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63 謎のキーワード

迷宮の話しの続きになります。

迷宮の1層目にたどり着くとそこには大きな鏡があった。

というか鏡しかない、行き止まりか?

クリスタルや鏡っていうと光の屈折かなんかの幻術も考慮にはいりそうだな、ここはスラキューに助けてもらおう。


「スラキュー、とりあえずあの鏡に触ってくれないか?」

「キュ……?」


……ん?

あれ、スラキューが何のことか理解していない。

ってことはスラキューにはあの鏡が見えてないんだろう、あの行き止まりの鏡は光魔法のフェイクってわけだ。


「ほう、そのチタンスライムは小童のテイムモンスターじゃったか。テイムスキルを持つとはめずらしいのぉ」

「あのチタンスライムには魔法が効きませんわ、ゼノンの指示に反応を見せないところをみると鏡になんらかの魔法がかかっていると考えられますわね」

「ボクにも鏡に光の精霊さんが多く集まっているのが見えるよ、だけどいろんなところに精霊さんが散らばってて精霊魔法じゃ処理しきれない」


どうやら二人の推測も俺と同じようだ。

ヴァニエはいつも見せないようなキリッとした表情で宣言しているあたり、偏った知識の偏っている部分が本領を発揮しているんだろう。

こういう時のヴァニエはかなり賢い。


フィッテに関しては精霊の声と属性でいろいろ判断できるからある程度までは認識できるようだが、さすがに試練の迷宮ほどの適正は発揮できないようだ。

だが、2人の意見が一致したことで俺の推測も確実性が増した。



するとエレンが鏡に手を当てて調べ出した。


「でも、何らかの光魔法だったとして、それが分かってもどうにも出来ないね。たぶん本当に何かはあるんだろうけど、それが魔法で隠されているとみるべきかな」


手をあてても通れないってことは、物質はあるってわけか。

その「何か」の表面に魔法で鏡に見えるように加工されてるんだろう。

確かにそれだけの情報じゃなにもできない、俺の魔力眼にも怪しいところは鏡の部分しかないんだ。


「ふむ、困っているようじゃの?小童共も着眼点は悪くはないがもっとよく考えてみるんじゃな、この迷宮の属性が光だけではないと言っておったじゃろ」


……おそらくルーシーはこの迷宮のことを知っているんだろうな、長い間ここに住んでいてこの迷宮にノータッチなわけがない。

それにしても属性か、確か属性は光と、闇……。

……ん、闇だと?


闇の特性の一つは魔力などの吸収、フレイムゴーストなんかで相手の魔力を吸収して燃えるのと同じだ。

だとすれば、俺の魔力眼で逆に捉えられていない魔力の無い暗い部分っていうのは。


……そうか。


「みんな、鏡の正面から先にあるあのくらい部分に立ってみよう。おそらく暗い部分と鏡はなんらかの関係性がある」


俺につられて、3人とも暗い部分に移動して鏡を直視してみる。

するとそこにあったはずの鏡が消えて、代わりに古代文字のような物がかかれた石板が存在していた。


「鏡が消えましたわ。なるほど、ここから見る場合に限り闇の魔力が光の幻影魔法を相殺するんですのね? それにあの石板、家庭教師に少しだけ習ったことがありますが、古代魔法文字というやつですわ。多少は読めますがすべての解読は難しそうですわね」


ヴァニエはさっそく気づいたようだ、さすが本領発揮モードだな。

だが解読の方はまかせろ、俺の初取得スキルである言語理解さんの出番だ。


「あの石板の内容なら俺が読めるから大丈夫なはずだ」

「ゼノンあなた、古代魔法文字を知ってるんですの? 人間大陸で覚えたのかしら」

「いや、行動を共にしていたけどそんな余裕はなかったかな。また隠れてなにかやってたんだね」


生まれた瞬間から隠れて本読んでました。

フィッテだけは勇者の騒動で魔法文字が読めるのを知っているから納得していた。


「まあとりあえず読むぞ」


記されている内容はギラとルクァンに関係すると思わしきキーワードだった。

キーワードは、「闇の竜は守り抜く盾」「光の竜は切り拓く剣」だが、これが何を意味するのかは今のところ謎だ。

いまのところはこの先にいければ問題ないし、とりあえず唱えればいいだけだ。



「闇の竜は守り抜く盾、光の竜は切り拓く剣」

俺が古代魔法文字を言葉にした瞬間、石板のあった場所がスライドして奥へと続く道が現れた。

……なんかセキュリティー厳重だなここ。


「……ほう? 古代魔法文字に関しては儂が手助けしておこうかと思ってついてきたが、まさか本当に読めるとは。ふ~む、やっぱり優秀じゃの?」


ルーシーがついてきたのはこのためだったのか、疑ってごめんよ。


「これなら弟子にしても問題ないじゃろ。この奥の迷宮で儂の時空魔法をバンバンみせてやるからの、期待してまってるがええ!カッカッカッ!」


疑っていた通りだった。

めっちゃ嬉しそうな顔してるよこの人。


そして奥へ続く道を通っていくと、入り口の人工物なのか自然物なのかどっちつかずな印象とは違った、巨大な地下通路のようなところに出た、人工物のように整備された通路だ。

ただ、通路が分岐しすぎてどこから手をつけていいのかわからないな。


あとそこらへんに魔力を感じるから、モンスターがうろついているんだろう。


ここまでの状況的に、この迷宮は自然に発生した迷宮ではないのかもしれないな。

だが人工物があったりなかったりで、必ずしも誰かが作ったとも言えない。


迷宮は本当に謎だ。


迷宮には様々なタイプがあります。

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