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44 親方! 空から男の子が!

要望のあったギールの設定画を人物紹介のところにのせておきました。

またなにかご要望があれば相談お願いします。

漆黒のドラゴンが屋敷に姿を現したことで、屋敷の者達に包囲されてしまった。

パパンやママンなど何かを覚悟したような顔をしている。

いや、このドラゴン敵じゃないから!

フィッテに「後のことは頼んだよ」みたいな顔せんといて!


「ボクの精霊魔法が全然効いてないよっ! でも早く気づけて良かった、もし気づかずにドラゴンに接近されていたら……。きっと、ゼノンくんが助けてくれたんだ」

「そうかもしれないな」

「あらあら、愛の力は偉大ね? ふふふっ」


俺ここにいるよ!

背中みて背中っ、ギラがでか過ぎて見えないけど!

パパンやママンも納得した顔してるし、早く降りて行かないとクロスハート家の最終決戦になりそうだ。


「ゼノン、僕たちもそろそろ降りよう」

「あの方たちがゼノンのご両親でして? オホホッ! さっそく挨拶しにいかなくてはっ」


すまんエレン、無駄に大変なことになってしまった。

あとヴァニエは空気読もう。


しかたない、いま動いたら反射的に攻撃されそうな気がするが、とりあえず俺が降りるしかないな。

飛行魔法で降りれば空中でも避けられるだろ。


「お~~い! 俺だよ俺! 俺はここにいるよ! このドラゴンは敵じゃないって!」


あ、やばいオレ○レ詐欺みたいになっちゃった。


「……え? あっ!? やっぱりゼノンくんだ! ロイルさんっゼノンくんが空から降ってきたっ!」


親方、空から男の子が!

みたいなセリフでいわんでくれ。

フィッテは俺の姿を発見するするやいなや、キャーキャー言いながら突進してきた。


「なにっ!? ……ッ、ゼノン! ……飛んでいる、だと?」

「あらあら」


はい、飛べるようになりました。


「久しぶりだなフィッ「ゼノンくんっ」……グホッ」


挨拶から始めようとした俺だが、フィッテの強烈なタックルを鳩尾にくらい悶絶した。

しかしそれでもフィッテは離れようとはせず、逆に頭をぐりぐりと押し付けてきていたのだ。

この子前より大胆になってないか?


「ははは、モテモテだねゼノン」

「ゼノン、その女はなんですの? 我が家臣に変な虫がまとわりつくのは不愉快でしてよっ」


モテモテ王子に言われてもな、あとヴァニエの家臣ルールがよくわからない。

そんなことを考えているうちに、今度はフィッテが泣き出してしまった。


「うっ、ううううぅうううっ、ボクは、もうダメかもしれないって思ったんだ。でも諦めなかったんだよっ! ゼノンくんからもらった気持ちを、台無しにしたくなかったから、……うぅ」


よくわからんが頑張ったらしい。

パパンやママン、メイド達もすごく安心した顔をしているし、3年は長かったか。



とりあえずみんな、ただいまだ



『で、俺はどうすればいい』


空気壊さんといて。



しばらくしてフィッテが泣き止んだあと、俺はドラゴンが仲間であり安全であることをみんなに告げておいた。

とりあえず屋敷の傍の空き地に鎮座することになったが、ギラが今後どうするかはわからないので整備するかしないかでパパン・騎士・メイドが揉めているようだ。


ギラにも一応聞いてみたのだが、何度聞いても『もうちょっといる』という返答しか帰ってこないのでアテにならない。

ドラゴンのちょっとってどのくらいだよ。

ワカラン。


だが、いま大事なのはそこではない。

俺の部屋では今、緊急事態が発生していた。


「へぇ~、でも君が勝手にゼノンくんを家臣だっていってるだけだよね? ゼノンくんにそんなつもりはないと思うな~」

「ふんっ。あなた、2人と何年間も一緒にいた私に向かって生意気ですわっ、だいたいあなたはなんなんですの!?」

「「ムキッー!」」


戦争が始まっていた。

主にフィッテは俺が誰かの配下に加わることが気に入らないようで、ヴァニエはすでに配下だと思っているので話がかみ合わないようだ。


「はぁ~、家臣の件なんて流せばいいのにな」

「ゼノン、たぶんそういうことじゃないと思うよ」


そうなのか。


そんなワケで、二人は決着がつかないまま夕ご飯ができるまで取っ組み合いを続けていた。

でもオアシスが元気になったようでなによりだ、俺の心も潤ったぜ。


夕飯の時にパパンとママンに聞かされた話では、やはり勇者召喚は既にはじまってしまっていたらしい。

召喚された勇者は5人、歴史上最大の人数だ。


いい意味でも悪い意味でも大変なことになったな。


パパンに修行を受けていた勇者は1週間ほど前に旅立ったらしいが、その他の勇者はまだ王城にいるということで会いに行くことになったらしい。

とりあえず勇者同士の顔あわせと、ドラゴンの件でも王に話しをつけに行かないといけないようだ。


まあドラゴンの件はわかる、あんなのがいたら過剰戦力とかいうレベルじゃないからな。

謀反と間違われてもおかしくない。


それとなぜだかフィッテが嫌そうな顔をしていた。

はて、なにかあったのだろうか?

まあとりあえず出発は3日後だ、それまでお互い訓練でもして成長を確かめておこうと思う。



エレンも<ブレイブソード>の件でキチった強さになっているしな、楽しみだ。


ついに<ブレイブソード>のお披露目です。

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