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74 コロコロするだけのお仕事

みんなと別行動をとることにした俺はルーシーの部屋までやってきた。

これから数日はルーシーの部屋でみっちり鍛える事にするので、都合が悪く宿に戻れない時のために部屋には手紙を残しておいた。


「よし、空間魔法鍛えるぞっ!」

「やる気は十分じゃのぉ、修行量は魔力残量にもよるが白竜と戦えるほどレベルが上昇しておるならそこそこ魔力はあるじゃろ。さっそく始めるとするかの」


あ、そうか、ルーシーは俺の2万ちょいの魔力と不死身の情熱による回復速度をしらないんだった。

まあいいか、やってればわかるだろ。


「で、修行を効率化するってどうするの?」

「ふむ、ちょっとまっておれ」


そういうと、部屋の中にちらばった魔道具をごそごそと漁りだした、この部屋の2割近くが魔道具スペースとなっているために膨大な量だ。

学校の教室くらいある中の2割だからそうとうだな。

俺も探すのを手伝ってもいいけどどんな道具かしらないから無理だし昨日の復習でもしておこう。


昨日の2時間で習ったのは現在解明されている空間魔法のほぼ全ての使い道、ルーシーが開発した新たな魔法元素である時空魔法の紹介だ。


空間魔法に関しては無属性の派生なのであまり用途が広くなかった。

ようするに空間を作る・移動する・認識するってことがほぼほぼだ、その中でも作る・移動するに関しては魔力の消費が尋常ではない、この魔法を1回使うだけでも普通の人ならレベル30以上いないと話にならないそうだ、規模はマジックポーチクラスを想定した場合ね。

だが、空間認識に関しては時空魔法よりも精度が優れているといってもいい、完全な劣化ではなかったようだ、空間の魔法とだけあってやはりここだけは特化しているな。


次に時空魔法だけど、さっきの考察通り認識以外は完全なる上位互換+新要素と言っていい。

作る・移動するのほかにも時間の進みを遅らせる・早めるなどがあったり1~2秒先の未来を見通すなんて技もある、まさにチート魔法だ。


これだけでユニークスキルレベルなんじゃないかってくらいのチートっぷりなので、聞いたときは開いた口がふさがらなかったな。

未来予知に関しても聖女の予知より範囲は狭いが、それでも戦闘用に使うと考えたらこっちのほうが便利だ。


だいたいのおさらいが終わったころにルーシーが魔道具をみつけてきたようだ。


「おお、あったあった。これじゃの」

「思ったより小さいな、というか使い道がわからない」


なんかサイコロみたいな形をした石だな、というか多面体のサイコロだあれ。


「使い方なんぞ魔力を通すだけじゃよ。魔力を通したこれを適当に転がして何の目が出るか当てるんじゃ。もちろん転がった場所をみないでじゃながの?」

「んー。あ、もしかして魔道具の効果でどの目が当たるか微妙にわかるようになってるのか? それで空間の認識を鍛えてちょっとづつスキルレベルを上げる分けか」


つまり魔力で空間の認識ができてれば転がった先にどの目が上を向いているかわかるし、それがわかればスキルレベルが上昇するってわけだな。


「その通りじゃ、といってもこの魔道具は空間魔法専用で消費魔力も他とは比べ物にならないくらい高い。一回使うだけでも実際に使う時の半分くらいの魔力はもっていかれるじゃろうが、これには経験の補助機能もついているので効率は段違いじゃな」


ただ魔力消費が抑えられるだけなら魔力切れがない俺にとってあまり意味を成さないが、経験補助はかなり有難い、さっそく転がしまくろうかな。

……かなり地味な作業になりそうだ。


そしてサイコロに魔力を通して転がしてみた結果、100回に30回くらいしか的中しなかった。

サイコロの目がめちゃくちゃ多いので当たっている方だと思うが、1m先に転がしても的中していないところをみると適度な妨害も同時にかかってるんだろう…1mは俺の空間魔法圏内であるはずだからだ。


そしてサイコロをコロコロしていく。

コロコロ……


お、あたった。

コロコロ……



「お、お主、魔力切れはどうした? 既に200回近くは転がしているような気がするんじゃが」


ルーシーが冷や汗を流している。

だが今の俺はコロコロするのに集中しているのだ、邪魔はしないでくれ。

コロコロ……


そして約500回近くコロコロした俺は、ようやく一息つくことにした。


「ふぅ~、いい汗かいたぜ。最後らへんなんか100回に60回は当たるようになったぞ」

「……ばかな、ありえんのじゃ。魔力量がおかしいのじゃ」


幼女がショックを受けていた、目の焦点が合っていない。


「まあ、たまにはそういうこともある」

「あるわけないじゃろが」

「あばばばっ!」


瞬間移動で襟をつかまれ前後に揺すられた。

だが空間魔法の修行をしたおかげで前後に揺れてても目が回らない、すごいぞ空間魔法!


「なんでうれしそうなのじゃっ! じゃが、いったいどんなスキルを持ってるんじゃお主は。エクストラや特殊スキルではこの魔力量はあり得ん、ユニークにしたってここまで異常な魔力を保持できるスキルなんて聞いたこともない」


魔力量に関してはスキルですらないからな、その上ユニークスキルもあるからシナジーがとんでもないことになっている。

まあルーシーなら言っても問題はないと思うけど、自分で当てたそうな顔してるから黙っとこ。


コロコロはその後3時間続いた。



B級くらいが空間魔法習得の目安です。

一日数回コロコロして少しづつ習得していきます。

魔法特化の人で適正があればですが。

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