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73 ファイスの企み

蒼炎の魔神を習得したときの挿絵を挿絵置き場に入れときました。

絵に抵抗のある方はお気を付けください。


ヴァニエを担いで連れてきたため遅刻もせずアカデミアへたどり着いた。

30分間移動中に寝ていたためか、ギリギリ目を覚まし始めたので授業もなんとかなるだろう。


というか今日が授業の日かどうかは知らないんだけどね、でもクラスにいけば教師がいるだろうし挨拶くらいはしてから詳しい話を聞くつもりだ。

ちなみに学校にもスラキューは連れてきている、テイムスキルに関係する校則なんてないし問題ない。


そしてSクラスへとたどり着いた。


「よし、編入組が来たようだな、紹介するぞ。カイムからの推薦でアカデミアに入学してきた編入生で、全員試験はパーフェクトで通過してきている。その中の一人は測定不能という結果が出た優秀な者達なので仲良くしておくといいだろう」


お、この人昨日の試験でフィッテの相手をしていた人だ。

相変わらずアクセサリーの数が凄いことになってるな。



その後4人で軽く自己紹介をしたあと席に着いた。

エレン・フィッテ・ヴァニエは教室の入り口付近に座ったようだが、残りの席がなかったので俺だけは反対側になった。

座席は指定されているのでしょうがない、枠がなかったんだろう。



「編入組に説明するが、Sクラスは他のクラスよりも自習期間が多くとられている。週1回の全体召集以外は授業を選択するのもなにをするのも自由だ。だが、そのかわり半年に一回行われるテストに合格できなければAクラス以下に落ちる事になるだろうから心しておけ」


ふむ、つまり自分たちで学ぶ姿勢を評価しているということか。

下手に足並みそろえて基礎的なことを学んでいてはSクラスの才能を潰す可能性があると学校側は考慮しているんだろう。

これなら空間魔法の練習期間も多くとれそうだな、迷宮もあるし願ったりかなったりだ。


授業に関しては珍しい魔法を教えてるところがあれば選択するのもいいかもしれない、元素魔法系ならコピーできるしな、この学校はコピー素材の宝庫だ。

ちなみに全体召集というのはSクラス全体で行われる実技演習のことらしい。


そしてある程度の説明をイーグル先生が行うと今日は自由時間となった。

あ、イーグル先生っていうのは今紹介してくれた魔道具だらけの教師だ。



「なぁなぁ、お前編入試験で校長の相手してたやつだろ? 校舎の中からお前が空飛んで戦ってるのみたぞ、いまSクラスじゃその噂で持ち切りだぜ?」


茶髪の生徒が俺に話しかけてきた。

てかあの試合って校舎から見えてたのか、まあ空飛んでるから見ようと思えば見える範囲だったかもしれない。


「ん? まあ校長と戦ったのは事実かな」

「やっぱお前だったのか、黒髪黒目なんて他にいないからすぐにわかるぜっ! それよりも気をつけろよ、今日は来ていないがお前ファイスの奴に目をつけられてる。あいつの父親は魔法学校にも出資してる伯爵家の人だ、やっかいなことになるぜ」

「あー、もしかしてパーティの時の少年Aかな。まあそれは別に気にしないでいいと思うぞ」

「……お前度胸ありすぎだろ」


あの少年はファイスっていう名前だったのか、Sクラスにいるとは意外と優秀だったんだな。

この少年の態度からみるにファイス少年はこの学校で幅を利かせているらしいが、正直なにをやってこようとも全体召集の時以外は迷宮にいるかルーシーの部屋にいるかになりそうだし…会う機会はなさそうだ。

向こうはいくら探してもいないからイライラしてくるだろうけどね。


エレン・ヴァニエ・フィッテはどんな授業があるか探していたのでこれから取りたい授業の見学に向かうようだ、なので俺とは行動が別々になる。

こっちはこっちで修行をするつもりだからしばらく別行動になりそうだな。


ってわけでさっそくルーシーの所に空間魔法の修行に行こう、通信魔道具とかもらってないからまた唐突に登場することになるけどな。


──────────

──────────


ゼノンがアカデミアから帰ったころ、さきほどの少年がなにかを報告していた。


「おい、あいつらの動向はどうだった」

「いや、それがファイスさんの名前を出してもまったく動じてなかった。黒髪のあの余裕はなんかひっかかるし、Aランクパーティってのもただのハッタリじゃなさそうだぞ」

「いや、そんなわけ無い。俺たちと同い年で騎士やワイバーン相手に無双できるような奴なんて存在するはずがない。父さんもあの件に関してはカイムの領主の謀略だと考えている、あいつらを使ってなにか企んでるに違いねえ……」


ファイスは取り巻きをつかってゼノンたちの学校での同行を探っていた。

彼からしてみればアカデミアのSクラスでトップに君臨する自分に対し、自分の力が通用しない者が唐突に現れたことが許せなかったのだ。

フィッテやヴァニエに対しても声を掛ければすぐに寄り付くと考えていた時にゼノンが現れたことが原因だが、そうしなければフィッテに殴り飛ばされていたということを知らない。


「とにかく今日の様子見であいつらの態度はわかった。明日からは俺も直接しかけるからそのつもりでいろ」


だが、ファイスは知らなかった。

その肝心のゼノンが一週間後までまったく現れることがない事を。


──────────

──────────


ん~、それにしても話かけてきたあの少年、俺たち全員にファイスの話しをしてたけどなんなんだろうな。

まあ来週になればわかるかな?


ファイス少年が動きだします。


…動き出してもゼノンはみつかりませんが。

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