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16 修行

2年たちます、その間ずっと修行してました。

──屋敷に帰ってきた。


結局1週間ほど前からはじまった勇者騒動は「勇者と認める」で幕を閉じた。

まあ俺が実際に勇者であるかどうかはさておき、一応加護持ちであることがバレたからだろう、【地球の創造神の加護】なんて表示されても、「地球ってなに?」だろうしな。

今までにない神の加護だが、新種の勇者かなんかだと思われているのだろうと俺は納得した。


ちなみに、俺が一週間ほど屋敷にいない間、ギル兄さんとミュラ姉さんもあの森でレベルあげをしていたらしい。


まあ俺がバンバンモンスターを狩っているとなれば、そりゃあ兄さんたちも黙ってないだろう。

今はまだメイドが支援してゴブリンと互角といったところらしいが、1年もしないうちに二人だけでも倒せるようになると思われる。

もともとのスペックが良いからこそできる芸当だ。


そしてその後、あのギルドで魔石を買い取ってもらった俺は、低級モンスターの魔石でも結構いい値段で売れることを知り、武器を買うために今ある魔石を捌いていくことにした。

生態系が崩れるか心配だったが、もともと浅い所にいる魔物は森から溢れた部分でしかないので、気にしなくてもいいかもしれない。


迷宮なんかが近くにあれば、レベルも含めもっと効率よく稼げるんだけどな……。

この世界にも迷宮があり、それなりにでかい迷宮のそばには都市なんかが建設されていたりするのだ。


これから先、武器がないと森の奥に行くにせよなんにせよ、戦力不足であることは明白だし、いつまでも素手ではいられないだろう。


魔石5個で銀貨一枚ほどだが、この世界の武器はそれなりに需要が高く、中古の子供用でも銀貨50枚くらいはする。

まあ、本物の武器だしな。

今はひたすらゴブリンとスライムを狩り、ポイントと魔石を貯めていくしかない。


それにときどきだけど、フィッテも修行に参戦したりして、俺が弱らせたゴブリンに容赦なく止めを刺している。

フィッテは俺専属の戦闘メイド(見習い)になることが決定しているので、修行も過酷なようだ。

日がな一日、銀髪クールの専属メイドと組み手をしている。


俺にはもうメイドという単語がゲシュタルト崩壊を起こしてきてるよ……。






──そんなこんなで2年が過ぎた。



8歳になったギル兄さんは1年前から王都の騎士学校へいくこととなり、7歳になったミュラ姉さんも結局騎士になることに決めたらしかった。

二人の実力は既に見習い冒険者として活動できるレベルで、騎士学校の受験では試験の対戦相手である子供を瞬殺し、トラウマを植え付けたらしい。

おそるべしパパンとママンの血……。


ギル兄さんは順調に最強の騎士へ向かっているようだった。

1年前に屋敷へ帰ってきたときは、「いずれ、お前とも決着をつける時がくるはずだ」とか言っていたので、なんのこっちゃ分からないが覚悟はしておくに越したことはないだろう。


ていうかそもそも、なんの決着なんだ。

俺は騎士じゃないぞ。


弟のアベルは4歳になりすくすくと成長したが、あまり戦闘は得意ではないらしく、一日中本を読んで勉強していた。

ギル兄さんとミュラ姉さんは訓練であまり接点がなかったため、弟の相手はいつも俺がしていたのだ。


戦闘に関する才能がすべて頭脳へ向かったのか、弟はめちゃくちゃ頭がよかった。

いや、良すぎたと言っていいだろう。


この世界版の将棋みたいなボードゲームひとつとっても、日本の教育を受けた前世もちの俺と互角に張り合うとかいうとんでもないヤツなのだ。

おまえ生まれる世界間違えてね?

思わずユニークスキルを疑って鑑定してしまったほどだ。

結果、ただ賢いだけだったんだけどね。

俺よりも遥かに。


それから、2年の間フィッテと俺は修行を続けて、新スキルも加えてかなりスキルレベルもあがったし、基礎能力も少しあがった。

この基礎能力といのは、自分のスキルが通用しない時の最後の命綱だ、上がれば上がるだけ良い。

今後の俺の人生において、いろいろと助けになるだろう。


あと、まだ武器は選んでない。


ということで、俺はこの環境を脱することにしたのだ。

もうここで学ぶことはない、いざ新天地へ!


なんでも、隣の国である帝国の迷宮都市には迷宮専門の冒険者育成機関があるらしく、5歳から登録できるようだ。

俺はそこへ乗り込むことに決め、パパンとママンに相談したところ、あっさりと許可が下りた。

パパンとママンも俺がくすぶっているのを理解していたのだろう、もちろん俺の専属メイドである銀髪クール美人さんもついてくることが条件みたいだが、あとフィッテもセットで。


蓄えた魔石で迷宮都市産の武器を買い選び、そこでメイン装備を決めようと思う。

ちなみにフィッテのメイン武器は棍だ、エルフの血なのか魔法の吸収速度もハンパじゃなく、エルフの弱点である身体能力も人間の中ですらゴリマッチョなガドーのおっちゃんの血で相殺していた。

はっきり言ってめちゃ強いわこの子、なんか最近精霊さんを感じるとかいってるし。


そんで、現在の俺のステータスはこうなっている。


【名前】ゼノン・クロスハート

【種族】人族

【Lv】15


【ステータス】

魔力量:(20072)→20096

筋力:(54)→74

耐久:(64)→88

持久:(50)→70

敏捷:(87)→119

賢さ:(871)→895

精神:(39273)→39297


【スキル】


(ノーマル)

アクティブ:

New 元素魔法(火:Lv.2/水:Lv.5/風:Lv.5/土:Lv.7/雷:Lv.2/光:Lv.5/闇:Lv.5/無:Lv.7)

隠ぺいLv.10

New 鑑定Lv.10(135P消費)

New 体術Lv.10(110P消費)


パッシブ:

無詠唱Lv.8

魔力感知Lv.6

魔力操作Lv.7

言語理解Lv.5



(ユニーク)


アクティブ:

ステータス振り分け

└ポイント:96


パッシブ:

不死身の情熱

地球の創造神の加護


元素魔法の方は火と雷は使える場所がないので上昇はショボイ。

それ以外は満遍なくあがり、アイアンメイデンのせいで土魔法は伸びがいい。


ゴブリン達を2年間狩った結果、ポイントは300ほど貯まり次の武器選びのシナジーを考えて体術を最大までとっておいた。

体術っていうのは、ようするに体を動かす技術のことだ。

剣術レベル10のA君と剣術レベル10+体術レベル10のB君が戦闘したら、体術レベル分の差があるB君が無傷で勝利するだろう。


そのくらい体術は接近戦闘の基礎なのだ、すべての近接武器に対してシナジーがあるくらいに。

ただし、格闘術などは関係性がないのには注意、あれは素手専用の戦い方だったりする。

敏捷も3桁に突入したことで、体術とのシナジーも抜群となった。

今じゃパパンの剣すら視認できるぜ。

視認しても避けられないがな……。


鑑定レベルも最大まで引き上げ、少しでも弾かれるのを防ぐようにしている。

迷宮のモンスターに鑑定が通用するかしないかで、だいぶ生存率が変わるからな。


残りポイントは96、これで高レベルの武器スキルをあとから選べるだろう。

迷宮都市が楽しみだ。

国境までは馬車を貸してくれるらしい、パパンさまさまだ。


俺たちはクロスハート領に別れを告げ、馬車で帝国へと出発した。

次話から帝国編スタートです。

章分けはしません。

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