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68 魔法学校アカデミア編入試験

アルトミー連合国魔法学校、通称アカデミア。

王国の騎士学校・帝国の冒険者育成機関・教国の魔導学園には特化した部分で後れをとるものの、魔法を中心としてあらゆる技術を広く学ぶことにおいては他校に引けをとらないようだ。

そこも連合国ならでは多様性、一つに特化せず様々な分野が必要とされるところから来ているのかもしれない。


そしてこの学校は他校が13~15歳ほどで卒業を迎えるのに対し、もう一つ上の段階として15歳~18歳までの期間が設けられている。日本でいうところの大学校といったところかもしれない。

この期間においては学ぶというより研究が主体となり、学校で学んできたことをベースに魔法の研究をしている学者たちの助手扱いとなるようだ。


そして俺は現在11歳、学校にいる期間は今年を入れて残り4年ということになる。


「で、推薦組の試験は学術試験か実技試験を選ぶことができるんだっけか」

「そうだね。実技試験といっても魔法だけを学ぶわけじゃないから、あくまでも戦闘力をみるみたいだよ。まあ魔法が主体だから魔法特化の人の方が得点は高いだろうけど」

「ボクは実技試験にするよ、学術の方も自信はあるけど精霊魔法のほうがアピールになるよね」


なるほど、エレンとフィッテの意見を総合するに魔法の得点は高いが実力があれば結局試験は通るという感じで間違いなさそうだな。


「私は学術にしますわ、雷魔法は覚えましたがさすがにあれだけで試験を受ける気にはなりませんもの。魔法を使わずに入学するのも趣旨に反している気がしますし、知識ならだれにも負けませんわ」


ヴァニエは実践魔法の構造を理解してなくても本の丸暗記は完璧だからな。

試験として問題が出るなら無敵だろう。


「うーん、俺も実技試験かな~。正直読めない魔法言語もないし落ちるとは思わないけど、魔法陣論とか言語の組み合わせを求められる問題なんかが出たらわかんないしな。魔法なんて勘で使ってるし」


無詠唱だからな、魔法言語の知識なんてない。

体で理解してなんでもできるだけだ。


「あ、ありえないですわ…」

「ははは、さすがだねゼノン」

「勘、勘……」


フィッテが本気で真似しようとしてるが、無詠唱はたぶん無理だと思うぞ。

取得する条件が特殊すぎる。


ちなみに今はアカデミアのバカでかい門を通り過ぎて試験会場に向かってウロウロしている所だ、ここ無駄に広くてどこ行っていいかわからないんだよね。

……迷子ともいう。


でも迷子になるのもしょうがない、ここアカデミアだけで町が完成しそうなくらいデカイんだよ。

おそらく学校と研究者の個人施設、宿泊施設、関係する店なんかが一体になってるんだろう。

帝国の育成機関は冒険者ギルドや迷宮都市の一部みたいな感じだったので、テイストが違うだけで似たようなものだ。


というかあのバカでかい門が町の門みたいな感じだと思う。


……そしてまさに魔法の都市といった感じの荘厳な街並みを眺めながら30分ほど歩いていると、学校本体と思わしき場所にようやくたどり着いた。

見た目は思いっきり魔法学校そのものだ、まさにって感じ。


「たぶんここじゃないか?係の人を呼んでみよう」


学校の門の脇にある鈴を鳴らすと、門の奥の建物から人が出てきた。


「んー?なんだ、客か?」


なんか世紀末覇者みたいな風貌のおっさんが現れた。

この人魔法よりも物理のほうが強いだろっ!

筋肉がものすごい。


「私たちは推薦を受けて、アカデミアに編入試験を受けに来たのですわ。案内してくださいまし」

「お、なんだ編入希望の学生か。まだ制服も着ていないからわからなかったぜ」


この学校に来る人ってのはだいたい制服揃えてから来るのかな?

まあさすがに制服を新調するにはだらだらしてた1~2日じゃ足りないしな、しょうがない。


「そういうことになる、試験はこちら3名が実技でそっちの仲間が学術だ。よろしく頼むよ」


そういうと世紀末覇者の人はもう一人の世紀末覇者を召喚して、ヴァニエと俺たちを分けて案内し始めた。

いったい何人いるんだ物理特化。


「それにしても今日は校長自ら編入者への試験を行うなんて言いだすから何事かと思ったら、お前たちの事だったんだな。てっきりもっとゴツイ奴がくるのかと思ってたぜ」


なんでや、ここ魔法学校やろ。


しばらく学校の敷地を歩いて覇者な人についていくと、学校の訓練場と思わしき巨大な施設に出た。

天井の無いサッカードームを中世にしたような、コロッセオが大きくなったような感じの場所だ。


「よし、とりあえずここで待ってろ。いま校長を呼んでくる」


どうやら少し待つことになりそうだ。


そして待つこと10分ちょっと、校長が覇者の人に連れられてやってきた、他の教師も一緒に。

おそらく校長の判断とその他教師の総合判断が行われるのだろう。


「うむ、待たせたの。あの赤髪の子は学術と聞いておるから3人みたいじゃの…それでは始めるとしようか」


校長が持っている杖を地面に突き刺すと、そこからドームに結界のようなものが張り巡らされた。

あれマジックアイテムかな?杖そのものに魔力の循環を感じる。


さて、校長と戦うとは聞いていたがこちらは3人だ、パーティランクは向こうも知っているだろうしどうしてくるのかな。


「試合形式は3人対3人のパーティ戦じゃ、うちでは魔法も重点的に教えるがそればかりが能ではないのでな…おぬしらの実力をそのまま見せてもらうぞい」


……なるほど、だからあの教師たちがいるのか。

パーティvsパーティは魔大陸の闘技場以来だし相手側の教師陣営、校長を見ると相当な使い手のようだが…まあやれるだろう。

特に校長の魔力の流れがすさまじくスムーズなのが気になるけどね、あれ絶対魔力操作カンストしてるわ。


「それでは審判の教師を一人つける、そちらの準備ができたら声をかけなさい」


準備か、まあやろうと思えば魔神モードのエネルギーをためてもいいんだけど、さすがにこのタイミングでカードを切ることはできない。

フィッテもエレンも特に準備があるわけでもないし、普通にやるならもうOKってとこかな。


「こちらの準備はできたよ。あとはスタート待ちかな」


さてさて、びっくりさせてやるとしますかね。


アカデミアだけで生活が成り立ちますので既に町です。

ちなみに大陸闘技大会の出場権はもっていません。

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