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67 どこかで聞いたなそのセリフ。ケ、ケ、ケビ…忘れた。

校長はお茶目キャラです。

「なに、戦うといっても今すぐではない。入学試験の時にわしが相手をするというだけじゃ、気負わんでええぞ。やる気が見られただけでも今回は十分じゃわい」


なんだ、めっちゃ焦ったわ。

こんなところで試合なんてしたらパーティどころじゃないからな、危ないにもほどがある。

この爺さんわざと俺たちを驚かそうとしていたな?


「食えないじいさんだな」

「ホーッホッホッ」


ルーシーといいこの爺さんといい、若いのを手玉にとるのが好きすぎるだろ。

まあ試験のときはこっちが驚かせてやるさ、思いっきりね。


「じゃあわしはこれで失礼するぞい、見どころのありそうな若者たちを見れて大満足じゃ。最近は教国の魔導学園なんかにいい人材を取られてばかりだったからの」


魔導学園と魔法学校はライバル関係かなんかなのかな?

まあそれはいいや、とりあえずパーティの主役らしいからエドガーさんの付近でうろちょろしてよう。

俺個人は、だけどね。


魔法学校以外のところから引き抜きがありそうだったらエドガーさんに頼ることになりそうだしな、貴族の相手は貴族がどうぞ。


……俺も貴族だったわ。


それから十分ほど出された料理なんかを堪能していると、エレンが話しかけてきた。


「ゼノンちょっといいかい?…あっちのほうでめんどくさい事になりそうだから来てくれると嬉しいんだけど」


あっちってどっち。


「いや~お嬢さん方は美しい、お二人ともこの国の上層部では噂で持ち切りですぞ。カイムの町を救った銀髪・赤髪の2大美姫といったらもはや貴族で知らぬものはおりますまい! これは連合国全体に広がるのも時間の問題ですなっ! どうですかな?よければ私の息子と会っていただいては、後悔はさせないと約束しますぞっ」


……めっちゃ引き抜きにかかってた。

ていうかそれ引き抜きというより縁談じゃないのかっ!?

いくらなんでも気が早いぞおっさん。


「オホホホッ!私にはまだその話ははやくてよっ、女性としての魅力を磨いているところですもの。それに最近は新たな目標もできましたし、またの機会にしてくれると嬉しいですわ」

「ボクも興味ないかな」


あまりの突っ返しっぷりにおっさんの顔が引きつっている。

貴族の会話はよくわからんからこの程度はどうってことないのかもしれないけど、エレンが気にしていたのはこのことだったのかな?


……エレンの顔をみると違うようだ。


だとするとなんだろう?

するとおっさんの後ろからエレンと同い年くらいの少年が姿を現した、多数の取り巻きを連れている。


「お前ら、ちょっと騒がれているからっていい気になるんじゃねぇぞ。俺の父さんは伯爵家なんだ。いくらAランクパーティっていっても個人じゃCランクくらいらしいじゃねぇか、そんなのが魔法学校にも出資している父さんに楯突いてもろくなことにならないぜ?」


どうみてもこいつのことだな。

服装とか出資の話しからするに魔法学校の生徒かなんかなんだろう、推薦とかを重視するだけあってそういう社会構造なのかねぇ?

確かにこれはめんどくさい。



「ん~めんどくさいけど、正直あいつらが2人をどうにかできるとは思わないし、エレンが心配ならそっちに任せたいんだが」

「いや、どうにかはできないと思うんだけど、やりすぎるような気がしてるのさ。特にフィッテの方が」

「なるほど」


ヴァニエはこういうの慣れてそうだから悲惨なことにはならなさそうだけど、確かにフィッテは加減を間違えてぶっとばしそうだな。

……俺らが止めるしかないか。


フィッテがだんだんイライラしてきてる感じもするし、行くか。


「おっとそこの少年、俺たちの出席に文句があるならここの領主に頼むよ、責任者はあの人だしな。それにうちのパーティからの引き抜きはやめてくれないか? そういうのは親を使わずに自分で申し出てくれると大変ありがたいんだがな。それができないならそもそもうちに釣り合わない」

「くっ、お前が勇者の野郎か。どうせその肩書もコネかなんかで手に入れたんだろ? だったらお前も同じだろうが」


どっかの闘技大会でも同じようなセリフを聞いた気がする。

あの人誰だったっけ、確かケ、ケ……ケビン?

……忘れた。


「まあどう思おうと正直勝手だが、さっきも言ったが文句があるならエドガーさんに打診してもらうほかないな。……これ以上は不毛だ、いくぞみんな」


そそくさとエドガーさんの所に戻った。

正直貴族のルールなんてしらないし、こうする以外に穏便に済ませる方法しらないんだよね。


「やっぱエレンが相手したほうがよかったんじゃ?」

「いや、あそこまでピリピリしだしたフィッテを抑えるには僕じゃ無理だよ」

そうらしい。


その後少年の視線が常に突き刺さっていたが、気にしないでおいた。

まあなんかアクション起こすにしても魔法学校でのことだろう、例えば実技の授業とかね。

そんときゃ優しく返り討ちにしてあげよう。


「ゼノンはもうちょっと社交術を学んだほうがいいですわ、家臣であるならそのくらいのことは出来なくてはだめでしてよっ」


その設定まだ活きてたのか。


その後エドガーさんのフィルターを通して貴族や関係者の人と無難なやりとりをしてパーティは終わった。


魔法学校はこの国の真下にある国にあり、着いたらすぐに編入試験があるらしいので明日から出発だ。

エドガーさんも推薦した手前責任があるので、学校までは護衛と馬車をつけて送ってくれるそうだ。

いたれりつくせりだな。


そして4日後、俺たちは魔法学校の門を叩いた。



少年Aと取り巻きはハリー○ッターのあのキャラをイメージしています。

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