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65 このメダルなんか意味あるん?

わたあめ羊を倒して出てきた宝箱は金色だったので、もしかすると金・銀・銅みたいな宝箱ランクがあるのかもしれない。

倒したケースが1回なのでわからないけど。


とりあえず開けるか。


金色の宝箱には鍵が掛かっておらず魔力眼でみても魔法トラップっぽいのはなかったので開けて見た。

すると、中には羊の金メダルと何かの地図の切れ端、重厚な表紙の本が入っていた。


「この羊が描かれた金メダルはなんか意味あるのか? 変な魔力が宿ってるけど道具として何かに使える雰囲気がまったくしない」


無駄に緻密な絵が描いてあるメダルだが、鑑定しても羊の金メダルとしか表記されない。


「その金属の利用価値は儂も知らん、攻略したらたまに出てくるのじゃ」


ルーシーもこのメダルについては取り扱いに困っているようだ。

あとなんか若干だけどふて腐れた顔をしている、そんなに時空魔法をみせつけたかったのか。

次きたら活躍させてあげよう。


地図の方は金メダルと違ってよくわかる説明だった。

下界のどこかにある城の場所を記してある地図で、そこへ至るまでの周りの島や地形が詳細に書き込まれていた。

ただこれ切れ端だから1枚だけだと結局なにもわからない、記されたところが限定的すぎる。


それと本は魔法書のようなものらしい。

俺が生まれてすぐ読み漁った魔法言語の辞典のような物ではなく、読んだ時点で特定の魔法が使用できるようになるみたいだ。


だが正直俺にはなんの価値もない、元素魔法の新元素を習得できるならともかく、これって魔法の技を覚えるだけっぽいからな。

ファイアとかそういうやつだ。


「この本誰か使う?おそらく読めば魔法を覚えるんじゃないかな?」


鑑定のことはぼかしてそれっぽいことを言った。

覚えても属性に適正がなければ意味ないけどな、ちなみに本の属性は雷らしい。


「わっ、私が使いますわっ!」


エクストラの件があるので魔法を使わないはずのヴァニエが意を決したように申し出た。

なんかすごい意気込んでる。

エレンとフィッテは自分の属性に合わないみたいなので譲る気満々なようだ。


本をヴァニエに渡して見た。


「くふふ、くふ。これで私も魔法が使えますわ」


めっちゃ喜んでいるようだ。

大事そうに本を抱えているので宿でじっくり読む気だろう。

適正がなかった時に悲劇が起こりそうだな、主に俺が八つ当たりを受ける意味で。


「次はこの地図の切れ端だけど、切れ端じゃなんにもならないな」


ルーシーとかこれ沢山もってそうだな、だが素直に頼むとまたドヤ顔が拝めそうなので言わない。

チラ見だけしてみよう。


…チラッ


「……ん? なんじゃその目は。その切れ端ならたまに出るが全部捨てたから期待しても無駄じゃぞ」

「……うそやろ」


この幼女、興味ないことに関して適当すぎるだろ。

もうだめだ、おしまいだぁ。


さらば地図、君のことは忘れない。


「何枚も同じのが出るからの、集めるのがめんどくさくなったのじゃ」

「えっ」


なんだ何枚も同じのが出るのか、ならいいや。


さて、じゃあ今回の迷宮探索はこのくらいにして今日はもう帰りますかね。

ヴァニエがニマニマして本から目を離さないんだ、次のモンスター部屋はまた今度にしよう、エレンも消耗してるしな。


来た道をそそくさと帰ったが、地下通路から出るとセキュリティーっぽい扉が自動で閉まった。

中に入っている人がいなくなると閉まる仕組みらしい。


手…その後1時間ほどして宿にもどった時には既に夜になっていた。


ヴァニエは徹夜で本を読む気のようなので明日の迷宮は無しかな、どちらにせよ準備があるし。

まあいままで魔法が使えなかったんだから嬉しいのは分かる。

魔法習得の本なんて普通はどこにもないから今回は当たりだったようだ。



翌日、起きてみたら満足顔のヴァニエが大の字になって寝転がっていた。

…どうやら適正があったようで何よりだ、窓の外を見て見ると焼け焦げた跡があるので習得できたのだろう。


初日はヴァニエが撃沈して動かなかったが、次の日からは迷宮への準備期間となった。

ポーション類をエレンのカバンに移動してひとまとめにする作業、今後必要と思われる地図用の道具・その他備品の購入作業なんかだ。

食料は腐るので行く前にいっきに買うのがいいだろう。


そして準備が終わった頃にはエドガーさんから招待される日が間近に迫っていた。

いまから迷宮に行ってもいつ帰ってこれるかわからないので、とりあえずパーティに招待された後考えよう。



「ヴァニエが魔法書を使ったことで全員が魔法を覚えたわけだが、これならもう魔法学校に行って見ようと思うけどどうする?迷宮都市もなにも空島があるし」

「ボクも賛成かなっエドガーさんも推薦してくれるらしいから一番理に適っていると思うよ」

「賛成ですわ。私も雷系統の適正がありましたし他の魔法も覚えてみたいですもの」

「それに正直なところ、空島の迷宮のほうがそこら辺の迷宮より断然手ごわそうだしね。いまさら連合国の迷宮都市でレベル上げしようにも、だいぶ下層にもぐらないとあまり効果はないと思う」


全員満場一致ってことで魔法学校に決まりだな。

それじゃエドガーさんとの約束の時間までだらだらしてよう、カイムに訪れてから怒涛の1週間だったな…



だいぶ前に予告していた学園編、始まります。

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