアや知識は実践的だった。

伊達に学校のSクラストップはやってないのかもしれない。



ファイス少年のエクストラスキルはレベル1です。

彼の力は今後の努力次第です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ