表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/162

01 プロローグ

プロローグです。

要するに転生までの死に至る流れですので、飛ばしても支障はないです。

なぜ、こうなったのか……。

俺は今までの人生を振り返りつつ、現状のどうしようもない環境に頭を悩ませていた。

大学卒業後から自分にできることをコツコツと進め、就職浪人の末やっと入れた会社であった。


しかし蓋を開けてみればどんなに努力しても報われない。


まぁ、だが。


自慢じゃないが俺はそこではギリギリ諦めなかった。

「なんかオカシイ」「そんなことってあるの?」と思うような呪われているとしか思えない不幸にぶちあたっても、「俺だけが辛いなんてことは無いんだよ、それこそどんな確率だ」と鼓舞して来た。

だが、そろそろ限界だ……。


そこまで悩んで、とりあえず少しでも元気をチャージするためになんか旨いもんでも食うかと、行きつけの薄暗い裏路地にあるラーメン屋に向かった。

どうせ今日食って帰って寝て起きればまだやれると、いつもながらに鼓舞していると路地の様子がおかしかった。


なぜか鉄の臭いが充満していて、誰かが叫んでいるのが聞こえてくる。

俺は、なんだよこんなときに食欲下がるなぁ…と思いつつ危機感の無いまま進んでいた、普通ならこの時点で「やばいだろ」と思うはずだが、このときの俺はマイナスの情報を無駄に遮断して前向きになろうとしていたため、ある意味感覚が麻痺していた。

結果目に入ったのは、血溜まりに沈む警官と怯えている男女の高校生4人だった。


目にした直後、頭だけ北極の海に沈められたかのようなレベルで冷え、目が覚めた。

麻痺した感覚についてだが、これはさすがに無理があった。

現状は一発で分かるし、どう考えてもこれはやばい。


殺人事件だ。


建物の角に隠れてよく見えないが、怯えてる視線を追ってみれば誰かが居るのが分かるし、まだそいつが何かしようとしているのも高校生の態度から明らかだ。しかも怯えの視線がバラバラに向けられていることから、人数は一人じゃない……。


(どうする)

──俺の心で葛藤があった。


確かに怖いし危ないが、葛藤している所はそこじゃなかった。

いや、怖いとは思ってる、怖いよ、すごく。

だが俺はそんなことより、いままで俺がうまく行かなかった理不尽さを思い出してしまっていた。

いつも心の隅で思っていたこと、「なんで俺だけ」という見たくなかった俺の弱さが、ここに来て爆発した。


(俺は今まで、こうだった。お前らリア充どもには分からないだろうが、今のお前らの立場が今までの俺だった。今どんな気持ちだよ、なぁ? なぁッ……?)


──しかし


そう思ってある程度近づいて見た顔を見たとき、気づいた。


映っていたのは、俺だった。

いままでの俺の表情だった。


俺の中の何かが完全にキレた音がした。


「──おおおぉぉぉ!」


誰がどうとか、もう関係なかった。

ただ、限界だった。

今ここで、俺が感じてきた痛みが同じじゃないのはわかってたはずだが、ここで逃げたら終わりだと思った。


ここぞとばかりに逃げる高校生を尻目に、それから1分ちょいくらい、俺は暴れた。


──まぁ、結論からいうと死んだ。当たり前だけどな。

っていうかもうすぐ死ぬって所だ、意識がだんだん遠くなっていく。


相手は3人で刃物持ちが2人に鉄の棒みたいな物を持ってたのが1人だった。


──そして気づくと、俺は突っ立っていた。

次話で異世界です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ