表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/162

50 ワイバーンたちの異変②

ワイバーンも引き下がったことだし空の旅を続行しますかね、もう少しでアルトミー連合国だし訓練はやめてギラの上でゴロゴロしてよう。

主にスラキューを使って。


「あ~、スラキュー枕きもちええ……」


スラキューは体の大きさと固さをある程度まで調整できるので、枕モードにもなれるのだ。

このひんやりとした感じがなんとも。


「ちょっと! 私が開発した枕型スラキューを我が物顔で使うとは、家臣として許すまじ暴挙ですわっ」


なんでや!

スラキューは皆のものだ。


「ははは、確かにあの枕形態は気持ちいいよね。僕も何度かやってみたことあるよ」

「なんですって、私が知らないところで普及していたなんて……。なんという理不尽なの」


ヴァニエがこの世の終わりみたいな顔で絶望している。

だが安心するんだ、順番が回ればいつか使える日がくるさ。


…………。


「ほらっ、スラキューいってこい」

「……キュ」


やっぱり仕方ないから貸してあげることにした。

スラキューもやれやれみたいな空気を醸し出している。

……やれやれだぜ。


そして翌日、結局ワイバーンの襲撃がないまま俺たちは連合国付近にたどり着いた。


「ふぃ~、やっとついたな。とりあえずここからは歩きにするか」

『グルゥ、ここまででいいのか? なら俺はあの人間の国へ戻るぞ。あそこは居心地がいい、魔素に力が溢れているのだ』


どうやらギラはクロスハート領にとんぼ返りするらしい。

魔素のパワーバランスなんてしらないが、きっと人間が解明できてない作用とかもあるんだろう。

ドラゴンはそれが感知できるのかもしれない。


「ああ、それじゃまたな」


そして軽く尻尾をふったギラが飛び去っていった。

さて、国境はすぐそこだな。



それから歩くこと2時間ほど、俺たちは国境と思われる門あたりまでたどり着いた。

あとここら辺は自然がやけに濃い、ジャングルみたいだな。

木で出来た高台みたいなのも配置されてるし、あそこが国境だろう…門番さんも視認できる。


ちょっと、手を振ってみようかな、うっす!

お、民族的な衣装を着た門番さんがこちらに気づいた。


「お前達、そこで止まれ。この国へ何をしに来た? 目的と身分証明、または銀貨5枚が払えないなら通すことは出来ないぞ」


どうやら入国審査らしい。

ただ銀貨5枚とはずいぶん高いな、物価は国によって異なるとはいえ、いくらなんでも高すぎる。

まあ、余裕で払えるけどね、ただ通常に比べてって事だ。


「目的は迷宮都市か魔法学校かな、そこらへんはみて決める。それと銀貨5枚の4人分、20枚だ」


ヴァニエ以外は身分証明できるが、ここでヴァニエだけ銀貨で支払うとなにかと疑われる。

なので全員銀貨払いで済ませた。


「ふむ。よし、通れっ。それからここ最近はワイバーンの被害が多発している、町につくまでは警戒をしておけ」

「情報感謝する」


あれ、やっぱりワイバーンさんのあの行動は異変だったのか。

いくらなんでも集まりすぎだもんな、なんか嫌な予感がさらに増してきたぞ…まさかモンスターの侵攻なんてないよな?


だが、考えても仕方がないのでとりあえず町へ赴くことにした。



そして国境とほぼ融合している町へとたどり着くと、あの門番の警戒はなんだったのかというくらいの軽い審査で簡単に入ることができた。


「なんだったんだ、さっきと今回で審査の重さが違いすぎる」

「そうだよっ、ボクが旅していたときもあんな重い税金とられることなんてなかったのに。どうしてなのかな」


やっぱフィッテも違和感を感じているらしい、なにせ人間大陸を旅していたからな、そこらへんには鋭いはずだ。

そして理由がわからず、パーティ内であーだこーだと言っていると、近くにきたおばさんが教えてくれた。


「おや? あんた達しらないのかい? ここ最近はワイバーンの被害だけじゃなくて、それに追い討ちをかけるように他国の盗賊集団が現れているんだよ。なんでも相当な手練れらしくてね、国境審査だけは厳重になっているのさ」

「なんだそりゃ」


ワイバーンとなんか関係あるのか?

情報が足りなさすぎて全くわからないが他国ってのが怪しい、なんでわざわざ盗賊が国に喧嘩を吹っ掛けるんだ?

ありえないだろ。


もしかしたらだが、盗賊ってのが雇われの傭兵とか他国の密偵の騎士・兵士っていう可能性も考慮しとかなきゃならないな。

じゃなきゃつじつまが会わない。

そいつらがワイバーンを誘導しているってのがありえりえそうな答えだが、結局はまだ情報不足だ。


首を突っ込む気はないんだが、この国はヴァニエにとっての安全地帯だからな、大きな問題が起きる前に探るだけ探ってみよう。


「エレン、ふたてに分かれて情報収集をしよう。このままこの国への被害が広まったら俺たちにも被害が出る」

「ああ、どうやら変な感じもするしね。なにか起きそうだ」

「それじゃ宿をとったら行動開始だ」


そうして俺たちはエレン・ヴァニエグループと俺・フィッテグループにわかれて情報を集めるにとになった。


もしモンスターの侵攻どころか戦争に関わることだった場合は容赦しない、俺一人ででも叩き潰してやる。

どっちが悪いとかはしらないが、俺には仲間の居場所の方が大切なんだよ。


ゼノンたちはパーティでみたら既にトップクラスの冒険者パーティーです。


そこらへんの小国の騎士団くらいなら相手取ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ