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31 魔大陸へ輸送された俺、縦ロールの恐怖

新キャラ登場します

真っ暗な部屋の中に少しだけ光が漏れている所がある、恐らく出口かなんかだと思うが…妙に光が弱い。

はて、今は昼くらいのはずだが。


まぁ、今はそんなことよりエレンの治療が先だ、シスターちゃん直伝の技を見せてやるぜ。

治癒魔法をかけはじめた時、俺はいままで感じた事のない脱力感を感じた。


「うっ、なんだ? 魔力が抜けていく感じがする」


あわてて俺はステータスを確認したが、とんでもないことになっていた。


魔力量:2/20156


……ッファ!?


あ、そうか!なにごとかと思ったけど、あの蒼いオーラをまとった時にほとんどの魔力を使用していたんだった。

不死身の情熱の超スピード魔力回復で、しばらくしたら元に戻ると思うが…それまでエレンにはガマンしてもらうしかないな。


ま、完全に気を失ってるし痛みはないだろう、かけはじめの治癒で体力くらいは若干だけど回復したはずだ。


魔力回復のためにしばらくじっとしていると、部屋の外から声が聞こえてきた。


「うちの公爵様もこんな牢屋なんかで見張りをしろなんて…何考えてるんだかな。あの蝙蝠公爵が死ぬ前提の話だったが、人間が仮にも魔族の公爵級を相手に勝てるわけ無いじゃねぇか」

「まぁサボれるんだからいいじゃねえか、城内じゃあここが一番暇なんだしよ」


なるほど、ここは魔族の城にあるどっかの牢屋らしい。

ていうことは、あの魔法陣は転移魔法陣だったわけか。

光が弱いのにも納得だ、ここが仮に俺の知っている魔大陸だとすれば、王都との距離関係的に昼夜が逆転しててもおかしくない。


まあ魔大陸なんて話でしか聞いたことないけどな、場所も想像でしかない。

そんなことを考えてるうちに魔力も何割か回復してきた、さっそくエレン回復しとこ。

ちなみに治癒魔法は属性ではなく、元素魔法【光+水】による技だ。

ウィンドアクセルとかそういうやつ。


魔力の力押しでエレンを治療したあと、俺はあの蒼いオーラがなんだったのか確認してみた。


(ユニーク)

【蒼炎の魔神】

└ほぼ全ての魔力を対価に、消費量に応じた魔神の力を纏う。


魔神になったった……。

いや、違うねん、魔神の力を纏うだけだし。

魔神じゃないし!


それに魔神ってのはあれだ、邪神とは違う。

邪神は敵対する神で悪魔の王である魔王やその他魔族を作りだすが、魔神は魔力の神だ。

魔神の中にも邪神はいるが、普通に人間に味方する魔神もいる。

って、神の爺さんが言ってた。


でもこれ、普通の人は知らないだろうな、絶対に隠ぺいしとこ。

なにはともあれ、これは最後の手段だ。

切り札であり奥の手だな、これで通用しなかったら魔力がスッカラカンで身体強化もできなくなるし。


とりあえず現状、まずはエレンが起きるのをまってから城内からの脱出だ。

起きるまでに魔力も回復させておけばなんとかなる、なって欲しい。

ものすごくいやーな予感がするけどな。


「うっ、……ハッ!? ここは? ……むぐっ」


しばらく待ってエレンが起きたが、大声を出しかけたので口をふさいでおいた。

外に聞こえたらまずい。


「エレン静かに、とりあえずさっきの蝙蝠女は倒せた。今はあの魔族にかけられた転移魔法でどっかに飛ばされたってとこだと思う」

「(コクッコクッ)」


エレンが頷いたのをみて手を放した。


そして俺は分かっているだけの現状の説明と、とりあえずここから抜け出す方針を説明した。

城である以上どこかしらに窓くらいあるはずだ、そこから降りればいい。

だが、問題は警備の魔族だ。


あいつらに見つかるのはしょうがないとして、倒せるかどうかがネックになる。

瞬殺できなければ仲間を呼ばれ、連戦になるだろうしな。


「どうするかなぁ」

「戦う必要はないんじゃない?逃げるだけなら全力で走った方が逃げ切れる確率は高いと思うよ」

「……あっ」


なにこの子冷静。

でも確かにその通りだ、戦う意味なんてなかったわ。

平和が一番さ、ラブ&ピースだ。


「じゃあさっそく逃げよう」

「僕の魔力も半分は回復してる、ここに誰もこない保証はないし逃げるだけなら充分さ」


……じゃあ早速。


……バァン!


俺は圧力魔法で部屋をふさいでいるなにかを圧潰し、全力で脱走した。

ちなみに外側でサボっていたと思われる魔族はひき肉になったようだ。


「やっぱりまだ見せてない魔法があったんだね」


エレンが何かを言っているが今は無視、とりあえず脱出できそうなところまでダッシュだ。


城内には意外と魔族が少なく、結局みつかることなく城のベランダと思われるところまでたどりついた。

高さはそんなにない、これなら飛び降りてもなんとかなるな…外は森のようだ。


「よし、とりあえず降りて身を隠そう。情報収集はそのあとだな」


エレンからも了解の意を得て飛び降りようとしたとき、背後から気配がした。


「あなたたち! 私の部屋でなにをやってますの!? まさか、盗人ですわね? ここが誰の城だか分かっていまして?」


真っ赤な髪の毛をした縦ロール少女が現れた…見事なドリルヘアーだ。

めっちゃ性格キツそう、ここは無視して逃げるべきだな。


「……あばよっ!」

「……ご、ごめんね!」


俺たちはなりふり構わず飛び降りたが、なぜか縦ロールも飛び降りてきた。

……勇敢すぎやろ、これが魔族か。


「あっ!待ちなさい! この私に狼藉を働いておいて逃げられると思って!?」


うわっ、なんだあの子めっちゃ足速い!

エレンにスピードをあわせてはいるが、エレンだってC級上位くらいの速力はある…それにピッタリついてくるってどんだけだよ。

というかジリジリ差を詰めてきてる、マジ?


外は森だったため逃げるのが有利だと思ったが、そんなことはなかったらしい。

木が邪魔だったりすると、ある程度の太さなら破壊しながら突進してきている。


もう嫌だ、魔大陸の少女怖い、おうち帰りたい……。


そんなことをしばらく続け、森を出たところで縦ロール少女においつかれた。

エレン、もう少しがんばろう。


「追いつきましたわよっ! さあ観念しなさい!」


ここは平和的解決を望むべきか?

やっぱり人類はラブ&ピースだよね!


……いや、相手は魔族だった。


魔大陸の少女でも普通はこんな子いません。

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