02 転生、3つのユニークスキル
神の詫びチート回です
──死んだ。
って思うじゃん、死にました。
……いや、死んだけどそうじゃない。
なんか意識が戻ったら変な空間に突っ立ってた。
ただ場所がどうみても地球じゃないし、現実味がない。
妙に気持ちもふわふわしてるし、なんか憑き物が、呪いだと思ってた「ナニカ」が無くなったよう「その通りじゃな」な……。
「──うぉぉ!?」
意識の外から何処からともなく変な爺さんが現れた。
めっちゃ驚いた、被せてくんなよ爺さん。
「いや、すまんな。どうにも緊急事態だったので慌てて駆けつけたのじゃ。この空間もお主と面会するためだけに用意した即席の空間じゃ」
なんかこちらが理解している前提で話す神々しい爺さんが現れたが、俺には何を言っているのか分からない。
ちなみに神々しいのは爺さんの頭皮だ、輝いている。
「ふむ、説明が必要か。しかしどこから話したものかのぉ……」
じゃあせめて、俺がやはり死んでいるのかの確認とアンタが何者なのか、そしてなぜこうなったのか、結果俺がどうなるのかの説明が欲しい。
「相分かった、質問に答えよう。まず死んだかどうかじゃが、お主が声を出せないことから気づいている通りじゃよ、死んでおる。次にわしが誰かという事じゃが、察しの通り神じゃ。まあ肩書きなぞ気にしてもしょうがあるまい。ただ、すげぇ~味方ってことじゃ」
なるほどな。
まぁ、だろうなとは思うしここで疑ってもメリットはない。
爺さんに悪意があるなら既に状況が詰みだ、なら信じていいだろう。
「で、じゃ。なぜこうなったのかについてじゃが…結論から言えば、管理の不手際…ワシらの失態じゃよ。お主は鬼や悪魔といった存在に寄生されていたのじゃよ。あまりにもオカシイ状況がなんどもあったじゃろ、ああいう呪いといったマイナスの力がお主のエネルギーを吸って集まり群れをなしていたのじゃ。それに気づけなかった、気づかなかった、ということじゃ……」
爺さんから涙がこぼれた、だがこれで原因は納得した。
しかし、ちょっと気になる点がある、なぜ俺なんだ?
俺である必要がわからない、ただの一般ピーポーだぞ。
「それについてなんじゃが、確かにお主は地球上では人間の範囲で収まる一般人じゃ。だが人の力はそれだけではない。魔力・霊力・気力といった精神依存の力があるのじゃ、お主はそれが規格外だった、それこそ呪われても前向きでいられるレベルでな。そうなれば悪魔などには極上の餌となり結果、こうなってしまったのじゃ」
……はぁ、わかった。
要するにそんなオイシイ餌を逃したくないから、神やそれに属す者に対してバレないよう上手く寄生した訳か。
「……そうじゃな」
……とりあえず、俺の個人的な感情はおいておくとして。
俺は今後どうなる?
「……そこが一番大事、じゃな。本来はワシらからできる措置はもう一度産まれ直し、良くて記憶の保持なのじゃが今回はちと訳が違う。最初に緊急事態だと話した通り、悪魔が絡んでおるのじゃ。こうなってしまってはもうお主の責任ではない。よって今回の悪魔と縁を切る目的を兼ね、地球への転生ではなく別の世界へ加護をつけて送り出そうと思う。これがワシらのできる最大限の誠意じゃ。…詫びにはならんが、もしくは天国じゃの」
わかった、アンタがそういうならそれが限界だったんだろう。
それでいい、それについて詳しい説明を聞いて選択しよう。
「相分かった」
それから俺は爺さんに説明を受けた。
世界で言うと、SF・中世ファンタジー・近未来発展都市などがおすすめらしく、人類が安定して生存権を確保していることや俺の生前の常識にそってまともに生きられそうな環境の星が候補にあげられた。
もちろん全部が全部、常識通りではないが。
で、俺は中世ファンタジー系の世界で決定した。
理由は魔法全盛期であり、俺のありあまる魔力量が活かせるからだ。
天国はよほど悪い行いをしない限り平均的にいけるようなので今回は除外だ、俺は生きて幸せになりたい。
そして次に授かるチートだが、これは爺さんにとっても無理の無い範囲で俺の魂に刻まなければならないため、元々の俺の潜在能力をベースに引き出しそこにアクセントを加える結果となった。
そして引き出されたチートがこれだ。
【名前】未登録
【種族】未登録
【Lv】0
【ステータス】
魔力量:20000
筋力:0
耐久:0
持久:0
敏捷:0
賢さ:800
精神:39200
【スキル】
(ノーマル)
アクティブ:
パッシブ:
(ユニーク)
アクティブ:
ステータス振り分け
パッシブ:
不死身の情熱
地球の創造神の加護
という結果になった。
魔力に関しては地球人は基本的に高く、異世界の成人(村人)が10~20に対して800~1000くらいあるらしい、(賢さ+精神)÷2=魔力量だという。
ただし、俺の場合は呪いの影響で精神が無駄に高まっていた。
といっても地球ではこのステータスが無いため隠れ数値でしかなく、多少前向きであるレベルの力しか反映されないらしいが。
爺さんにスキルの説明を聞くと、ユニークスキルなんてものは選ばれた勇者が1つ持っている程度で加護をあわせて2つあれば大勇者もいいとこらしい。
勇者越えてもうたわ。
まぁ、ユニークだけで勝てる訳じゃないけどな、恐らく。
そんなこんなで異世界行きが決定して、転送してもらうことになった。
「今回の件は本当に済まなかった、向かう世界は直接の管轄ではないがわしの加護が弱まることはない。その世界の神にも訳を伝えておこう、ではさらばじゃ。本当に、達者での」
あぁ、じゃあな。
そして俺の意識は遠くなっていった。