130 スターダストホープ超強化
前半は説明過多なので、なんだかんだ超強化された事だけ知って飛ばしても大丈夫だと思います。
アンリミテッドスキルの確認を終えた後、パーティ全員の状態を順番に鑑定していった。
どうやら全員超強化が行われたようだ。
まずパーティ最大の盾であるエレンだが、ブレイブソード専用のユニークスキルが付与されている。
(ユニーク)
【光の衣】
└聖剣解放時のみ発動可能。使用者の周りを光の粒子が覆い、全てのダメージを半分以下にする。
また元素魔法「光」を使う場合のみ、魔力がすぐに回復する。
ただでさえ耐久力のあったエレンがさらに堅くなったようだ。
全てのダメージが軽減されると言う事は、実質2倍以上の耐久力を得た事になる。
ブレイブソードがないと発動できないが、それでもさすがユニークスキルだな…
地味に光の幻影魔法が使い放題なのもデカい。
っていうか、魔力・装備・スキルの3拍子が揃ってしまったし、もう勇者と何も変わらないぞこれ…
そして次は俺たちの中で最大の攻撃範囲を誇るファイスだが、俺と同じで神の称号がついたスキルを獲得していたようだ。
(ユニーク)
【白銀の死神】
└使用するすべての魔法攻撃力が2倍になり、相手の耐性スキルに関係なくダメージが貫通する。
また命を刈り取った相手の残存魔力を若干だけだが吸収する。
とんでもない殲滅スキルだった…
1体1の戦いで魔力吸収はあまり効果を発揮しないだろうけど、雑魚殲滅の時にこのスキルがあれば魔力残量を気にしないで済む。
威力も耐性に関係なく貫通するし、戦場ではアイスバーンを無限に連打しているだけで戦いが終わっていそうだ…
ちょっとヤバいスキルだなこれ…
素の耐久力が減る訳じゃないし一撃必殺とかでは全然ないけど、それでも魔法の威力が尋常じゃない。
そして次はセレナだが、召喚スキルに必要なアイテムである黒竜の鱗の他に、白竜の鱗を手に入れたようだ。
魔力も素の300弱から、3倍ちょっとの900まで上がっていて、召喚に必要な魔力量を大きく確保したことになる。
300の時にギラの模倣も様になっていたし、900まであがっているなら黒竜と白竜の同時召喚も可能だな。
…で、次はヴァニエだが、限界突破を補うユニークスキルが発現したようだ。
本来は邪神側の力が働くはずなのだが、それを逆に利用されて改造されまくってるようだな…
(ユニーク)
【聖魔混合】
└魔族でありながら女神の光を宿した事の証明。
女神の力である限界突破の効果が切れた直後、邪神の力で限界突破が始まる。
邪神の力での限界突破が終了後、女神の力で限界突破する。
…なんだそりゃ。
なにかの冗談かと思ったが、そのまんまの意味らしい。
連続使用不可であった限界突破だったが、邪神と女神を行き来することで結果的にデメリットが消えた。
…もう常時本気という事らしい。
つまり、ヴァニエだけは怒らせちゃダメだということだな。
つ、次!ツインテちゃん…じゃなくてユリア!
ユリアは元々非戦闘員なわけだけど、この大陸の例に漏れずレベルは20程と高い。
鑑定してみたところ、脱走ばかりしていたせいか気配を消す能力ばかり特化していたが、それがさらに極端になったようだ。
ちなみに付与されたのは装備だ。
【カクレンボの天才】
└透明Lv.--
(防具スキル)
【透明】
└カクレンボの天才になれる靴。
履いていると姿が消える。
ギャグかなにかなのだろうか…
まあ戦えないユリアを無理やり表に出してもしょうがないからね、ある意味最善手だ。
次はフィッテ。
念願の魔力問題が解決し、精霊魔法の次のステージとしてユニークが付与されたようだ。
素の魔力もエレンと同等の1000まで上昇している。
(ユニーク)
【精霊降臨】
└召喚している精霊を一時的に取り込み、精霊のレベル分だけ全基礎能力を加算する。
取り込んでいる間は魔力の減少が少なくなる。
どうやら精霊を使ったさらなる強化のようだ。
レベル120である光の精霊を取り込めば一般人基準で30レベルほど上昇することになるわけだが…
問題はそれだけでは終わらないところで、取り込む精霊に制限がないってところが重要になると思われる。
契約している精霊が今の所は2体であることから、ステータス加算の限界値は200を超える。
およそ50~60レベル分の加算になるわけだ。
レベル的には一気にS級中位の仲間入りを果たしたことになる。
そして最後に、スラキューが強化されていた…
既にキング・オブ・チタンスライムといっても過言ではないスラキューだが、これ以上強くなってどうするんだい君…
(ユニーク)
【スラキュー】
└マスターであるゼノン・クロスハートに装備されている限り傷つかない。
装備されていない場合はただただ丈夫になる。
…ついにスラキューが無敵になってしまった。
いや…戦うとかじゃなくて、装備されている限り死なないっていう意味で。
つまり俺が負けなければスラキューも負けないわけだ。
色々しでかしたなあの女神。
…とりあえずこれで全体強化は終わったわけだが、あまりのチートっぷりにみんな唖然としているようだ。
俺も異常な強化だと思ったが、そっちも相当だね…
「さぁ、これで私にできる限りの強化は終わりました!…さっそくですが、これから妹の侵略を止めてもらうことになりますよっ」
「…流石にここまでしてもらったんだし、嫌とは言えないかな。それじゃいっちょ瞬間移動で…」
「あぁっ、ちょっと待っってくださいっ!いまさら全員で戻ってもダメですよ?…妹は邪神や他の大国にも手を回しているんですから」
…おっと、そうだった。
確かにここで戻ったら守れるのは王国だけだ。
エレンの故郷である帝国、アカデミアの連合国、邪神側が攻めてくるであろう教国まで手が回らないな。
だが、それだと打つ手がない。
「大丈夫です、こういう時のために私がいるんですから。妹も同じ能力を持っていますが、私の管轄下にある大陸ならどこへだって転移できるんですよ。ですので、いまからそれぞれに縁がある場所まで私が空間魔法で飛ばしておいてあげますっ!」
お賽銭タクシーが現れたようだ。
…そういうことならそれに便乗しようかな。
縁があるところってくらいだし、分かれるペアは恐らく以下の通りだろう。
王国【俺・フィッテ】
教国(魔族領付近)【ヴァニエ】
帝国【エレン】
連合国【ファイス・たぶんセレナ】
…こうかな、たぶんね。
「ちなみにだけど、ユリアはどこに入るの?」
「彼女は貴方のスキル的にも一緒に飛ばしますよ。こんな短期間で信頼しあうなんて、さすが私の見込んだ使徒ですね?」
アンリミテッドスキルの関連で連れていくことになったらしい。
…若干守れるか心配だけど、透明人間かつレベル20なら自分の身くらいは守れるだろう。
まあそもそも、王国が一番安全そうなんだけどね。
とりあえず皆と合流するのも一苦労になるし、瞬間移動用の容器だけは配っておくかな。
これでこっちの問題が片付いたら適当に仲間を回収していけばいい。
「…よし、こっちの準備はできたよ」
「それじゃ、いっきにいきますよ~!えいっ!」
いつも通り目の前が真っ白になった。
女神がアンリミテッドスキルを気にしていたことから、おそらくアテナ本体は王国へ攻め込んでいるんだろうが……
ギル兄さんとパパン相手に思い通りにいくと思ったら大間違いだ。
俺がつくころには終わってたりして。




