表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/162

64 久しぶりのわたあめ魔石

人物紹介:その2のところにルクァンの挿絵を追加しておきました。

イメージの補足になればと思っております。

しかし扉を開けたのはいいが、どうしようか。

とりあえずこの迷宮が気になってここまで来たけど、ヴァニエのいう通り最初は様子見がいいだろうとは思う。


どこまで続いているか分からない云々というより、俺たちがまだなんの準備もしてないという点が問題だ。

ここは帝国のような迷宮とは違って、警備の者達がいるわけでも冒険者が居るわけでもない…もし異常事態なんかに巻き込まれたらまずいことになるだろう。


やはり準備してからまた来よう、ここまではルーシーの部屋から1時間であることを考えれば毎日これる距離だしな。

今回のところはどの程度のモンスターが出るのかだけって方針だな。


「ここまで来てなんだけど、今回のところはモンスターの確認程度で済まそうと思ってるんだけどいいか? さすがに準備くらいはしてこないとな」

「ああ、僕もそれがいいと思うよ。ここがどういう迷宮なのかの確認だけで初日は十分さ」


エレンもこの迷宮には興味がある表情をしているが、ブレイブソードの確認を済ませればとりあえずの目的は達成だし問題なさそうだ。


「私も問題ないですわ、むしろ引き返せる段階で引き返すのが定石でしてよ。機会はいくらでもありますもの」

「食料の問題とかも含めて考えたらそのくらいがちょうどいいよね」


ヴァニエが言っていることは正しいと俺は思う、というか俺の考察と同じだ。

フィッテも賛成なので行動方針は決まった。


「じゃあとりあえず反応が少なくて近いモンスターの場所までいくか。まさかいきなりA級なんかが出てくるわけじゃないだろうし、パーティで戦えば安全マージンは確保できてるだろ」


ここからだと分岐がややこしくて迷いそうなので近めの場所にしといた、次くるときは地図系のスキルかもしくは地図用の道具を用意しないとな。


分岐しているところを迷わないようできる限り覚えながら進んでいると、ところどころ外の光が差し込んでいる場所があった。

ここの外ってどうなってるんだ、上から魔力を感じるからモンスターとか待ち受けてそうな感じはするけど、クリスタルの階段の長さからしてそんなすぐ地上があるとは思えないんだが。


そして少しだけ進んだところで目的の場所に到達した。


「なんだありゃ、モンスターじゃないのか?しかもまた行き止まりだな」


なんか謎の石像がある、見た目は地球でいうところの羊だ。

魔力は発しているから魔道具か?


だけどさっきまで移動してたんだよなこの魔力。

ゴーレムっぽい予想はできるけど、それにしては小さい。

……とりあえず近づいてみよう。


全員で羊の前までいき観察してみたが、とくになにか起きる様子はない、なんだこれ。


「おかしい、確かに魔力は現在進行形で循環しているんだけど。……ん?」


なんかいま若干動いた。


「動いたよ」

「動きましたわね」

「……やっぱりゴーレムなんじゃないかい?」


どうだろう、次は触ってみるか、ぺちぺち。


……ガコン。


「……は?」

『メェェエ』


…………

……


羊の石像が音を発したと思ったら、行き止まりの壁が動いて外に繋がった。

……外には草原が広がっている。


「……なんでや!?」


なんでや、もしかして魔力感知式の自動ドアのセンサーみたいなものだったのか?


「驚いたじゃろ? ここの1層目の通路はモンスター部屋の集合地帯なんじゃ。儂もこの迷宮の最下層がどこまであるかしらないが、このモンスター部屋の主を討伐したときに低確率で次の階層への階段が出現するみたいじゃの」


ルーシーがにやけた顔で語っている。

くそぅ、なんとなく負けた気分だ。


「ははは。あれって帝国の迷宮にいたモンスターじゃないかい? 若干体毛の色が濃いけど」

「どうみてもわたあめだ…とりあえず戦ってみようか、エレンどうぞ」


わたあめのボスがでかでかと居座り取り巻きを引き連れているのですぐにわかる。

真・ブレイブソードのお披露目だな。


「それじゃあ先制攻撃は任せてもらうよ【光騎士・聖剣解放】【シャイニングロード】っ!!」


エレンがブレイブモードの限界を超えた強化を行い、空中に光の剣を無数に作り出した。

見た目は以前のブレイブモードと変わっていないが、感じるプレッシャーが桁違いだ。

空中に浮かんだ剣の数だと、取り巻きを一掃するくらいの本数かな?


そしてエレンがブレイブソードを振り下ろすと、同時に空中に浮かんでいた剣が羊たちに殺到した。

モンスターの魔力量からして、以前の羊より若干魔法耐性が上がっているようなので光耐性の羊には効果が薄いと思ったが、そんなことはなかった。


「全部一撃かよ、というかボスわたあめまで即死だぞ」

「……ははは、この剣ちょっとおかしい威力だよ」


技を使った本人が一番びっくりしていた。


だがエレンの表情が若干苦しそうだ、魔力を使い過ぎたのかもしれない。

いくら強化に魔力が必要なくなったからと言っても、それ以外の剣技や魔法は通常通りに消耗するからな。

あれだけの大技を放つ対価はそれ相応にあるということか。


前の勇者のように、ベースが地球人なら大量に繰り出せたかもしれないけどね。


「ふむ、そのブレイブソードを扱いこなせてはいないようじゃな。レベル上げか特殊な訓練をしないと宝の持ち腐れじゃの」


まあ確かに、いまはまだ剣に振り回されているな。


そして羊たちの魔石を回収していくと、ボスがいたところの後ろに宝箱みたいな金属の箱があった。

これってまさかアレか?

モンスター部屋をクリアすると階段以外にもなんらかの報酬があったりするパターンなんじゃ。


ヴァニエが速くあけろと目で訴えてくるのであけてみよう。

このクリスタル迷宮は下界の迷宮とはいろいろと違った構造のようだ。


久しぶりにわたあめが登場しまた。

このわたあめは魔力が高いので魔法特化のC級中位くらいの戦闘力になります。

ボスはC級上位です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ